拒壽禮
宋 包拯
鐵面無私丹心忠,
做官不可念叨功。
操勞本是
内事,
拒禮爲開廉潔風。
**********************
壽禮を 拒む
鐵面無私は 丹心の忠,
官に做
(な)
らば 功を 念叨す 可
(べ)
からず。
操勞は 本 是れ
内事にて,
禮を 拒むは 廉潔の風を 開
(はじ)
めんが 爲なり。
******************
私感訳註:
※包拯:宋代の行政官で、清官、公正な裁判官として名高い。彼の詩詞は、この作と前ページ
の計二篇だけである。
※拒壽禮:還暦の祝いを断る。これには次のようないかにも包青天らしい逸話がある。包拯が還暦を迎えたとき、前もって息子に対して「誰からの祝いの品であっても受け取るな」と言いつけておいた。しかし、一番にやってきたのが時の皇帝、仁宗からであった。むすこは、やむを得ず、使者の宦官に対してその旨を説明し、品物は受け取れないので、詩句を書いて、それを贈ってほしいと頼みこんだ。もっともだと思った使者は、詩を「コ高望重一品卿,日夜操勞似魏徴。今日皇上把禮送,拒之門外理不通。」と作り、それを贈って帰った。その詩に対する答礼の詩が、本頁の作品である。詩語とは、縁遠い言葉が並んだ詩である。
※鐵面無私:公平無私。
※丹心忠:真心からの忠誠。
※鐵面無私丹心忠:公平無私なのは、真心からの忠誠心から出たことなのだ。
※做官:官吏になる。
※不可:……てはいけない。……べきでない。禁止を表す。
※念叨功:功績を口にする。念叨。気にかけて、つい口に出す。
※做官不可念叨功:官吏になれば功績を口にしてはいけない。
※操勞:苦労をする。骨を折る。
※本是:本来は……である。
※
:内事に付く量詞。一つの。特に訳せない。
※内事:内輪のこと。同族を祭ること。
※操勞本是
内事:気苦労は、本来、内輪のことにすぎない。
※拒禮:(還暦)祝いを断る。
※爲開:…を始めるため……。
※廉潔風:清廉な気風。
※拒禮爲開廉潔風:(還暦)祝いを拒絶したのは、清廉な気風を広げんがためである。
◎ 構成について
換韻。韻式は「AAA」。 韻脚は「忠功風」で、上平一東。この作品の平仄は次の通り。些か変わっている。
●●○○○○○。
(韻)
●●●●●○○,(韻)
○○●●●●●,
●●●○○●○。(韻)
2001.11.21
11.22完
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