誰か知らん丞相の燕京に歎くを
憶殺す俘囚の憂国の情
守節の丹心正気を吟じ
汗青長しえに鑑らす烈夫の名
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・丞相=右丞相
・燕京=大都、今の北京
・憶殺=殺は憶をつよめる助辞
・汗青=史書
※ 「文天祥」南宋末の忠臣、文山と号。理宗に仕えて江西安撫使。恭帝の時に元軍が侵入するや、1275年任地から兵を率いて上京、のち捕らえられて大都(北京)に護送。投降の勧めを拒否して、処刑された。獄中で「正気の歌」を作る。
(1236〜1282)(広辞苑より)
※ この詩は嘗て私が吟詠会に所属していた当時、「過零丁洋 」(HPを参照)の詩意に感動して作った。
この文天祥は「人生古より誰か死無からん」と詠じたように達観した稀有な人物である。
顧みて我が国の政界をみれば、全くの打算的で、自己保身そのもので、内閣支持率も下降気味とか。
僅かに一人(碇豊長先生作『讃平沼赳夫』を参照 )のみ節を曲げないでいる、誠に嘆かわしい。
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