風散士初夏偶吟　碇豊長の詩詞　来信　

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　これは風散士雅兄の詩で、読み下しも風散士雅兄になります。 ******************

初夏偶吟嫋嫋南薰梳柳糸、歸來雙燕影差池。殘紅委地鶯聲去、新綠成陰鵑語彌。朝購鮮鰹知物換、夕烹玉筍憶星移。應濡白屋夏初味、不厭聖賢傾酒巵。

嫋嫋たる南薫柳糸を梳（くしけず）り
帰来の双燕影差池たり
残紅地に委せて鴬声去り
新緑陰を成して鵑語弥（わた）る
朝（あした）に鮮鰹（せんけん）を購ひて物換るを知り
夕べに玉筍（ぎょくじゅん）を烹て星移るを憶ふ
応（まさ）に白屋を濡（うるほ）す夏初の味
聖賢に厭はず酒巵（しゅし）を傾く

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・物換星移＝王勃の『滕王閣』「滕王高閣臨江渚，珮玉鳴鸞罷歌舞。畫棟朝飛南浦雲，珠簾暮捲西山雨。閒雲潭影日悠悠，物換星移幾度秋。閣中帝子今何在，檻外長江空自流。」

より引用。