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          時事  
                       河上肇

逡次暮江前,
宛似萬延元治年。
野老不關軍國事,
粗飯一飽抱琴眠。




        


******

時事

                       
(ししょ)として 逡次(しゅんじ)す  暮江の前,
(あたか)も 似たり  萬延(まんえん) 元治(げんぢ)の年に。
野老 關
(かか)はらず  軍國の事,
粗飯 一飽
(ぱう)して  琴を 抱(いだ)きて 眠る。

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◎ 私感註釈

※河上肇:明治~昭和前期のマルクス主義経済学者。

※時事:今の社会的な出来事。昨今のできごと。この作品は昭和十六年三月の作で、当時、昭和十五~十六年初頭にかけては、第二次世界大戦の欧州戦線で、フランス軍降伏、ロンドン大空襲。日本では、日独伊三国軍事同盟条約調印、仏印進駐、大政翼賛会創立、紀元二千六百年式典挙行、大日本興亜同盟結成、米穀配給統制規則と極めて多端で、戦時色が濃くなってきている。この年の暮、十二月八日には、米国、英国…との戦端が開かれる。

逡次暮江前:夕暮れの川畔で、行きなやんではしりごみをしている。 ・:〔ししょ;zi1ju1◎○〕行きなやむさま。たちもとほるさま。進もうとしてためらうさま。 ・逡次:〔しゅんじ;qun1ci4○●〕あとしざりする。しりごみする。ためらう。 ・暮江前:夕暮れの川畔で。

※宛似萬延元治年:(昨今は)まるで、万延(まんえん)元年から文久、元治(げんぢ)元年までの幕末の大動乱期のようだ。 ・宛似:〔ゑんじ;wan3si4●●〕さながら。あたかも。ちょうど…のようだ。まるで…のようだ。そっくりそのまま。恰(あたか)も似(に)たり。 ・宛:ちょうど…のようだ。 ・似:似ている。…のようだ。 ・萬延元治:万延(まんえん)元年(1860年)から文久、元治(げんぢ)元年(1864)までの間。桜田門外の変、寺田屋騒動、生麦事件、八月十八日の政変、七卿の都落ち、天誅組の変、蛤御門の変、長州征討、薩英戦争…と幕末の大事件が起こり、動乱の兆しが見えている時代である。

※野老不關軍國事:田舎親父のわたくしめは、軍事・国事などの政治かかわらない。 ・野老:田舎親父。田舎の老人。老人が自分を謙遜して言う語。「野」は、「軍國事」=国家体制の対義語でもある。 ・不關:かかわらない。関係しない。 ・軍國事:軍事と国事。広く、政治の意で使われている。軍事力を重視する国家体制。

※粗飯一飽抱琴眠:(国家の大事に関わらない自分は)粗末な食事をちょっとだけ十分に食べれば、琴を抱いて眠る(だけである)。 ・粗飯:粗末な食事。 ・飽:〔はう;bao3〕充分に食べる。飽食する。 ・一…:〔「一」+動詞〕少し…する。ちょっと…する。 ・抱琴:琴をいだく。「琴」は、陶淵明の時代から李白『山中與幽人對酌』「兩人對酌山花開,一杯一杯復一杯。我醉欲眠卿且去,明朝有意抱琴來。」と隠者を暗示する。 ・眠:ねむる。


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◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「前年眠」で、平水韻下平一先。次の平仄はこの作品のもの。

◎○○●●○○,(韻)
●●●○○●○。(韻)
●●●○○●●,
○●●●●○○。(韻)

平成16.7.23
      7.24
      7.25完



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