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       冑山歌

                       頼山陽
冑山昨送我,
冑山今迎吾。
黙數山陽十往返,
山翠依然我白鬚。
故鄕有親更衰老,
明年當復下此道。


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冑山(ちうざん)の歌 

冑山(ちうざん)  昨 我を送り,
冑山  今 吾を迎ふ。
黙して數
(かぞ)ふれば 山陽 十たび往返し,
山翠
(さんすゐ) 依然たれども  我は 白鬚(はくしゅ)
故鄕 親 有り  更に 衰老
(すゐらう)
明年 当
(まさ)に 復(ま)た  此の道を下(くだ)るべし。

*****************

◎ 私感註釈

※頼山陽:安永九年(1780年)~天保三年(1832年)。江戸時代後期の儒者、詩人、歴史家。詩集に『日本樂府』、『山陽詩鈔』などがある。

※冑山歌:六甲山のうた。 ・冑:〔ちう;zhou4●〕作者が「六甲山」の「甲」を「六つのかぶと」(神功皇后が朝鮮征伐からの帰還した際、六つの甲(かぶと)を埋めたという伝説)に則っており、「かぶと」の意で「冑」字を使う。国語(日本語)の用法では「甲」字は「かぶと」。「冑」字は「よろい」だが、本来の漢語では、「甲」字は「よろい」、「冑」字は「かぶと」になり、頼山陽は正確な使い方になる。なお、菅茶山は『
甲山路上』として「迎人石相揖,驅馬雲將礙。樵者指前程,路横歸鳥背。」と詠うが、伊勢丘人先生によると、これは備後の甲山で、尾道から石州(石見の国)浜田への道程の途中の地で、このあいだの町村合併から、世羅町と合併したところ、とのことである。蛇足になるが、「冑」であって、「胄」は別字。 ・歌:口をしっかりと開けて、詩歌を雄々しく声に出してうたう。

※冑山昨送我:六甲山は、前年、わたしを見送り。 ・冑山:六甲山。頼山陽が活躍していた京都から郷里の安芸(広島)へ帰るときにとる山陽道は、六甲連山の南側を通る。山陽道から展望できる屈指の山。 ・昨:きのう。前年。ここは、後者の意で使われる。 ・送:見送る。 ・我:わたし。われ。自称の代名詞。後出「吾」との差異は「我」〔が;wo3●〕目的格として使うことが多い。「吾」〔ご;wu2○〕は主格や所有格に使われることが多い。ここでは同義で使われている。

※冑山今迎吾:六甲山は、今年、わたしを出迎えている。  ・今:ここでは、今年の意で使われている。 ・迎:出迎える。 ・吾:わたし。われ。自称の代名詞。

※黙數山陽十往返:心中で黙って数えてみれば、山陽道を十往復した。 ・黙:だまって。 ・數:かぞえる。 ・山陽:山陽道。京から筑紫の大宰府に至る瀬戸内海沿岸の幹線道路。頼山陽が京~安芸の間の往復に使った道。 ・十:10回。10たび。この作品で想像する限り、作者は一年に一往復しているように見られ、「十往返」で、「十年が過ぎた」の意になろう。 ・往返:往復する。

※山翠依然我白鬚:山のみどりは、依然としてもとのままであるが、わたしは、ひげが白くなってしまった。 *句中の対とも見られる。「山 翠」⇔「我 白鬚」。或いは「山翠 依然」⇔「我 白鬚」。 ・山翠:山はみどりである。山のみどり。 ・依然:もとのまま。状態が長い間変わらないで、同じであるさま。また、樹木が生い茂るさま。 ・白鬚:白ひげ。ここでは、ひげが白くなるの意として使われている。「我鬚白」の意。「鬚」を韻脚とするために「我白鬚」となった。

※故鄕有親更衰老:故郷には親がいて、ますます歳をとって衰えてきている。 ・故鄕:ふるさと。ここでは、安芸のことになる。 ・有親:親がいる。ここでは、母親のことになる。 ・更:ますます。さらに。 ・衰老:歳をとって衰える。

※明年當復下此道:来年(も)、また再びこの道を下って来よう。 *来年もまた親に会いにこの道を行こうということ。 ・明年:来年。 ・當:…すべきだ。…はずである。…う。まさに…べし。 ・復:また。 ・下:くだる。中央より地方への道をとる。 ・此道:この道。ここでは、山陽道のことになる。蛇足になるが、「下此道」ではなく、「此道」だけみれば、孝養の道ともとれる。





◎ 構成について

韻式は「AAbb」。韻脚は「吾鬚 老道」で、平水韻上平七虞、上声十九皓。次の平仄はこの作品のもの。

●○●●●,
●○○○○。(A韻)
●●○○●●●,
○●○○●●○。(A韻)
●○●○●○●,(b韻)
○○○●●●●。(b韻)

平成18.12. 7
      12. 8
      12.14



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