Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye


      
                            
甲斐客中
 

荻生徂徠
甲陽美酒綠葡萄,
霜露三更濕客袍。
須識良宵天下少,
芙蓉峰上一輪高。




                                               

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甲斐(かひ)客中(かくちゅう) 

甲陽(かふやう)の美酒  (りょく)葡萄( ぶ だう)
霜露(さう ろ ) 三更  客袍(かくはう)(うるほ)す。
(すべか)らく()るべし 良宵(りゃうせう)  天下に(まれ)なるを,
芙蓉( ふ よう)(ほう)上  一輪(いちりん) 高し。


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◎ 私感註釈

※荻生徂徠:江戸前中期の儒者。霊元六年(1666年)~享保十三年(1728年)。字は茂卿。名は双松。字は茂卿。号して徂徠。別号に蘐園。また、物部氏の出であることから、漢風に物(ぶつ)徂徠と自称。江戸の人。元禄九年(1696年)、柳沢吉保に仕え、講学のほか、政治上の諮問に答えたが、柳沢失脚後、官を辞し、江戸にあって古学派に新風を開き、古文辞学を大成。太宰春台等の俊才を門下に集め、享保以降の学会を風靡した。

※甲斐客中:甲斐(かい)の国の旅行中。『還館口号』ともする。甲府の藩主となった柳沢吉保に仕え、甲府に行った時の作。 ・甲斐:甲斐(かい)の国。甲州。現・山梨県。 ・客中:〔かくちゅう;ke4zhong1●○〕旅にあるあいだ。

※甲陽美酒緑葡萄:甲府の味のよい酒の葡萄酒。 ・甲陽:甲府。現・山梨県甲府盆地北部にある甲府市。戦国時代は、武田氏の根拠地で、江戸時代は、柳沢氏が領した。この詩は、この時代の作品。ワインの醸造業が発達。南南東50キロメートルの地に富士山がある。或いは、甲州。甲斐(かい)の国。現・山梨県。『甲陽軍鑑』に引かれて「甲陽」としたのか。 ・-陽:山の南や川の北で、日当たりの良いところ。 ・美酒:味のよい酒。美味しい酒。うまざけ。盛唐・王翰の『涼州詞』に「葡萄
美酒夜光杯,欲飮琵琶馬上催。醉臥沙場君莫笑,古來征戰幾人回。」とあり、盛唐・李白の『江上吟』に「木蘭之枻沙棠舟,玉簫金管坐兩頭。美酒尊中置千斛,載妓隨波任去留。仙人有待乘黄鶴,海客無心隨白鴎。屈平詞賦懸日月,楚王臺榭空山丘。興酣落筆搖五嶽,詩成笑傲凌滄洲。功名富貴若長在,漢水亦應西北流。」とある。 ・緑:〔りょく;(lǜ)●〕酒。緑色の酒。南唐・馮延巳の『長命女』に「春日宴,綠酒一杯歌一遍,再拜陳三願。一願郞君千歳,二願妾身長健,三願如同梁上燕,歳歳長相見。」とあり、南宋・辛棄疾の『念奴嬌』登建康賞心亭,呈史留守致道に「我來弔古,上危樓、贏得閒愁千斛。虎踞龍蟠何處是?只有興亡滿目。柳外斜陽,水邊歸鳥,隴上吹喬木。片帆西去,一聲誰噴霜竹?   却憶安石風流,東山歳晩,涙落哀箏曲。兒輩功名都付與,長日惟消棋局。寶鏡難尋,碧雲將暮,誰勸杯中?」とあり、後世、清末~・黄遵憲の『不忍池晩遊詩』に「薄薄櫻茶一吸餘,點心淸露挹芙蕖。靑衣擎出酒波,徑尺玻璃紙片魚。」とある。 ・葡萄:ブドウ。

※霜露三更湿客袍:(葡萄酒を味わっていると夜も更(ふ)けて、秋や春先の)霜(しも)や露(つゆ)が降りる午前零時頃には、旅の衣服が湿気ってくる。 ・霜露:しもと、つゆ。秋や春先に、体を冷やして風邪をひかせるものでもある。 ・三更:五更の第三。夜を五つに分けた第三。子(ね)の刻。現在の午前零時前後の二時間を謂う。月の位置は、満月の夜は、夕刻に東側から登り、午前零時には南の空の高いところにいき、明け方には西の方に沈む。 ・客袍:〔かくはう;ke4pao2●○〕旅ごろも。旅行中や旅先で着ている着物。

※須識良宵天下少:はれた眺めの良い夜は、この世では稀(まれ)であるということを、分からなければならない。 ・須識:知らなければならない。すべからく知るべきである。 ・良宵:はれた夜。眺めの良い夜。主として月夜を謂う。=良夜。「良」は「深」(ふかい)の意。盛唐・李白の『友人會宿』に「滌蕩千古愁,留連百壺飲。
良宵宜清談,皓月未能寢。醉來臥空山,天地即衾枕。」とある。 ・少:まれである。すくない。

※芙蓉峰上一輪高:(というのは、南の方の)富士の峰の上に月が一輪、高く出ている(からだ)。 ・芙蓉峰:富士山の美称。作者のいる甲府の南南東50キロメートルの地に富士山がある(上掲地図参照)。後世、明治・伊藤博文の『日出』に「日出扶桑東海隈,長風忽拂岳雲來。凌霄一萬三千尺,八朶
芙蓉當面開。」とある。 ・一輪:月。また、日。ここは、前者の意。「一輪明月」。初唐・張若虚の『春江花月夜』に「春江潮水連海平,海上明月共潮生。灩灩隨波千萬里,何處春江無月明。江流宛轉遶芳甸,月照花林皆似霰。空裏流霜不覺飛,汀上白沙看不見。江天一色無纖塵,皎皎空中孤月輪。江畔何人初見月,江月何年初照人。人生代代無窮已,江月年年祗相似。不知江月待何人,但見長江送流水。白雲一片去悠悠,青楓浦上不勝愁。誰家今夜扁舟子,何處相思明月樓。可憐樓上月裴回,應照離人妝鏡臺。玉戸簾中卷不去,擣衣砧上拂還來。此時相望不相聞,願逐月華流照君。雁長飛光不度,魚龍潛躍水成文。昨夜閒潭夢落花,可憐春半不還家。江水流春去欲盡,江潭落月復西斜。斜月沈沈藏海霧,碣石瀟湘無限路。不知乘月幾人歸,落月搖情滿江樹。」とあり、盛唐・王昌齡の『春宮曲』に「昨夜風開露井桃,未央前殿月輪。平陽歌舞新承寵,簾外春寒賜錦袍。」とある。

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◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は、「萄袍高」。平水韻下平四豪。この作品の平仄は、次の通り。

●○●●●○○,(韻)
○●○○●●○。(韻)
○●○○○●●,
○○○●●○○。(韻)
平成27.2.1
      2.2



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