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  七里灘重送 
                                                  

     唐・劉長卿

秋江渺渺水空波,
越客孤舟欲榜歌。
手折衰楊悲老大,
故人零落已無多。




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七里灘(しち り だん)(かさ)ねて送る

秋江(しうかう) 渺渺 (べうべう) (みづ) (むな)しく波だち,
越客(ゑつかく)孤舟( こ しう)  榜歌(ばう か )せんと欲す。
手に 衰楊(すゐりう)を折りて  老大(らうだい)を悲しみ,
故人 零落(れいらく)して  (すで)に多きこと無し。

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◎ 私感註釈

※劉長卿:盛唐の詩人。709年?(景龍年間)〜780年?(建中年間)。字は文房。河間(現・河北省)の人。進士に合格して官吏となるも下獄、左遷された。ために、詩には失意の情感や離乱を詠うものが多い。五言詩に優れていることから「五言(の)長城」と称された。

※七里灘重送:七里灘で、重(かさ)ねて見送りをした。 ・七里灘:現・浙江省桐廬県の西南20キロメートルほどの厳陵山の西にあったが、現在は富春江にダムが出来たのでダム湖と川の中間的なものとなって様子が変わっているようだ。 ・重送:かさねて見送る。以前に見送りをしたことがあり、今回も見送りをする。

※秋江渺渺水空波:秋の川は、涯(はて)しなく、水は空(むな)しく波立っており。 *この「秋江渺渺水空波」の句は、「秋江渺渺+水空波」と句中の対に似た表現「
秋江渺渺空波」を採っている。 ・秋江:秋の川。 ・渺渺:〔べうべう;miao3miao3●●〕水のはてしなくけむるさま。遥かでかすかなさま。遥かで遠い。果てしない。唐・劉長卿の『平蕃曲』に「渺渺戍煙孤,茫茫塞草枯。隴頭那用閉,萬里不防胡。」とあり、宋・蘇軾の『水調歌頭』快哉亭作「落日繍簾卷,亭下水連空。知君爲我、新作窗戸濕紅。長記平山堂上,欹枕江南煙雨,渺渺沒孤鴻。認得醉翁語,山色有無中。」とあり、北宋・寇準の『江南春』に「渺渺,柳依依。孤村芳草遠,斜日杏花飛。江南春盡離腸斷,蘋滿汀洲人未歸。」とあり、北宋・晏幾道の『鷓鴣天』に「醉拍春衫惜舊香,天將離恨惱疏狂。年年陌上生秋草,日日樓中到夕陽。   渺渺茫茫。征人歸路許多長。相思本是無憑語,莫向花箋費涙行。」とある。 ・空波:むなしく波立つ意。

※越客孤舟欲榜歌:越の国(現・浙江省)の旅人(であるあなたは、)一つだけぽつんと漂う孤独な旅路を行く舟で(寂しげであるので、)船頭が歌う歌でもほしいものだ。 ・越客:越の国(現・浙江省)の旅人。この詩で送別された人物。 ・孤舟:ただひとつの舟。一つだけぽつんと漂う舟。孤独な旅路を行く人の表現でもある。盛唐・劉長卿の『酬李穆見寄』に「
孤舟相訪至天涯,萬轉雲山路更賒。欲掃柴門迎遠客,青苔黄葉滿貧家。」とあり、盛唐・杜甫『登岳陽樓』に「昔聞洞庭水,今上岳陽樓。呉楚東南坼,乾坤日夜浮。親朋無一字,老病有孤舟。戎馬關山北,憑軒涕泗流。」とあり、中唐・柳宗元の『江雪』に「千山鳥飛絶,萬徑人蹤滅。孤舟簑笠翁,獨釣寒江雪。」とある。 ・欲:ほしがる。のぞむ。もとめる。ほっする。 ・榜歌:〔ばうか;bang4ge1●○〕舟歌。榜人の歌。船頭が歌う歌。

※手折衰楊悲老大:(故事に則(のっと)って)手で衰えたヤナギの枝を折って、年をとったことを悲しみ。 *「手折衰楊悲老大」は「手折衰楊+悲老大」といった構成で、「
(手)折衰楊老大」と対になっており、「衰楊」と「老大」を対比して味わう部分。 ・手折衰楊:別離の際、水の畔まで見送り、柳の枝を折って贈った故事(=漢代、長安の都を旅立つ人を見送る時、覇橋まで行き、ヤナギの枝を折ってはなむけとした故事)に基づく。またそれによって起こった横吹曲の一。別れの情をうたった曲名ができ、『涼州詞』「夜聽胡笳折楊柳,ヘ人意氣憶長安。」や盛唐・李白の『春夜洛城聞笛』「誰家玉笛暗飛聲,散入春風滿洛城。此夜曲中聞折柳,何人不起故園情。」 がある。 ・老大:年をとる。漢・古樂府『長歌行』に「青青園中葵,朝露待日晞。陽春布コ澤,萬物生光輝。常恐秋節至,焜黄華葉衰。百川東到海,何時復西歸。少壯不努力,老大徒傷悲。」とあり、盛唐・賀知章の『回ク偶書』に「少小離家老大,ク音難改鬢毛衰。兒童相見不相識,笑問客從何處來?」とある。

※故人零落已無多:古くからの友人も亡くなって、(生きている者は)もはや多くはない。 ・故人:古くからの友人。昔の友達。旧友。故知。また、元の夫や妻。ここは、前者の意。梁朝・柳ツの『江南曲』に「汀洲採白蘋,日暖江南春。洞庭有歸客,瀟湘逢故人。故人何不返,春花復應晩。不道新知樂,只言行路遠。」とあり、盛唐・王維の『送元二使安西』に「渭城朝雨浥輕塵,客舍柳色新。勸君更盡一杯酒,西出陽關無
故人。」があり、盛唐・孟浩然の『過故人莊』「故人具鷄黍,邀我至田家。克村邊合,青山郭外斜。開筵面場圃,把酒話桑麻。待到重陽日,還來就菊花。」や盛唐・李白の『黄鶴樓送孟浩然之廣陵』に「故人西辭黄鶴樓,煙花三月下揚州。孤帆遠影碧空盡,惟見長江天際流。」とあり、中唐・張謂の『同王徴君湘中有懷』に「八月洞庭秋,瀟湘水北流。還家萬里夢,爲客五更愁。不用開書帙,偏宜上酒樓。故人京洛滿,何日復同遊。」とあり、中唐・劉長卿の『贈崔九載華』に「憐君一見一悲歌,歳歳無如老去何。白屋漸看秋草沒,雲莫道故人。」とあり、中唐・張謂の『送盧舉使河源』に「故人行役向邊州,匹馬今朝不少留。長路關山何日盡,滿堂絲竹爲君愁。」とある。 ・零落:〔れいらく;ling2luo4○●〕落ちぶれてさびしい。死ぬこと。また、草木が枯れしぼむ。ここは、前者の意。 ・已:とっくに。すでに。 ・無多:多くはない。

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◎ 構成について

韻式は、「AAA」。韻脚は「波歌多」で、平水韻下平五歌。この作品の平仄は、次の通り。

○○●●●○○,(韻)
●●○○●●○。(韻)
●●○○○●●,
●○○●●○○。(韻)
2015.5.14
     5.15




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