仏像彫刻、彫刻の方法や仕方  彫刻の方法                        

  趣味の仏像彫刻教室で学ぶ作り方や方法
  ”仏像彫刻教室”で学ぶ基本的な事、工夫した事等、”彫刻の方法”を主体に綴ってみたいと思います。
   項目は、今後随時追加していくつもりですが、何せ素人が順次知っていくはじめての仏像彫刻の事なので、内容の
   稚拙さや誤解等はご容赦ください。 詳しい内容や正しい知識を把握するつど修正・追記していきたいと思います。
   ”工夫”などはあくまでも 『”趣味の”仏像彫刻を楽しむ!』(彫りでのストレス感?を減らす)一法とご理解下さい!!
   また、初期に記載した方法などが、後日の追記で別法に変わっている項目も有りますが、”初期の方法”は
   そのまま記載しています。 更に、追記・追記で読み難くもなっていますが、ご了承下さい <(_ _)>。
     本項の「記載項目」、及び「項目へのアクセス」は、目次付本ページ からどうぞ! 
     その他、仏像彫刻の全項目に関しては、”仏像彫刻へ”からもどうぞ! 
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1.仏像彫刻にまつわる基本的な事;
 1)仏像の大きさ、基本的な寸法取り;  
 仏像は、後記の様な”基本となる寸法取り”をすることで、均整のとれた、チョット丸顔の(古儀に則った)仏様になる由 
 (これを知って暫くは、(自分をさしおいて!)人様の体、顔つきの配分が、やたら気になりました!(勿論ブツブツはいいません...)
 伝統のなかから育まれた寸法取りなのでしょうが、”均整のとれた”とはこういう事なのかと!納得もさせられます。
a)仏像の大きさ  
 何丈(尺、寸)で表される古来からの仏像の大きさ(丈)は、 頭髪の生え際を”髪際(ハッサイ)”と呼称し、
 立像では”足裏から髪際までの高さ”、 坐像では”座面から髪際までの高さで立像の半分”を言います。 
  [例: ”丈六” の仏像の高さは、立像では1丈6尺。 坐像では半分の8尺(”坐像8尺”と記す場合もある)。]
  追記:「仏像の大きさ」を表す 代表的な表記とその内容;('10/10)
 
  追記2:「髪際高」で仏像の大きさを表すようになるのは、平安後期(11世紀)以降との事(書籍”国宝の美”より)。
  追記3:代表的な仏像の大きさ;(書籍”国宝の美”より)
   ・丈六;釈迦の身長が常人の倍の一丈六尺(約4.85m)とされる(伝説)ことから、仏像の大きさの標準となった。 多くは坐像(八尺約2.4m)
    で造られる。
   ・大仏;丈六よりも大きなものをいう。
   ・一尺三寸;「仏説十一面観世音神呪経」などで説く大きさ。→現代の仏像彫刻でもよく採用される大きさの一つ。
   ・周丈六:中国・周代の1尺換算(唐大尺の’75%で約22cm)で造像された丈六像(立像で3.6m、座像で1.8m)
b)仏像の基本的な寸法取り   
 仏像彫刻では、立像の大きさ(髪際高)の10分の一[坐像では5分の一]の高さを=1つ、1つの半分を=半 
 と呼称し、この単位で、下記の様な尊体主要部の寸法取りをしていきます。(”仏像の様式美”形成の元)
 また、この方法により、仏像の大きさが変っても、その大きさに応じた尊体各部の位置取りが出来ます。
  この寸法取りは、仏師伝来として定まってきた内容や値で、時代や仏師(仏所)によって多少異なります。⇒下記の追記内を参照下さい
 @)立像・座像の主な寸法取り;    
 立像・坐像での、
  ・髪際から頭頂までは=半 (頭部詳細は下記A)参照) 
  ・顔巾(耳張り)は=1つ半 ( 同上 )
  ・胸巾(脇)は=2つ    
  ・腹部厚み(背中−お腹)は=2つ 
  (胸は厚く、お腹はチョット出気味です..メタボ?!)
 坐像での、
  ・膝張りは=5つ、
  ・腿高さは=1つ
 その他;
  ア) 主な部位の位置は上図内参照.。
  イ) 顔や手足については、下記のA)、B)参照、  
左記より、例えば1尺の大きさの仏像は、cmでは、
 1尺=立像では 30cm(=足裏から髪際まで)
    坐像では 15cm(=座面から  〃  )
      (注記;1尺は、より正確には 30.3cm)
 1つ =1寸=3cm  (1尺の1/10)
  =5分=1.5cm(1つの1/2 ) なので、
・頭頂までは、立像では 10 と半⇒31.5cm の高さ
      坐像では 5つと半⇒16.5cm 〃
・顔巾は、    1つ半⇒1寸5分= 4.5cm
・胸巾は    2つ ⇒2寸 = 6.0cm 
・腹部厚みは、 2つ ⇒2寸 = 6.0cm
       位となります。
A)仏頭の主な寸法取り    
 足裏から10(=髪際、上図内参照)の位置の
 髪際(髪の生え際)を基準として、
 ・頭頂まで  = 半 (0.5)
 ・目の下まで = 半 (頭頂から1つ)
 ・口下まで  =1つ (あごまでは更に1/4つ=0.25)
  (上記から頭頂〜あご下までは約1.75つ、
   から、立像は10.5÷1.75=6 で6頭身!)
 ・顔巾(耳張り)は  =1つ半 (正味顔巾:1つ位!)
 ・顔の横幅(奥行)は=1つ半 (鼻先-後頭部)
 ・耳の位置は=鼻先から1つ (・耳巾=0.4つ位)
 ・耳の長さは=(髪際より少し下から)1つ 
追記:実際の像では、お顔はもう少し小顔に(特に顎長さ1/4つを短く)し、6.5〜7等身位にする様です。
+追記;ある新書で、日本の仏像は西洋美術的観点からは、”顔も、また全身のプロポーションも子供である”と評しています。 そして、
   その”子供ぽさ、子供の要素こそが、聖なるものの感じ、心の奥底に届く要素ともなっている(汚れなさ、純粋無垢)”
   としています。 確かに西洋的感覚・プロポーションでの”6〜7頭身前後は、5〜10歳前後”とされ、日本の仏像の多くは 上記や
   下記・追記の様に、顔も、顔巾を含め大き目の様です。
   (余談ながら、幣・鉄道模型での”トーマスへの改造の追記2”でも味わった感覚にも通じるものがあるようです)
追記2:試しに、各時代の仏像のお顔に"髪際−口下を1つ”とした”マス目線”を合わせてみました。 すると!
  (多くは) 髪際から−目の下が"半”、口下が”1つ”、耳張りが”1つ半”、鼻先や眉上が”1/4つ”、のマス目にのります。
  こんなに顔つきは異なるのに...お顔は微妙で難しい⇒面白い?!
        (注記:上図は、各像毎の髪際高からのマス目取りによる配分では無く、顔部分のみの配分度合いを表示してみたものです)
追記2の追記: 仏像のお顔だけでなく、(集合写真の)人様のお顔にも上記マス目を合わせてみました。
   (掲載は個人情報上不可!) すると!、(縦位置)髪際からの目・鼻・口位置はほとんどマス目にのりマス!
   が、耳張り(1つ半)が狭い(1つと1/4位)事が判りました!! で思うに!、仏様は、”衆生の苦しみの声を広く
   聞き取ろう!聞き漏らさない!”様、耳を張っているのではと思われます!?(上記の+追記にも通じる)
更に追記:”童顔”について;一般的な童顔の特徴(岩波新書「仏像の顔」−清水真澄著より)は、
 @丸顔である、 A目と耳の位置が大人に比べて低い、B顔を上下に二分割した時に目が
  その線上、あるいはそれ以下にある、 C目と目が離れている  D目と眉が離れている
 E鼻柱が短い 等。  
 で、マス目上に合わせてみると!右図の様になるのでしょうか    (半顔での比較⇒)
  
  童顔←l→大人
           元(作品−毘沙門天)に戻る     元(作品−わらべ三兄弟)に戻る
付記;その他、目や口の表現については、他項も参照下さい⇒(豆知識−眼)や、(眼の表現)など
B) 仏手・仏足の主な寸法取り;    
目安の大きさ(特に明王・天などは大き目・太めになる)
 ・手巾・足巾は= 半〜 (0.5〜0.7)
 ・ 〃  厚み= 半  (足は甲高ぎみ)
 ・手先長さ:手首から
  握り手は  = 半〜 (0.5〜0.7)
  開き手は  =1つ〜 (1.0〜1.2)[指の長さ=半]
 ・足の長さは  =1つ半〜(1.4〜1.6)
 ・足首までは  =1つ
 なお、”如来の手”は指間に”水かき(膜)”があります。(”衆生を漏らさず救いあげる”意から) また、特に如来
 や菩薩は、指の長さを長め(開き手で半)にし、全体的にふっくら円やかに表現します(後記・三十二相の項参照)
 付記:指間の水かきは、(インドでの)当初の仏像が石造で、細い指本の破損を防ぐ意味合いもあるとか。
           元(作品−仏手等)に戻る
 という事で、
  主な部位の寸法取りは、2つ、1つ半、1つ、半、1/4つ等、スッキリした配分で覚え易くも有ります!

  (多くは、実際の標準的な人間にも当てはまる”写実的な表現”の寸法取りの様です...!!)
  (例えば、身長170cm(→髪際高で162cm位)の人の「足の大きさ」は、足の大きさ>1つ半から 「25cm前後」かと)
 あとは、この配分の中で如何に表現できるか!!ですが...。 また、
 特に、様々な時代(特に奈良・鎌倉期)の写実的な像を手本とする場合も、この配分がほぼ当てはまるので、
 また、手本が写真像など、 ”寸法取りが解りにくい場合”などに適用するなど、様々に役立ちそうです。
 (写真像での歪については、後記など参照下さい)
 追記:横、斜めなど正面を向いていない顔や手足を彫る場合には、横、斜めを正面にした顔部・手部の木取りをしてから彫りを進
     めれば良い!!という事に、後日気が付きました (中々、基本が身につかない!!事を思い知らされます(-_-メ) )       
追記:上記寸法取りは、木割法の”運慶法則”による基準のようです。 その他木割法の概略について抜粋を下記します。
 木割法(「仏師に聞く・仏像彫刻教室」より抜粋):  
  木割法とは、仏像の頭高・脇幅・肘張・ひざ張など立像・坐像の割合比例を定めたものです。
  (下記の法則は、代表的な作品の基準であり、すべての像に該当するものではありません。)
  ・奈良法則:身長十五割、      ・平安法則:身長十一割、  ・定朝法則:身長十三割、
  ・運慶法則:髪際十割、坐像五つ法、 ・快慶法則:身長十六割、  ・江戸仏師法:髪際十割・坐像五つ法、
  (これら法則は、一般的には造仏所に伝えられる門外不出の内容です)
 上記、成る程と思わされたのは、今手本にしている”菩薩半跏像(平安初期の作)”の顔や胸厚が、髪際十割よりは小さめ・薄めなの
 です。 各時代の流れ・要請の中で、仏師が採用したこの木割法が下記”仏像の体形と姿勢の変遷”に現れているのだと思います。
元(「地蔵菩薩」)に戻る   元(菩薩半跏像)に戻る
 
 参考・追記) 仏像の体型と姿勢の変遷「国宝の美」より抜粋  
仏像の体型と姿勢の変遷図 @)体型の変化;各時代の仏像の腹部を輪切りにした概念図
  ・飛鳥時代は背中が扁平で腹部はあまり出ていない。
  ・奈良〃 はバランスのとれた、やや横に長い楕円
  ・平安〃 初期の仏像は、正円に近くなる
  ・平安〃 後期になると体部の奥行が無くなり、いちじるしく
      横に広い楕円形になる。(⇒定朝様)
  ・鎌倉〃 縦の方がやや長い楕円形に変る表現も(⇒慶派)
A)姿勢の変化;各時代を代表する仏像の側面観
  ・飛鳥時代は胸をひいて腹部が出て、やや控え目の静謐感
  ・奈良〃 胸部が厚く前に出て、堂々として一種の威圧感も
  ・平安〃 初期は、それを更に強調して重量感を増す
  ・平安〃 後期には胸をひき、腹部を少し前に出す(⇒定朝様)
  ・鎌倉〃 胸部が厚く前に出た表現や(運慶⇒慶派)、定朝様
        を汲む円派、院派仏師による表現など様々
B)顔の輪郭の変遷;
  ・飛鳥時代は@面長のしっかりした顔立ち
  ・奈良〃 A丸みを帯び始め、後期にはBふっくらとした丸顔へ
  ・平安〃 初期はC丸顔が主流ですが、やや扁平な公家風
  ・平安〃 後期にはまたDふっくらとし、
  ・鎌倉〃 からはE面長となっていきます
 ・この変遷をみると、
  a)上記の基本寸法取り[胸巾2つ、腹部厚み・2つ等]は、鎌倉時代(運慶)の表現に近いと思われます。
  b)時代 々 で好まれた容姿が反映されているのでしょうから、特に私のような、”趣味の彫刻”では、
   (基本は押さえつつも)自分の好みを出す事は許されると思います!(下記三十二相内参照)
追記:仏像の変遷・他に詳しい解説本:「仏像の再発見-鑑定への道(西村公朝著、吉川弘文館発行)
  東京芸大の教授や仏師・僧侶でもあった西村公朝師執筆の上記本は、その実績や研究の下、”仏像の鑑定”の
  観点から、現存する仏像全般に渡る時代ごとの特徴などを、躯体・他の各部に渡って、それこそ微に入り細に
  わたる解説がされています。
  仏像彫刻をする上でも、どうしてこうなっているのか?やその背景、どう表現すれば良いのか? などの問いにも
  答えてくれる、いわば”バイブル”的な本と思えます。(姉妹本として「仏の世界観」も有ります)
 +追記:上記本の(大分な)簡略版として「仏像の見分け方」(西村公朝・小川光三著、トンボの本・新潮社)・他が有ります。
 +追記:上記本は、吉川弘文館での”過去に評判の良かった書の再発刊”の一書籍として、今(H26)は新刊で購入出来ます。
元(豆知識・眼の彩色)へ  元(豆知識冒頭)に戻る
 
c) 三尊像の寸法;(追記:H24.2) 
  三尊像とする場合、中尊と脇侍との仏像の大きさの比率(目安)は中尊:脇侍=6〜7:4〜3
  《中尊は脇侍の1.5〜2倍 》位にすれば、主役・脇役 供に生き、バランスよく納まる との事です。
  趣味の彫刻で、”仏教での三尊形式”にとらわれずに彫像し、後に(自分なりの)三尊像として飾る場合は、
  今 彫ろうとする像は”中尊にするのか脇侍にするのか”を念頭に上記目安で”大きさ”を決めると良い。   
 この目安を知らなかった事も有り、”私の作品” 内に掲載の下記”三尊像”は、中尊が小さすぎて、(仕方なく、
 中尊の台座を上げてはいますが...)今一つ、見栄え”バランス→訴える力” が弱い 要因となっています。
 @) (釈迦如来)三尊像:6寸の中尊と、6寸の脇侍。
    教科書の課題の寸法で彫像しものを、後に三尊像
    として組合せた為。
 A) 菩薩三尊像:8寸の中尊と、6寸の脇侍。
    本目安を知らずに寸法決めし、組合せた為。
 ⇒上記は共に、中尊を9寸以上とすべきでした! 
  (⇒右記写真をクリックすると大きい写真になります。)
(釈迦如来)三尊像
 菩薩三尊像
 元(作品を飾る)に戻る   元(作品一覧)に戻る
   
 2) 三十二相(八十種好)をふまえて;  
仏像、特に如来や菩薩の姿を表す上でふまえるべき大切な要素が、三十二相八十種好と呼ばれる”尊い身体的特徴”
だといわれます。 彫像(特に如来や菩薩)の基本知識ですから、ここで三十二相の全体を今一度振り返り、今後に生か
したいと思います。
(ただ、趣味の彫刻としては、好みにより一部は(手が長く膝に達する(No9)等)省略も可と思ってはいますが...)
 三十二相とは! 別項の”豆知識”内を参照下さい。
 
 3)身にまとうもの(着衣法);  
仏像の造形美の一つは、身にまとう衣裳の”衣紋(ひだの流れ)”の美しさだと思います。 仏像は尊格に応じて身にまと
うものが定まっていますが、あの”ひだの流れの美しさはどの様に出来るのか!”
仏像を彫る上で、衣裳の着付け方法や手順を知っておくことは、見え隠れする衣裳の線のつながりや、衣紋の出来方を
理解する上で大いに役立つと思います。 その意味で、下記の本など、多いに役立ちます!
書籍「仏像の事典(熊田由美子監修・成美堂出版)」には、各尊格毎に”身にまとううもの”の項が有り、基本の着付けが手順をおった
図とともに解説されています。(下図は、「菩薩」項での図例)。
        E    ←   D   ←  C  ←  B  ←  A   ←    @
       
 追記:前記の書「仏像の再発見」内では、更に詳しく解説されています。
 実際の仏像では、装飾的に着付けし、衣紋なども際立たせていますが、この基本の着付けを理解すれば、手本の像で
 はどうなっているのかが判り(易く)、各着衣の区分の不明確さ−ごまかし!?を感じずに彫り進められます。 
 現在('10/11)彫っている”写真集を手本にした「菩薩半跏像」”では、天衣と裳(裙)が複雑に絡み合っていて、”衣裳のつながりや、その
 で方” が下記のように判りにくいものでしたが、この基本の着付けからの応用である事が判るにいたって、やっと納得出来ました。
  ”裳”の腰部の強い衣紋と、背面にバンド(石帯)がありバンド上部の裳が少し折り返っている着付け
 (右写真)が理解出来なかったのですが、”裳"を、腰部で一度折り返した後に、裳の上から石帯を結ん
  でいる(基本は上図内にあるように、石帯を結んでから折り返すので石帯は見えない)と判り、疑問が
  解け、折り返し後の裳端など区分けして、衣紋線を彫り進める事が出来ました
追記:「運慶展」(於:金沢文庫(H23.1〜3月)での「厨子入り大日如来坐像」(厨子とは別に展示され、背面からも見られた)の解説に、
  ”裳を折り返して、その上から石帯を結ぶ形での表現は、平安時代初期の像にみられ、(運慶作の)本像はその表現を取り入れて
  いる”との解説がされていました。(上記の「菩薩半跏像」は平安時代初期に造像された) (⇒ナルホド! ヤッパリそうだったんだ!)
 
2.彫刻の道具・方法;
1)手持の彫刻刀の種類;  
  NHKでの”わらべ地蔵”の時に購入した「入門キットの12本」。  その後、「教室」で彫刻の色々を彫る内、
  段々増え、現在、合計24本(H22.3現在)。
 増えたその主な物は、
  a) 主に逆目彫り回避用として: 深い所の彫り上げ用「丸曲がり刃」、面用「逆手(左きき用)切出し刀(小刀)」
  b)  〃 細仕上げ用として  ; 髪のもとどり(線)や、耳たぶの穴等用の「丸刀」等、5厘や3厘巾の物。
  c)  〃 荒・中削り用として  ; 5分の「丸刀」や「平刀」。「極浅丸」は、”光背”で薄板状とするのに重宝しました。
 手持彫刻刀の例 
 追記;その後も、造像仏に応じて各種彫刻刀が増えていますが省略します。
2)電動工具;   
 a)電動研ぎ器; 初心者にとって彫刻刀の”研ぎ”は難しく、でも刃物は切れなくては...で、  
  切れの良い彫刻刀だと、気持ち良く彫れます。 が、「砥石での研ぎ」では、事前に水に浸しておく等 ”準備と後始末”
  や、”上手く研げない”自分を思うと、つい”切れないまま彫ってしまい”がちでした。(何せ、めんどくさがり屋で!) 
  そんな中、前から刃物屋で目をつけていた 「電動研ぎ器」;”水平に回る皮の円盤に
  刃物を押し当てるだけで切れ味が戻る
−床屋さんが皮のバンドで髭剃りを研く様に−”
  チョット高価で躊躇していましたが、”地蔵菩薩”を彫る頃から、”これではダメだ”と、上手く
  研げない自分に諦めをつけ!、購入してしまいました(右写真参照)
  [製品:Newモーターシャープナー(三木章製)”文部省認定標準教材”とか−水平回転がミソ!]
  コンパクトなので、机の横に常設し、切れなくなるとちょっと刃先を押し当てる。 
  確かに切れ味が戻ります! もう、手放せません。!! 
電動研ぎ器
  (なお本器は、”歯欠けや刃先が丸まってきた時”等大きい研ぎが必要な時は、紙ヤスリの回転盤(粗・中・仕上げ)に替えて行います)
 追記;彫刻刀の値段はピンきりですが、”高価な物ほど刃の材質・焼き入れなど高度で、切れ味が長持ち(長切れ)する”との事。
 b)ミニルーターで 穴あけと穴の拡張;(薄板部の穴の拡張)
  釈迦如来坐像の”光背”は、穴数が半端でなく、”下穴はドリルで”としても、穴の拡張を”糸鋸”とすると、下穴毎に、
  ”鋸刃をはずして穴に通し、締め”を繰り返さねばならない。 生来めんどくさがり屋の私には..で辞退も(-"-)!
   
  そんなモンモンとする中で、電動工具のカタログを見ていて
  見つけました!! ”小径(Φ1.2mm)の超硬カッター”
    [製品:プロクソン・ミニルーター用先端工具の中の1種] 
  これなら、下穴から横へ移動して穴を拡張出来るかも!!
  飛びつく思いで”Φ1.2mmのドリル”と共に購入。 
  早速試すと、少しの慣れで良い具合に穴が拡張出来ます
  これならいける!!との確信?!の下に、コウハイ?!に
  譲る(辞退する)ことなく!光背彫りに挑戦できました!!
 ミニルーターと小径ドリル・カッター
  [Φ1.2(巾4)mmカッターの良好な使用は、板厚3〜4mm位までか!、
  商品には他にΦ2.1〜3(巾6.4)mmや丸頭のΦ5〜8mmなどのカッターも用意されています。]
                       元(宝冠の作成)に戻る   元(作品-如来用光背)に戻る
 c)電動木彫機;荒彫りを快適に!!(H27.5)
   
  どんな物か!小像の波夷羅大将(別記)の荒彫りで使って
  みました。 [製品;電動木彫機HCT-30(東京オートマチック製)]
  バンドソーが無く、これまで、輪郭の木取りに苦労していまし
  たが、ドンドン彫れるので、輪郭だしの荒削りが楽になりまし
  た。特に”裳裾と足”の間など、木口で彫り量も多い厄介な
  部分も容易にこなせ、大感激!(彫れ・惚れました!)。 
  短時間で楽!精神的にも平静で.! 大変助かりました。
  今後とも、荒彫りを中心に大いに活用しようかと!! 
 
3)”手本の像に近づける”寸法取りの道具・方法; 初心者に彫りの勘は中々利かないし...で、
 a)マス目線(縦線・横線)描き; マス目に沿って寸法を測り、彫る。  
  仏像を彫る最初は、用材への寸法描きから始まりますが、折角描いた線も、当然ながら、切ったり削ったりする内に
  消えてしまいます。 出来るだけ見本の像や画に近づける為には、寸法取りを正確に行うことが最善なのですが..
  そこで、”像の画”にマス目の(縦・横)線を描き、”彫り途中の像”にも随時、同じマス目の線を描ければ、
  ”何処を何処まで彫れば良いのかが判り易いはず”  で、
 @)像画へのマス目線描き(像作図);パソコン上での作成・管理
  手本とする像画に”マス目線”を描き加える「像作図」は、手作業でも出来ますが、パソコンを利用すれば、像の
  大きさに応じたマス目線の設定や印刷 等も自在で、記録も残り、他像への応用も容易なので、”一般的な
  表計算ソフト”Excel”の描画機能”を利用した、パソコン上での作成・管理をしています。
 追記1-1:像画として、写真集などの写真を利用する場合の”留意点”については後記を参照下さい。
 追記1-2:”写真像画”の歪補正(の一方法); 同上パソコン(Excel内)の”描画機能”を利用して取り込んだ
  写真像画の正面、右(左)側面画上に、像の輪郭を描画し、その輪郭線を反転して、背面・反対側面の写真に乗せると、
  合わない箇所が出てきます。 その部分が写真での歪(奥や上下が小・短or手前が大に写っている)箇所なので、その
  部分の輪郭を修正すれば”歪を補正した輪郭画”に出来ます。(輪郭線の描き方の概要は追記3内を参照)
 追記1-3;”立像の写真像画”は、上下部、特に脚長さは、”1〜5%”長めに補正すると良いとの事。 
                                          元(留意点)に戻る
 A) 用材へのマス目線描き; 彫り途中の像に、「像作図」内マス目線位置を”随時描く”
  @高さ方向の「横線描き」には、「鉛筆付きトースカン」を使用します。
    トースカンにより、立像での足裏面や坐像での座面(共に最後まで彫らない面)を基準に、高さ方向の「横線」が
   全周にわたって、必要な時に・容易に描けます。 そこで、まだ小さいサイズの像用なので、トースカンを自作しました。 
   (市販の”長溝付金具2種と蝶ナット、クリップをを木製台に取付けたもの。下記写真のトースカンは、教室の”同好の士!”による改良型)
  A巾や奥行等の「縦線描き」が彫像途中でも容易に出来ればいいのですが、そのための適当な器具が見当たりま
   せん(有るのでしょうが)。 で、
   トースカンを使って縦線を入れる(像を横にして横線描きする)為の簡単な「用材クランプ」を自作しました。
   (25cm長さの木製台に、8mm□の工作材を、L形アングル2個を挟み、スライド出来るように溝状に固定し、像長に合わせて左右のL形
    アングル間を調整・固定出来るようにした台。 アングルの先端には、像を挟む部分として、ボルト・ナット及び、プラスチック製蝶ナット、スポンジマット
    を取付けている。 (本クランプは、L形アングル位置の調整で、像高10〜36cm位までの像を挟めます。)
   「用材クランプ」への取付けは頭部と足部の木口面に水平の基準線を引いておき、それを基準に先端がスポ
   ンジマット付きのネジ部で挟みます。 取付け後は、クランプごと 像を移動したり回せるので場所をとらず、水平線
   (⇒縦線)が描けます! 狭い机で作業する私向きの道具となりました!!
 追記1(訂正H23):最近は、この”用材クランプ”の方法はやっていません<(_ _)>⇒追記2,3の方が容易なため。
 付記縦線(垂直方向の線)描きは、一般的には下記によるようです。
   水平の平板に垂直の板をつけ、水平板上に像を固定し、垂直板面上でトースカンを上下に操作する。(....) 
  
  注記:トースカン; トースカンは、像高に対し、余裕を持った高さがないと使い勝手が悪いことが判り、後日、
   高さ30cm位の標準品を購入しました。作るなら、最初から木製の工作材などで、高さの高い物を作った方が良い。
 追記2:容易に縦線描き; 器具を使わず、横線描きの要領で!(H23.7)  
  上記の追記1や付記の方法では、器具への取り付け・位置出しなどに多少手間ひまがかかります。  そこで、
  主に、荒〜中彫りまでの縦線描きでは、木取り段階で、”背面と側面の一部平面”を削らずに残しておき
  その面を下面(基準面)にして押さえ、トースカンを操作すれば、横線描きの要領で、縦線描きが容易に出来ます。
  = 背面を下面(基準面)にして、像の両側面の縦線描き。 側面基準で、正面・背面の縦線描き =
  この方法では、残した面を仕上げ時に削り取る必要が有るので、その際、削り量が少ない部位の面、例えば”背面
  部や坐像では膝張り部側面”など、彫る部分が木取り表面に近い部分の一部平面を選ぶ様にしています。 
  (注記;参照する「像作図(マス目線入り像画)」は、本”基準面・木取りを考慮したもの”を作成します。)
  毘沙門天造像時の追記2での縦線描きの例:(←本方法は旧で、次項(追記2-1)以降が、より簡易)  
         写真1:縦線描き用に残した面    写真2:像の両側面の縦線描き   写真3:像の正面・背面の縦線描き
         
   注:上記写真2の背面基準で、作業台に像を直接置くと、横線描きがしにくいので、実際には写真3内の小台に乗せて実施。 なお、
    本・毘沙門天では、基準として残した背面に別途作成の”裳裾のひるがえり部”を後付けしています(木取り節約で寄木に!) ) 
 追記2-1;マス目線描きの簡易化(H25.7)  
      最近は下記により、より簡易・短時間で作像中の像に”マス目線”が描ける様になりました。
  (先ず初めに作成する「像作図」は、下記を考慮した”マス目線入りの図”にします)
  1)縦線描き用基準面の二面化;
   像底面の足部周り等にも側面・背面の各基準面と同じ高さの”補助的な面” を残し、各基準面を二面(2点支持)
   化する
事で、像の設置が安定し、強く押さえなくとも、また周回転も自在で、各基準面での全周に亘る「縦線描き」
   が容易になりました。(但し、 基準面から像位置が深く、木取り等難しくなる場合は、1基準面のみとし大き目に採る)
  2)マス目線描きの容易化;
   a) マス目線の位置を、各基準面(底面・側面・背面)から同一寸法になる様にし、トースカンの高さ寸法設定毎に
    各基準面でのマス目線が描ける様にしました。(これまでは、各基準面からの余裕取りが異なり、マス目線位置が異なった)
   b) 同一となったマス目線位置を描いた”マス目線タワー(!?)”を作り、トースカンの高さ設定を容易にしました。
   ("スタンド付き曲尺"上で、一々目盛りを読み..の煩わしさを無くした。 ←補足;追記2−3も参照
                            ⇒実に楽。部分的にも直ぐ描く気になれ→私向き!)
     
   2点(面)支持など、今後大きめの像に挑戦する際でも、これ等により”マス目線”は容易に描けると思えます。
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 追記2-2:+の効用;木取り(ノミ入れ等)も楽 に!(H26.2)
  坐像の場合の2点支持(膝張り、及び尻部側面⇒右図・上方)は、彫
  りがややこしくなるかと思いましたが、ノミやノコ等による木取り時に、
  頭部側面に余り材を利用した枕(⇒右図・左下)を置けば、3面支持で
  安定し、側面・上方からの木取りが大変楽に出来ます。
  (で、⇒縦線描き用の片側側面だけでなく、両側面とも残した)
  坐像・立像共に、2点支持面はマス目線描きが必要無くなった
  段階で切り落せば良いので、上手く利用すれば、彫りも楽になる
  と思えます。
 追記2-3(参考);中型像用トースカンとマス目線タワー(H28.2)
  ”像高1尺以上の像”には、現在手持ちのトースカンと曲尺スタンド
  (両具とも高さ30cm程)では高さが不足します。 そこで、現道具を利用し
  ”高さ50cm位”までのマス目線が描ける物を作りました。 
  (注;市販の30cm以上の曲尺は、短辺も長くなり狭い場所での作業には不向き!?)
  1)トースカン:従来の高さ決め部(上下にスライドする部分)を活用し、
  支柱部分と台座部分を新製(L形工作材:173円、台座は余り材使用)
  2)曲尺スタンド:従来の30cm曲尺側面に平板工作材(巾15mm76円)
  を両面テープで貼付け、側面にはマス目線寸法をボールペンで記入し、
  ”マス目線タワー”(前述)としました。
  (以後、マス目寸法が異なる像の場合には、平板(及びマス目寸法)を替えて対応) 
   これで、1尺5寸の立像位までは対応出来そうです!
  そして、マス目線タワーは、わざわざ別個に新製せずとも、曲尺スタンドの側面を活用し、安価な平板を貼れば良い
  事にも気付きました!(安価で簡単に作れ、場所もとらずに操作出来る←手前ミソ!ながら)
      補足:マス目線タワーの平板には、マス目線間隔内の像主要部高さ寸法も記入しておけば、より容易に(繰り返し)位置出しが可能
   となります。 (こうすると、今制作の像専用のマス目線タワー用平板となり、像制作時の思い出の品ともなる!?)
  
  追記3;パソコンの活用で彫り箇所の確認:マス目線に依らずに!(H25.4)  
  前記の「マス目線描き」で使用した”パソコン・Excel画面上の手本の像画”に像輪郭線を描き入れ、彫像中の写真を
  取り込んで、”輪郭線との比較で、彫りの過不足箇所”をはっきりさせます。
  この方法は、仕上げ時など前記の”側・背面の基準面”を取り去った後などには、いいかナと思います。 
   ⇒像への足部(底面)基準による横線描きは最後まで出来るので、本像画にも横線を併記しておけば更に比較し易いかと!
  1)”手本像画”への輪郭線の描画:(下図例@〜B)
  Excel画面上の写真や像画の手本像上に、”Excel 描画機能の曲線”を使用し、マウスで像の輪郭を描く。 この時、
  @.輪郭線は、部分的に描き、後に全体としてグループ化すれば(一度で描ききらずとも)良い。
  A.出来るだけ詳細部分も描き加えておくと後の比較がし易い。(マウスでの輪郭線描きは、チョットの慣れで容易に!)
  補足:@)”手本像画”が写真で、”歪補正”が必要な場合の「留意点」などについては、前記の追記1・他を参照下さい。(追記1に戻る
      A) Excelの描画機能での”グループ化”等については”趣味の鉄道模型内の別項”でも多少触れています。
 2)”彫像中の像写真”の取り込み⇒手本像輪郭との比較:(下図内C〜D)
  @.手本像画と同じアングルで”途中経過像”の写真を撮る。(像の大きさで、1〜2m離れて”ズーム”で撮るのが良い)
  A.手本像のマス目線図内に撮った経過写真を取り込み、写真の大きさを手本像の大きさ(髪際高)に調整する。
    (Shiftキーを押しながら写真の角上を操作すれば、同形で縮小/拡大する。 手本像画の取り込み時も同じ)
  B.手本像に描いた輪郭線をコピーし、経過写真の上に乗せる。
  C.Bの図を印刷し、手本像の輪郭線と比較しながら過不足箇所を調整・彫像する。
 ・下図は、Excel画面上での(正面像による)上記手順の概略です。(途中経過の写真像は、中仕上げ時点)

・注記:Excel画面上での”オートシェイプなど描画コマンド”の画面表示方法は、”ExcelのVersion”により異なります。(上図はExcel2000)
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 上記方法により、
  彫り進む段階の必要に応じて像にマス目線を描き、寸法・バランスを確認出来るので、”何処までか!”
  に余り迷う事無く、彫れる様になりました。(彫刻のセンスを養うなどでは邪道なのかナ〜...)
                         元(仏像彫刻Top)に戻る   元(大日比較)に戻る
 
 b)厚みの測定; 干渉よけの簡易(手作り)測定具        
  通常は、普通の定規やノギスで測れます。 が、手や
  胴等、突起部分が邪魔して測りずらい場合が有ります。
  そんな時、100円ショップで見つけた簡易な「プラスチック
  製ノギス」
を加工して、マァマァの測定をしています。
  何せ、100円!お気軽に改造しちゃえ!!で、便利にして
  います!!。
  (右写真Aは、これも前述”同好の士”による改良型です。
   Bは胴体等で干渉をよけた測定用として改造したもの。) 
改造ノギス例
 付記:舟形光背など湾曲部の厚み測定は、通常キャリパーによっていますが、上記Aの改造ノギスで各部の厚みを簡単に
     読めます。(メーター付きキャリパーも市販されていますが高価)  
4)拡大鏡や光源
 a)拡大鏡;倍率は2.5倍、光源付はいらない!?  
  細かい部分を仕上げる場合(老眼鏡の要否は別にして!!)は、拡大鏡を通しての彫像が便利のようです。
  拡大鏡も色々なタイプ=スタンド型、ヘッド(頭取付け)型、眼鏡型等=が有りますが、基本的な”倍率、光源有無”では、私の
  場合、使い勝手の良さは下記となっています。(各種レンズのセット付や光源付等)は必要ない!?⇒ムダだった!)
  @)倍率は2.5倍で充分; 3倍以上は焦点合わせが煩わしく、また局部的でバランスも失い易く、眼もより疲れる。
  A)光源付はいらない ; 光源で照らすと削る部分の陰影が無くなり、削りにくい。(外部スタンド等の光源の方が良い)
  付記:2.5倍程度の老眼鏡でも良い!?
 b)光源;スタンドの活用    
  彫りを進める時、部屋の一般光源の他、手元前方にスタンドを置き、一方向からの光源があると、陰影が出て削る
  部分がはっきりし、彫り進め易い(特に最終仕上げでは)
 
5)円周等分線の分割(補助盤)
 蓮華座や円光(光背)など円形用材の円周を等分に分割する場合、用材上で都度、分度器で印をつけるのは、分度器と
 用材の大きさが合わない、用材の中心が抜けている等で、煩わしさや、やり憎さを感ずる事が有ります。
 そこで、必要な分割線は、4(8、16)か、6(12)等分がほとんどなので、作業板裏にそれら
 分割線をボールペンで引き置いて”分割補助盤”としています。
 分割時は、コンパスで用材大の円を描き、そこに用材を置き、薄い材は真上から見て補助盤
 の線に合わせ、また厚い材は側面に印をつける等、用材の高さに応じて分割線を引きます。

 分割補助盤と用材等
 (右写真は、その分割補助盤と、分割中・後の用材です。 なお、黄土色の定規は、100円ショップで見つけ
  た柔らか定規(凸凹に多少沿う)です!(100円ショップアナドレズ!))
追記;放射光の配置と長さ決めに活用;
 現在制作している”聖観音菩薩2”用の光背・放射光用の側面穴あけ位置(16等分)と、放射
 光の配置・長さ決めにも”分割補助盤”を使用。 大変有用でした!(自己満足!)
 (右写真は、分割補助盤上で放射光を位置決めし、中心部にボンドを塗り、乾燥・固定中の状態)
追記) 正8角形の作図例;←定規とコンパスで簡易に!(分度器では手持サイズや度数取りで意外と厄介・不正確!?) (H25.3)
 台座など「”柾目方向に平行する辺”を持つ正8角形」の作図例を下記します。(証明は省略)
 (追記の動機;作成中の四天王の台座が8角形で、各回作図に煩わされたくない!? で、簡易な方法をインターネット上から取得!)
 
  補足;木取り上、上記Aで対角線の頂点にコンパスが当てられない場合は、定規で半径長さを測定し、各辺に目盛る。
  補足2:尺寸表記の(本来の)曲尺では、裏目盛(表目盛の√2相当)で 上図半径長さが即、判ります(私のはmm表記品で不可)。
  蛇足ですが、「台座正面に頂点が来る正8角形」は、上記@の段階で正方形に内接する
  円と直行線を描き、各線と円の交点を結べば出来ます(⇒右図)。
   
6)放射光用円光と光芒;(とりあえず、六寸像用)  
 ”聖観音菩薩2”用の放射光を再制作することになり、より良い物をということで、
 a)円光: 2mm厚X5mm巾の檜工作材を、湯煎し、丸筒材に巻きつけて 固定して曲げ、冷え
        てから両端を切って接合(曲げわっぱ風)。 上手く円形となりました! 
      1作目の50Φ丸筒材からの内側円のくり抜きでは、均一厚さで内面をきれいに仕上げるのが難しく、
      試しに板材がこんな小径でも湯煎で曲がるものか、半信半疑でやってみましたが、何とかまとまり
      ました。(本当は邪道?!) (Φ40位でも行けそうで、円光部を2重とするのも可能と思えます) 
  追記;秋田杉での”曲げわっぱ”: テレビで”曲げわっぱ”に関する番組が有り、その中で、弁当箱などは、下記とか。
   @杉板は、4mm厚で、Aまず、水に半日ほど漬け、その後、熱湯につけて柔らかくし、B所要の形状に曲げる。
  追記2;小像用の円光を”曲げわっぱ”風で制作するのは、仏像彫刻では、ごく一般的という事を、後日知りました。
 b)放射光(光芒):同じ形の物(今回は竹ひごをΦ1.6mm位から先細りにした長さ55mm程の物を16本)を使用します。
   そこで、先細りの削り出しを少しでも楽にしようと右写真のような簡易治具を作りました。
   檜の工作材2mm厚x15mm巾の物を、長さ150mmで3枚用意して合わせ、真ん中の材の片端を2mm
   下げてボルト・ナットで固定。左右2ヶ所に保持板をつけた簡単な物。
   長めのΦ1.8mmひごを真ん中の材に乗せ、回しながら刀を左右に振って削りだします。
   (本数が多いだけに、同じように削りだす為には治具を作って良かった!と思っています)
   今後、大きい径の光芒など必要な時にも、本方法を応用しようかと。
 追記:阿弥陀如来用の放射光では、48本の光芒(弥陀の四十八願にちなむ)を使うのだそうです...。 
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  追記2:丸棒の制作;(H25.5記) 溝付治具で!
  戟(ゲキ)や錫杖(シャクジョウ)用などの丸棒は、ホームセンターなどで売っている工作材を使用していましたが、本格的(正式)
  には、造像と同じ材から木取りするとの事。 その際、鋸などである程度の角棒にしてから、上記の様な、必要な径
  (深さ)の真直ぐな溝付治具を作り、用材を溝に入れて、カンナで挽き(4角→8角→〜)、丸に仕上げるとの事。
  (ナルホド! だけど逆目などで難しそう〜!。 いずれ大きい像を作る時の持物などで挑戦しようかと。)
   
7) 眼の表現; 木地仕立ての小像で −本項については、”豆知識−眼”の項も参照下さい。
  彩色しない木地仕立ての小像では、眼が際立ち過ぎない様、鉛筆で瞳を描いたり、淡い彩色で仕上げる程度の
  方が良い
との事です(髭、眉なども同じ)。
  とは云へ、手本の像が玉眼であったり、明王や天部系の動きのある像を彫ると、眼に力を込めたくもなります!
  で、下記の様な簡易な表現を試みていますが...
  安易!?とも。 ⇒小像での”趣味の”仏像彫刻を楽しむ!一法と御理解いただければ!
 a)玉眼風!?; 小像の眼を、玉眼に似た眼にする!
 今彫っている不動明王(H23/5)。 6寸と小さい像なのでとても玉眼には出来ません。
 そこで、容易に外付けできる玉眼風の眼が出来ないか!!と...。 目!をつけたのが、
 ”乾燥すれば透明となる木工用ボンド(速乾)”。 白い液状で粘性が有り、凸(レンズ?)状にぬる事も可能。 で、...
 下記・写真2が、試行した”玉眼風!”部の拡大写真で、特に右目が立体的(玉眼風)に見えないでしょうか...!?
   
@.パソコン(Excel の描画機能)で両眼の形を描き、写真用紙に印刷
  →写真1。 (写真用紙は、”光沢の有る白さ”が白眼に合う!?)
A.木工ボンドを楊枝の先に取り、印刷した両眼上に凸状に置く。
 (数組で実施。乾燥→透明後、好い状態のを”玉眼風!”として使用)
B.仏像の眼部と上記”玉眼風!”を、同じ形状に切欠き、眼部にボンド
 をぬって”玉眼風!”を嵌める(貼りつける) →写真2。 

    写真1     

     写真2
 この時、@)像と用紙の眼・下部の切欠きには、”浅丸刀”が丁度合う!?(上記6寸不動明王の眼には6mmの浅丸使用)
    A)写真用紙は厚いので、”玉眼風!”の輪郭を切欠き後、裏部を剥すと薄くなり、眼部の曲がりにも添って丁度良く嵌まる。 
 (本方法の眼を”玉眼風!”と”称し”ましたが、”笑止の沙汰!”とならぬ様、 試みを重ね完成度を上げれればと...)
 追記1:仏像の修復家の方のHPの中に、下記記述が有りました。 江戸時代の仏師、さすがというか驚きです!
      ”江戸時代の仏像はどんなに小さい仏像でも米粒程の水晶を加工して玉眼を嵌めています。”
 追記2:毘沙門天での試行(H23.9)。⇒右写真が毘沙門天(髪際高6寸)での”玉眼風!”  
   
 @上記2)で、ボント塗布後、ドライヤーを暫くあてると、乾燥後のボンド
  の透明度が、自然乾燥で多少濁る場合があるのに比べ良好。
 A上記3)で、眼部縁の奥をV状に深めに切込み、”玉眼風!”を
  楊枝などを使い、嵌め込む
と、より眼球らしく見える。(⇒右図)
  また、”V溝”に嵌めこむことで、”玉眼風!”は貼り付けなくても
  眼部から落ちなくなりました。(玉眼風!の取替え?も楽)

 図)眼部を奥に切り込む

 写真)毘沙門天での状況
 付記:木工ボンドの代わりに、ゼリー状の瞬間接着剤でテスト。 塗布時はガラス並の透明感があっても、乾燥後、盛り
    上がり 部分が”ひしゃげ”て皺がより、”玉眼風!”にはむきませんでした。
 追記3:愛染明王で−(H26.11) 何の事は無く!
  @.普通に白いコピー用紙に眼を印刷し、上記方法(木工ボンドで盛上げ−乾燥)後、
  A.裏面に両面テ−プを貼って切抜き、上下瞼のV溝に挿入-貼り付けました(追記2-A)。 
   写真用紙の白さが木地像には際立ちすぎる感じもし、また、小さい眼部の印刷部を薄く
   剥すのがチョッと面倒(上手く行かない事も)なので!簡略化(更に瞼V溝も浅めで良!)。
   自分なりには、これで十分かと!(お騒がせしました !<(_ _)> )
 別法:今回、小像も玉眼とする同好の士(現役時代は木型の製造専門家)との話の中で、上から嵌める眼には、
   ”硬質塩ビ板を熱し、別途作成 した眼部のメス・オス型に嵌めて球状に型を取り、眼部に嵌めこむ”との事でした。
   多少手間を要しますが、より”玉眼”に近い方法かと!(ただ、厚みが有る分、嵌めこみ部にも一工夫要か!?)
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 b)手本像の瞳が黒曜石に対し;(追記、H25.4)
  黒曜石などが嵌め込まれた瞳は、渋く”輝いて”います。 で、
 @)8寸で制作した前作 『菩薩半跏像』の本物(平安初期)の瞳は”黒曜石”(練物との解説本も有り)。 で、その時は、
   パソコンで茶系黒を写真紙に印刷し、貼りました。(写真紙への印刷は、多少輝く。 貼り付け時は、裏面を剥いで薄くした)
 A)現在制作中の”東大寺・戒壇堂の四天王(天平期)”を手本とする6寸の小像では、
  瞳をボールペンで描き、その上に”ボンドを点付け”してみました。 瞳が小さく 印刷紙の
  貼付けがし難くいのでやってみましたが、見る位置・光の加減で微妙に”光り”ます⇒!?。
 補足;アクリル絵具などでの 小さい瞳の描き込みもし難く、また乾燥後"輝き”も消えました。
 補足)黒曜石;黒色でガラス質の火山岩。旧石器時代からやじりなど石器の材料として使われた。今でも装飾品などに利用されている。
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8)羂索;不動明王用−5色(青・白・赤・黒・黄)の糸を縒(よ)った縄を作る。
 下記は、同好の士(女性)が一人でも作れるよう工夫した方法で、その成果の1本を頂いたのですが、縒りが細かく、
 太さも適度に太く、大変良い出来で即採用(下記・右写真内!!  ---私のは、縒りが粗く、細くて弱々しかった---)       
 下記Aの縒り回数を多くし、B頭部を一気に放すのがポイントとの事。
   
 @同じ本数の同色の糸-5色分を、頭部でまとめて結わき、 セロテープ
   で作業台に固定。
      (今回の6寸不動明王用は、各色長さ50cm程の糸、各2本)
 ⇒ 
   出来上がった羂索
 A各色毎の糸を(親指と中指ではさんで滑らせて)出来るだけ細かく縒リ
   (50~60回以上)、 縒り終わったら、頭部からピンと張り、 セロテープ
   で固定。 これを各色とも、同じ縒り方向で繰り返す。
 
  B全色縒ったら、頭部から同じ長さでまとめて指で固定し、ピンと張って
   から、他方の手で頭部を台から剥し、そのまま頭部を放す。
   すると(ア〜ラ不思議!)各色の糸が縒れる。 縒れて縮まったら延し、
   また放す。 
  何度か繰り返すと、5色の縒れた(縒りの戻らない)縄となる!
 追記:後日、大先生(旧先生の先生)の指導で、専門店製の縒り紐に代えましたが、さすがプロの作った物は違います。 が、
     専門店製の物が入手困難なら、上記の方法で、糸数を増やし縒りをもっと細かくすればプロ製にヨリ!近づけるかと...
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9)”回転座”の活用; (後記「回転座付き飾り台」で使用した”回転座”を応用)
 a)台座”円弧部成形”時の罫描き用補助具;
 ”蓮肉や反り花用材を円弧状に成形する”のを手彫りで行う場合に、”どの部分を削れば良い
  のか”を簡易に知る方法として、”回転座と鉛筆付きトースカンを使用”してみました。
  本方法では、求める円弧の形状に沿って連続的に”削るべき凸部”を知って、削り作業
  が進められる
ので、荒削り段階で部分的に”ボール紙等での形取り”をしていく削りよりも
  より滑らかに求める形状に近い成形が出来ます(..と思います!)。
 @)回転座の作成;
  市販の”角回転座”に”円板”を取付け、円板の回転中心
  (回転座を回転させ中心部に鉛筆先端を当て、鉛筆が振れない点)
  に”キリ穴をもみ(千枚通しで行うのが良)"、楊枝を細工
  して埋め込んで”中心位置決め用の突起”とする。
 ⇒
 角回転座    円板(写真は8角)   回転座(中心に突起)
   以下の”回転座の使用”で回転座に載せる円板には、下書きで描いた円の中心(コンパス跡)に、”キリ穴をもみ
  (千枚通しで行うのが良)”、回転盤の突起に挿し込んで行います(回転中心が一致する)。
 A)回転座の使用;
  @:ノミで荒削りし、中心に”キリ穴”をもんだ”成形途上材”
    を、回転座の中心突起に挿し込んで載せる。
  A:トースカンの鉛筆先を”途上材”に当て、そのまま回転座
    を回転させると、円周上の凸部分が線描きされる。
  B:トースカンをずらし、”求める形状に沿った他の円周上の
    凸部分の線描き(描き出し) ” を繰り返す。
  C:”途上材”を回転座から外し、”描き出された周辺部”を
    ノミや彫刻刀で削る。
  上記A〜Cを繰り返して、徐々に”求める成形形状”にまで削っていきます。
  (本方法は、木工旋盤やろくろで成形する際の”刃物”に相当するのが鉛筆先端で、代用で”描き出す”とでも云いましょうか..!)
 b)その他、”回転座”の利用例;  
   (円板の片面には、前記の”キリ穴もみ”をしてから行う)
    @)円形品の側面への罫描き補助具;
    円形の框(カマチ)座等の側面に、”上下の縁取り”線を罫書いたり、その線に削りガイドの
    刃を軽く入れる場合に、本”回転座”に載せて、回転させながら行う。
  A)円筒部分の上下面の中心を合わせる;
    円筒材の上下面の中心を合わせたい時に、上面となった中心付近に鉛筆先端を当てて
    回転させ、”鉛筆が振れない点”が上面の中心となリ、上下面の中心が一致する。
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10)彫像技法の活用; 何でもあり!?で、上手く活用すれば...(追記;H25.3)
 今彫っている四天王(東大寺・戒壇堂の増長天)。 これまで正面を向いた像が主体だったので、ちょっと横を向いた像や
 腰のひねりの表現の難しさを味わいながら、思う事は...
 (藝大の博士論文発表での、”脚割り”や”条帛の矧ハぎつけ”を聞いたのをきっかけに、これまで、仏像や仏像彫刻に関する本によく
  出てくる技法などを身近に感じるようになりました)
 仏師が、構想と異なってしまう”創造する苦しみの中”から、”新たな技法”が編み出されたのではなかろうか..と。
 趣味の彫像で”完成された像”を手本に”かけ離れた部位”には、こうした技法も借りて、修正なり調整しても良いかと。
  挿し首;彫像した顔の表情が気にくわなかったり、顔の向きなどの調整が難しい場合は、首から上をすげ替える。
  脚割り;膝の部分で切離し、足先の向きを微妙に変える等で、より手本の迫力などに近づける。(腕や掌も同様)
  胴割り;腰部分で割り、上体と下肢部分の捻りや角度を調整する。 或いは木取りの節約で割った状態で木寄せする。
            (有名な”天燈鬼立像”は、胴部で割り(胴切り)、上体部の間に三角材を挿しいれ胴継ぎしているとか−「仏像拝観手引き」より)
  マチ材;長さが短い場合は、切り部分にマチ(襠)材を入れ、長さ調整する。(例;上腕が短い⇒臂釧の1部としてマチ材を入れる)
  寄 木;大型像を寄木で作るとは別に、”裳裾のひるがえり”と”脚裏部分”など間が狭く彫りが難しい部分等は、一方
     を後付けとする。 或いは、最初から寄木として別制作の木寄せにする。(幣作・毘沙門天では部分的に実施
  その他;腕・足など体の一部が思わしくなければ、切離して、その部分を別途作り、差し替える。 等など。
 こうしてみると、ある意味何でも有りで、後の調整が可能と思えば、 始めの彫像段階から多少の失敗や彫り損じを
 恐れず、より大胆に彫り進めれば、手本の持つ迫力などにも、より近づける様な気もする!(⇒精神的安定剤!?)
 (とは云へ、差し替えの場合は、木目や色合わせなども含め ”精神的ダメージの下、大変な労力!”も要しそうで..。 
  先ずは、思い通りに彫れる様な彫技(⇒数多くで経験)や感性等を高めていくことが肝要かと..精進・精進!)
 追記; 横や斜めに向いた顔や手足を彫る; 基本を忘れてました!!(H25.7)
  基本で学んだ仏手足や仏頭は、四角材を正面として彫りだしました。 という事は
  正面を向いていない像の場合でも、その向きにまず四角形を造り(or想定し)、
  ”向きがついた四角部分を正面視して配分し、彫って行けば良い”(例図⇒)
  という事にやっと!気付きました..(-_-メ)。 ついつい手本の像の見た目に合わ
  せて彫り始め、”全体としての向き・バランス”に苦労するハメに陥っていましたが!
    ...とは云へ、お顔を似せるのは難しい!!
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