★　マシューの現在

クロエの過去がざっと分かって来るプロットの進行と同時に、警察ティームのチーフ、マシューの家庭問題が取り沙汰されていました。

時々テレビ・シリーズでネタ切れの様相を呈して来ると、レギュラー・メンバー内の私生活などが脚本に登場します。私はこの種の犯罪解明シリーズではあまりそういう事をしない方がいいと思っています。登場人物の趣味や嗜好が多少盛り込まれてもいいですが、それ以上の私生活に入ると間もなく共食い状態になってしまう、最後にはつまらなくなってしまうと感じるからです。にもかかわらずそれをやるとなるとよほど経験のある脚本家に任せるしかないでしょう。

このシリーズは第6シーズンまで続いているようで、私が今見ているのは第2シーズンの前半。ということはマシューの話を盛り込んでも生き残れているということなのかも知れません。

マシューのエピソードの背景には、同僚がある日マシューの妻がよその男と逢っているところを目撃してしまう話があります。その話をマシューの後ろで同僚同士が噂し、《知らぬは亭主ばかりなり》状態。何かに不満があったマシューの妻はボーイフレンドを作ってみたのですが、その頃ちょうどマシューに別れ話を持ちかけようと思っていました。ところがマシューは出動が多く、家でゆっくり話をするどころではなく、妻は何度か機会を逃していました。

エピソードが進むにつれ、妻は今度はボーイフレンドとの新しい生活に疑問を持つようになり、夫と別れるのは止めようかと考え始めていました。その間にもいくつも事件が起き、マシューはティームと一緒に解決。

そしてついにある日妻が浮気をしていることがばれてしまいます。非常に間が悪く、本当は不倫に終止符を打とうと思っていた妻が、事情を知らないマシューに勧められて旅行に出ます。口実は仕事に関係のあるゼミナール参加。実際はどこかのホテルで休暇を取っているだけ。

ところが留守を預かっていたマシューの娘が重態になり、妻の出先に緊急電話を入れたことで、ゼミナールなど行われていないことがばれてしまいます。妻がいないので変わりにクロエが病院に駆けつけていたのですが、マシューが妻の不倫を知ってしまって言い争う場に居合わせたので、クロエはそっとその場を去ります。心理学を専門にしており、マシューの妻の不倫を事前に知っていたクロエは普段の子供っぽい態度と打って変わり、大人の正しい判断。

子供は死にかけるは、妻は不倫と、よれよれ状態のマシューはその夜普段は喧嘩ばかりしているクロエを訪ねて来ます。その週は呼び鈴を鳴らし、クロエが戸口に出て来るシーンで終わり。

次の週の冒頭私の予想が当たったことが判明。クロエはマシューに最近好意を抱いてはいるけれど、心理学者としてはこの状況のマシューには手を出さないだろうと思ったのですが、まさに門前払いを食わせたようでした。ところがその後が予想外。1人で夜を過ごすことに耐えられなかったマシューはクロエの次、フレディーを訪ね、ベッドイン。フレディーはさっぱりしたタイプで、マシューの家族状況を知った上で、ごっつあん。

フレディーはセックスを含めてさっぱりした性格の人で、今後マシューが妻の所へ戻ろうが、クロエとデートしようが、他の人を拾って来ようが気にしないようですが、同じ職場でこういう関係を持つと、仕事に障ることもあります。皆がドライに割り切るとは限りませんから。そう言えば CSI でも何度か主演格のレギュラー・メンバーが親戚関係になったりしていましたが、私はああいうのは下手な時間つぶしに思えました。演技も中途半端になりますし。

パリ警察の男女関係は今のところはまだ見ていられる感じですが、今後飽きが来なければいいなあと思います。ちなみに、マシューの妻は不倫がばれてから別居。新しいボーイフレンドの所には行かず、親元に帰り、マシューとの話し合いの機会を待っているようです。その間にも毎週犯罪が起きるので、あまり話をそらさないでもらいたいなあ。