★　カナダ映画をパクッタか

この日の事件の冒頭はカナダの佳作で、2009年のファンタに参加した Polytechnique とよく似ています。クロエたちが捜査に入ると、こんどはフランス映画が頭に浮かびました。こちらも出来のいい作品です。

★　フランス映画をパクったか

今回の本体のストーリーは無差別乱射事件に絡むもう1つの殺人事件。ある男が大学で15人を無差別に撃ちまくり、少なくともこれまでに5人の死亡が確認されています。が、犯人も誰かに頭を撃たれて入院し、間もなく死亡。

この男を撃ったのは現場の図書館の司書。たまたま犯人の持ち物である携帯に犯行が録画されており、司書が犯人だということが警察に知られることになります。その女性はまあ、視聴者としてはある程度理解できる不幸な運命を背負っており、なるほどなあという結果になります。

驚くべきは彼女は銃を持った男を目の前にして、一瞬は怯えますが、静かに話しかけ、説得された男から銃を手渡されること。その銃を受け取り事務所に戻り、4秒後に現場に戻って来るといきなり司書は犯人の頭を撃ってしまいます。説得する女性は心の温かい人のように見え、撃つ女性は氷のような冷静さを示しています。

彼女は事件の少し前に娘を失っていました。離婚した夫に事情聴取してみると、娘は事故死。責任者を訴えても効果無し。

捜査中にフレッドは犯人の女から撃たれ、防弾チョッキでどうにか助かります。家宅捜索をすると、家は驚くような状態。恐ろしい数の靴、卵があり、メモが山のように見つかります。

彼女の行動に心理学者としてクロエは何の規則も見つけられなかったのですが、遺留品の中にさいころがあり、それで説明がつきます。

離婚して親権を分け合った2人はどちらが娘と一緒に休暇を過ごすかで争いになり、夫婦は全く譲りません。それで娘にさいころを渡し、振らせようということになります。6 が出た方が娘を連れ出せることになります。実は夫がずるをして 6 でなかった目を 6 に変えて、娘を取ってしまいます。そして旅先で娘は死亡。

司書は娘の死を運命のいたずらとして受け入れる一方、自分はさいころを使って人の運命を決めるようになります。目をつけた人物にさいころをふらせ、6 が出ればあの世行き。

夫がずるをしていたので、本当はさいころが娘の行き先を決めたとは言えないのですが、司書は殺人をさいころ、人が制御できない運命のせいにして自分では責任を取らなくて済むと考えたのです。

娘が死んだ時司書はまだそれほどの年ではなかったので、元の夫とよりを戻さずとも、誰か新しいボーイフレンドを見つけてもう1度子供を作ればよかったと思います。しかし最近の人は日本でも欧州でも「子供は1人ぐらい死ぬことがある」と考えず、1人産んで、「絶対にこの子だけは・・・」という風な考え方になることが多いようです。なぜなんだろう。ちょうど私の世代から少しずつそうなって行ったような気がします。

さらに言うと、何かの生物学的な理由で子供ができない人には養子縁組とか里親という方法もあります。養子縁組は欧州ではクロエの例を見ても分かるようになかなか難しいのですが、フランスでは両親が揃っていなくても可能な様子。ドイツはちょっと難しいようですが、里親はちょくちょく聞きます。

その上、宗教上（教会）だけで、おじさんやおばさんがゴッドファーザー、ゴッドマザーになるという道もあります。役所の戸籍は変更しません。この人たちは法律上は何の義務も責任も無いので、信頼されている人なら割と簡単になれます。両親の代わりに子供の話し相手になり、相談に乗ってやるのが主な役割です。クリスマスやイースターには食事に招かれたり、プレゼントがもらえたりします。誕生日にもプレゼントが来たりします。

★　どの映画からパクったか

さて、話を戻しましょう。2004年のファンタに来た迷宮の女がパクられ先です。この作品のあらすじはそちらで見ていただくとして、パクリの所をご紹介しましょう。

迷宮の女はクロードという名前で、人を殺す直前に被害者となり得る人とさいころで賭けをします。もしクロードが勝てば相手は殺されてしまいますが、万一被害者候補の人物が勝つと放免され、無傷で生き残ります。

当初警察は何をしているのかが理解できず困惑しますが、後にさいころを振って決めているのだということが分かります。これとほぼ同じ事が第5シーズンの4回目に登場しました。

フランス人がフランス映画をパクったんだから勝手にやらせておけばいいじゃんというのが私の見解ではありますが、ちょっと前にもパクリの疑いのある回があり、どうも最近種切れ気味なのではないかと思い始めています。

★　内輪のエピソード 1

アデルは準レギュラーに昇格しました。彼女もクロエと負けずとも劣らぬ協調性の無い女性。ちょうど宿無しになってしまった時、トマが家に泊めてやります。この話は少し後を引きます。

★　内輪のエピソード 2

トマの妹が腎臓病で死ぬ日を待つ状態。機械に繋がれ外出もままならないのです。移植手術が唯一の方法ですが、チャンスは大きくありません。この話も暫く引っ張ります。

この調子で行くと間もなく内輪話だらけになりそうです。