-崩された死刑判決-
死刑判決の最大の根拠は、王冠の歯形鑑定(松倉鑑定)でした。
勝さんは、ぶどう酒の王冠を歯で噛んで開けたと「自白」しており、公民館の火鉢から発見された王冠のキズ(証十九号)は、勝さんが事件後の検証で噛んだ王冠の歯形(証四二号)と顕微鏡写真で一致するというものです。
ところが、この鑑定写真は両者のキズがあたかも一致するように見せるために、顕微鏡の倍率を操作してつくられた不正鑑定だったのです。
〈写真倍率を操作した松倉鑑定写真〉
(右の写真を、左の写真の2倍に拡大して一致させた)
第5次再審請求の段階で弁護団はこの事実を突き止め、キズを三次元的に測定すると両者はまったく一致しないという新鑑定(土生鑑定)を提出しました。
〈3次元形状の土生鑑定(左右は上の写真と同じ)〉
第5次再審請求を棄却した名古屋高裁でさえも、この事実を認めざるを得ませんでした。
死刑判決の唯一の物証が崩れたにもかかわらず、いまだに再審の扉が開かれていません。
【無実を語る】
|王冠の歯形鑑定|ぶどう酒到着時間|アリバイ|自白と事実の矛盾|赤色のニッカリンT|毒物が違う|
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