huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye


現代中国語
及び其の
音表記について

1.はじめに

  このホームページでは発音記号使えないため、 中国で制定されたローマ字表記法(音: ピンイン)で現代漢語(中国語)音を表記す。
ここではそのローマ字表記法と発音の関係について述べる。
 (なお、音韻・声調については、「漢語音韻」のページを、音声については「音声」のページを御覧下さい。)


2.表音のための方法について

  現在、中国では、表音のための方法として音(ピンイン)文字を使っている。「音」文字とは、 「音(子音と母音)を綴り合わせる」文字、 つまり「表音」文字ということである。 中華人民共和国になってから(1958年2月:「漢語 音方案」)制定された。 当初の目的(表音化で文盲一掃等?)とは、 現在では異なり、 小学校の1年の上学期の一時期、漢字を習得する前の補助として使っている。また、特殊な音の「ふりがな」 として使っている。 (例えば、「沈」字:これは辞書では「chén(chen2)」。または「shěn(shen3)」。しかし、古語では「tán(tan2)」 (普通の辞書にはない)。 特に「tán(tan2)」等辞書にない音を表すために、「沈(tan2)」という風に、注記する記号として使われている。)「 音文字」が生まれる前には、 次のような多くの表記法があった。

  歴史的に見れば、まず「半切」が挙げられる。これは中国の伝統的な読音表示法で、漢字1文字の読み方を 子音と母音(厳密に云うと「声母」と「韻母」。この「韻母」は入声韻の語尾の子音も含む。)に分析し、 子音を共有する漢字と、母音を共有する漢字の2字を以て、「□□反」(または「□□切」)と書き表す。前半の□が、 子音を共有する漢字で、後半の□が母音を共有する漢字で表す。例えば「割」字音は、 「古達切」と表す。日本語音読みを利用して説明すれば、「古」でoの子音のk音を、 「達」で tatuの 後半の韻母のatu音を表し、合わせてk+atu=「katu」となる表記法である。 (この半切での表記は、時代・地域によって微妙にずれる。それが又、古代の音韻への情熱をかき立てる。前記の「割」字音を 現代漢語で読むとgeであるが、「古達切」で見ていくと、「古」はuの子音のg音、 「達」は dの韻母のa音を表すわけで、合わせてg+a=「ga」となる。ge音とずれが出てきている。 尤も、これは現代語からだけ見るべきものではなく、各時代の韻書等の文献や現代の中国語方言、また外国に伝えられた音(日本語音の呉音、漢音もその一)、逆に外国の事物に充てられた漢字借用音等から見ていくべきものであろう。 (「古今字音対照手冊」:丁声樹:中華書局)等)

  また、 英語で中国語を表記する際の「ウェード式」が、19世紀後半のイギリス公使トーマス ウェード(Thomas F. Wade:19世紀後半:中国は清代)に因って創始された。これは、英語圏や台湾等で、今も時々必要な場合がある。

  中国の表音文字としては、漢字の部首のような独特の記号で、音を表す「注音字母」(中華民国2年:1913年)があり、 「 音文字」が制定されるまで広く使われ、 今なお台湾・香港などで、よく見られる。

  また、これに続いて「国語羅馬字」(国語ローマ字:中華民国17年制定公布)があった。 しかし、これは声調を綴りに取り込んだ煩雑なもので、ほとんど使われなかったという。

  「拉丁化新文字」(ラテン化新文字:1931年公表)これは、文盲を無くすための運動のため生まれたという。 声調符号なしで現在の「 音文字」 の祖形のようなものという。

   中華人民共和国になって「漢語 音方案」 (公表:1956年2月 公布:58年2月)が制定された。このホームページで使っている表記法でもある。


3.現代語の発音について

  (1)有気音と無気音

  ここでは音を取り上げ、それをどう読んでいくかについて述べる。 そのためには、一つだけ現代漢語(中国語)(北方方言系≒普通話=標準語≒北京語)の特徴を理解してもらわなければ、いけない。(中国語発音上の一番重要な特徴である「声調」については「漢語音韻」などを参照)
  漢語の発音で二番目に重要なもの、それは「有気音」と「無気音」の区別である。例えば音で表される t−,k−は有気音であり、d−,g−は無気音である。そして、t−はd−に対応しており、k−はg−に対応している。
  これは一見、日本語の清音と濁音との関係に似ている。しかし、それとは違う。日本語では「有声音:z-,d-, b-, m-, n-等の音(概ね濁音)」 「無声音:s-, k-, p-等の音(概ね清音)」に二分出来るが、日本語の場合と中国語の場合とでは、この区別が一致しない。 誤解を恐れないで云うと、中国語の「有気音」と「無気音」は共に漢語清音の中の区別の1種になるという(!?)。漢語濁音はm−,n-,l-,r-。 (それ故か、たしかに、現代北方中国人で日本語に初めて接触する際、「て」「で」の区別は大変なようである。これは、上記の理由 をもってすれば、北方中国人には日本語濁音の概念がない、育っていないからともいえよう。) それと同様に、我々日本人には、当然の事ながら「有気音」「無気音」の概念がないから、これが大変である。 とりわけ、両者の発音を聞いて区別することは、よほど慣れない限り、極めて難しい。 発音も無気音は言うのが、やはり大変である。日本語には全くないからである。 この 「有気音」「無気音」の差異を次に述べる。
  有気音とは、読んで字の如く、(語頭の子音を)発音するときに息を強く出す。よく実際していることでは、口の前(の鼻先)に ティッシュペーパーのテープをを垂らす。 すると、ティッシュペーパーは勢いよく跳ね上がる。
それに対して無気音は、口の前のティッシュペーパーは、動かない。息を出さない。そのような静かな発音である。
  もっとも、この二種の区別は全ての音に対してあるのではない。それらを以下に見ていく。


 (2)現代漢語の音節、声母、韻母

  現代語には、419(一書約427、一書410等、異同がある)の音節があり、 それぞれに四声(四種の声調)があるわけで、声調の違いも数えていくと、419×4=1676となるが、 実際はそれだけにもならない。音節によっては、四種の声調が揃っていないものもあるから、実際の数は 1332と下回る。
  中国語の音節は、大きく二分して考える。「声母」と「韻母」である。例えば 「光」字の場合、発音は
guangであるが、それを語頭の子音部分の「g-」と 後半の「-uang」に分ける。この「g-」を声母といい、「-uang」を韻母という。 この韻母「-uang」を更に細分し、「u」と「a」と「ng」の三つの部分に分け、 前から順に「韻頭」「韻腹」「韻尾」という。なお、韻尾の「ng」は表記上の都合で 2字になっているが、一音である。図示すると、次のようになる。

        声母            韻母
   ┏━━━━━━━┓┏━━━━━━━━━━━┓
                  (韻頭) (韻腹) (韻尾)
         
g         u     a    ng

  子音で始まる声母は、合わせて21種ある。但し、母音から始まるもの(零声母)もあるので、声母は22種になる。


   (2)声母・韻母のローマ字綴りと発音

 まず声母からみていく。声母表をそのまま写せば次のようになる。
     
b− p− m− f− d− t− n− l−
g− k− h− j− q− x−
zh− ch− sh− r− z− c− s−

  この並べ方は、これはこれで音声学上の調音部位を中心として、発音方法にも顧慮した、よく整理された表になっている。しかし、我々日本人にとっては、有気音と無気音の区別が重要なので、この区分を中心に見て、以下のように分類してみる。

    無  気  音     有  気  音
b− p− m− f−
d− t− n− l−
g− k− h−
j− q− x−
zh− ch− sh− r−
z− c− s−

  横1列は、基本的に同一の発音部位であり、縦3列に並んでいる、1列目(赤字)と2列目(青字)は、対応する無気音と有気音である。
  次に1字毎の音を発音をかなで表記、説明していく。発音記号(国際音標)は、見つけ出すすことはできたが、受取手側のパソコンで再現されるのかどうか甚だ心許ないので、また、現代漢語でよく使われる字母がないので、普通のローマ字表記にする。特に注記しない限り、音価は、日本語をローマ字表記するときのものとする。下の一覧では前者が無気音で、後者が有気音である。
 音声を文字で表すので、相当無理なところもあるが、御理解頂きたい
  
 ★ b− と p−:
       b−は、日本語p音の息を出さないでいう。(日本語b音に似ているが違う。)p−は、日本語p音の強く息を出していう。


   ★ d− と t−:
       d−は、日本語t音の息を出さないでいう。(日本語d音に似ているが違う。)t−は、日本語t音強く息を出していう。


   ★ g− と k−:
       g−は、日本語k音の息を出さないでいう。(日本語g音に似ているが違う。)k−は、日本語k音強く息を出していう。


   ★ j− と q−:(舌面前音)
       j−は、日本語ch−(チ)音の息を出さないでいう。(ジ音によく似ている。)日本語チ音よりももっと唇を横に広げる。q−は、日本語ch−(チ)音を強く息を出していう。


   ★ zh−と ch−:(舌尖後音)(巻舌音)(日本語にはない音)
       zh−は、で、日本語のチ音、ツ音に近いが、舌をうんと巻き、音の息を出さないでいう。ch−は、それを強く息を出していう。


   ★ z− と c−:(舌尖前音)
       z−は、日本語ツァ、ツ音の息を出さないでいう。(ツ゛ァ、ヅ音に近い)。唇は突き出さない。c−は、ツァ、ツ音を強く息を出していう。


その他の声母

   ★ m−:(唇音)(鼻音)
       日本語のm−音と同じ。


   ★ f−:(唇音)(擦音)
       英語のf−音と同じ。日本語のファ、フィ、フ音とは違う。


   ★ n−:(舌尖中音)(鼻音)
       日本語の単語の始めのn−音と同じ。例えば「く」「じ」「こ」等。


   ★ l−:(舌尖中音)
       日本語の「ラ」「リ」「ル」「レ」「ロ」に似ている。中国語のr−音は、日本語にない音。


   ★ h:(舌面後音)(擦音)
       日本語に無い音。喉の奥をこする。汚い表現で恐縮だが、痰をカーッと地面に吐くときの感じか?(失礼)。日本語の「ハ」「ヒ」「ヘ」「ホ」でも間に合わせられるが、違う。


   ★ x:(舌面前音)
       日本語の「シ」と同じようだ。


   ★ sh:(舌尖後音)(巻舌音)(日本語にはない音)
       日本語の「ス」の巻き舌の音。


   ★ r:(舌尖後音)(巻舌音)(日本語にはない音)
       日本語のr−とz−の中間音(?)巻き舌の音。


   ★ s:(音)
       日本語の「サ」「ス」「セ」「ソ」に似ている。


◆各子音、母音、音節の音声を聞くときはは、「声母、韻母、音節の音声」をクリックして下さい。

(続く。) 1999. 9.15
     1999. 9.16
     1999. 9.17
     1999. 9.18
     1999.10. 5
     1999.10. 6


4.発音について

  ◆音韻については、「現代漢語音韻」を御覧下さい。。
  ◆実際の音声(声調)については「音声」(ここをクリックして下さい。

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続く。’99. 9.15
        9.16
        9.17
        9.18
       10. 5
       10. 6



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