平水韻 |
韻目 | 中古音 |
現代 北京音 |
歴史的 仮名遣い (主として 漢音) (韻母部分) |
韻 字(並びに両韻の説明) |
一 | 東 | − |
−ong |
−(お)う |
東、同、銅、桐、筒、童、僮、瞳、 中(両韻。平声 東韻:(名詞)なか。 去声:(動詞)あたる(中毒))、 衷、忠、蟲、沖、終、戎、崇、嵩、菘、弓、躬、宮、融、雄、熊、穹、窮、馮、風、楓、豐、充、隆、 空(両韻。平声 東韻:(名詞)天空の意。 去声:(形容詞)あき、からの意)、 公、功、工、攻、蒙、籠、聾、瓏、洪、紅、鴻、虹、濠、叢、翁、葱、聰、通、蓬、篷、潼、矇、朧、怱、ッ、艟 |
二 | 冬 | − 冬韻 |
−ong |
−(お)う |
冬、農、宗、鍾、鐘、龍、松、衡、衝、容、蓉、庸、封、胸、濃、 重(両韻。平声 冬韻:「ちょう、chong2」(動詞・形容詞)かさなる。 去声:「ぢゅう(ちょう):zhong4」(形容詞)おもい)、 從(両韻。平声 冬韻が主)、 逢(両韻。平声 冬韻が主)、 縫(両韻。平声 冬韻が主)、 蹤、茸(両韻:平声 冬韻が主)、 峰、蜂、鋒、烽、蛩、慵、恭、 供(両韻。平声 冬韻:提供する、供給する。 去声:供述する。そなえる)、 j、淙、儂、鬆、凶、縺A傭、溶、鎔、兇 |
三 | 江 | − | −iang −ang |
−(あ)う | 江、杠、矼、 ス(両韻:平声 江韻が主)、 扛、厖、尨、窓、邦、缸、 瀧(本来「たき」の意味はない。)、 雙、腔、撞、 幢(両韻:平声 江韻が主)、 淙 |
四 | 支 | − | −i | −(い) | 支、枝、移、 爲(両韻。平声 支韻:(動詞)なす。する。 去声:(介詞;前置詞と似たもの)ために)、 碑、 奇(多音字。共に平声支韻:(形容詞)奇妙な。名詞(奇数)。作詩上、何ら問題はない。)、 宜、儀、皮、兒、離、施、知、馳、池、規、危、夷、師、姿、遲、龜、眉、悲、之、芝、時、詩、棋、旗、辭、詞、期、祠、基、疑、姫、絲、司、葵、醫、帷、思、滋、持、隨、癡、維、巵、麋、彌、慈、 遺(両韻。平声 支韻:なくす。のこす。 去声:贈る)、 肌、脂、雌、披、嬉、 尸(名詞):しかばね。(動詞):ならべる)、 貍、炊、籬、 差(両韻。平声 支韻:「し、ci1」不揃いなさま(参差) 平声 佳韻:「さい、chai1」つかわす 平声 麻韻:「さ、cha1、cha4」たがう。つかわす。 去声:「さい、chai4」やや。)、 疲、茨、 卑、 騎(両韻。平声 支韻:(動詞)(馬に)のる。 去声:(量詞;助数詞)騎馬を数えるときの量詞。「三騎の騎兵」等)、 岐、誰、斯、私、欹、煕、欺、疵、笞、羈、髭、頤、資、 飢(=ひもじい。「饑」は五微の韻字で、「飢」とは別の韻字。(つまり、古代では、発音が違った。)現代では意味や使用法は、ほぼ同じ。) 、 衰(両韻。平声 支韻:「すい、shuai」おとろえる。 平声 支韻「chui」しだいに。へる。(古詩で髪が一本また一本と抜けていく様や、木の葉が一枚また一枚と落ちていくさまを詠んだ時に使う「衰」) 歌韻:「さ、suo」みの=蓑。 灰韻:「さい、cui」麻で作った喪服。 尤も、どの意味も共に平声韻故、韻脚として使わない限り、作詩上は問題ない。)、 錐、姨、楯、、祇、 涯(ぎ)。九佳「がい」が多用、 伊、耆、追、緇、箕、椎、羆、匙、 萎(両韻。平声 支韻と上声。本来は平声で、上声へ移りかけているのか。) 脾、嶷、治、驪、怡、尼、犠、飴、而、推、璃、綏、肢、獅、咨、、其、痍、孜、丕、惟、稀、 屍(名詞):しかばね。、 推(両韻。平声 四支韻:「すい」順に進める 平声 九佳:「たい,tui1」おす。 鎚(両韻。平声 支韻「つゐ、chui2」(名詞)つち) 平声灰韻「たい、dui1」(動詞)鍛える。 |
五 |
微 |
− − |
−uei −i |
−(ゐ) −(い) |
微、薇、暉、W、輝、徽、揮、圍、違、霏、妃、緋、飛、非、扉、肥、腓、威、巍、歸、誹、斐、 ************** 祈、畿、機、 幾(両韻。平声 微韻:ほとんど。 上声:いくばく)、 譏、磯、 饑(=穀物が実らないこと。うえる。「飢」は四支の韻字で、「饑」とは別の韻字。現代では、意味や使用法もほぼ同じ。) 、 稀、希、晞、衣、依、圻 |
六 | 魚 | − | −yi (yu) |
−(い)ょ | 魚、漁、初、書、舒、居、裾、車、渠、 余、(我。ゆるやか。 「餘」と意味が違う。別字。) 予(両韻。平声 魚韻:(名詞)我。 上声:(動詞)あたえる。 「予」字で「あらかじめ」と読む場合があるが、本来は「豫」(去声)字の意味。日本では「予」と「豫」を統一して、「予」字で代表させているため。漢語では、「予」字で「あらかじめ」の義として使えない。)、 譽、輿、 餘(ゆたか。あまり。 「余」とは意味が違う。別字。)、 胥、狙、鋤、疏、蔬、疎、梳、虚、嘘、徐、猪、閭、廬、驢、諸、除、儲、如、墟、 與(両韻。平声 六魚韻:疑問、感嘆の助辞。 上声:「あたえる」「…と」で多用。 去声:あずかる。参与する。)、 樗、 於(両韻。六魚:「よ」:…に おいて。 七虞:「お」:嘆息、感嘆)、 屠(両韻。六魚:「ちょ」:匈奴の王号。 七虞:「と」:ほふる。皮をさく。)、 |
七 | 虞 | − | −yu −u |
−(う) −(い)ゅ −(お) |
虞、愚、娯、隅、芻、無、蕪、巫、于、盂、衢、儒、濡、襦、須、鬚、株、誅、蛛、殊、銖、珠、楡、諛、愉、腴、區、駆、躯、朱、珠、趨、扶、符、雛、敷、夫、膚、紆、輸、枢、厨、倶、駒、模、謨、蒲、胡、湖、瑚、乎、壺、狐、弧、孤、辜、姑、菰、徒、途、塗、荼、圖、 屠(両韻。七虞:「と」:ほふる。皮をさく。 六魚:「ちょ」:匈奴の王号)、 奴、呼、吾、梧、呉、租、廬、鱸、鑪、蘆、蘇、酥、烏、枯、都、 鋪(両韻:平声 七虞:主として動詞)しく。 去声:(名詞)みせ)、 禺、嵎、誣、吁、繻、需、萸、臾、渝、夫、孚、俘、迂、沽、拘、糊、憮、艫、徂、孥、瀘、櫨、 餔(両韻。平声 :名詞)夕方の食事。夕飯。 去声:(動詞)七虞韻くう。食べる)、 諏、扶、 (ぶ;wu2):勿れ。(「母」(ぼう;mu3)ではない。しかし「毋」(かん;guan4)でもない。真ん中の縦画をはらう )、 芙、麩、 於(両韻。平声 七虞:「お」:嘆息、感嘆 平声 六魚:「よ」:…に おいて。)、 懦、 |
八 | 齋 この字は「せい」「さい」どちらでも読めるが、ここは「せい」と読むべきところ |
− | −i | −(え)い | 齋(両韻。平声 八齋:「せい;qi2」:そろう。ひとしい。 平声 九佳:「さいz;hai1」ものいみ 平声 四支:「し;zi1」裳すそ。神に供えるきび 去声「せい;ji4」調和する。 臍、黎、犁、藜、梨、 妻(両韻。平声 八齋韻:(名詞)つま。 去声:(動詞)めあわす)、 萋、 淒(「凄」とは別字。但し同一韻目。ほぼ同義。)、 悽、堤、羝、低、 題(両韻。平声 八齋韻:(名詞)ひたい。表題。 去声:(動詞)みる)、 提(両韻。平声 八齋韻:「てい、ti2」(動詞)あげる。 平声 四支韻:「し;shi2」(形容詞)しとやかなさま 上声:「ていdi3」:(動詞)絶つ。切る) 締、鵜、鶏、 稽(両韻。平声 八齋韻:「けい、ji1」(動詞)とどめる。かんがえる。 上声:「けいqi3」:(動詞)頭を地につけて拝礼する。) 笄、兮、奚、蹊、倪、霓、猊、鯢、西、栖、犀、嘶、批、躋、齎、迷、 泥(両韻。平声 八齋韻:「でい、ni2」(名詞)どろ。 上声:「でい」:(形容詞)よく茂るさま。)靫靫靫靫靫 去声:「でい」なずむ。 入声:「でつ」くろずむ 。 谿、圭、閨、袿、奎、携、畦、 凄(「淒」とは別字。但し同一韻目。ほぼ同義。) |
九 | 佳「かい」「け」「か」と読めるが、ここでは「かい」と読むべきところ | − | −ai (−ia) (−ua) |
−(あ)い | 佳(「かい」が漢音。「か」は慣用)、 街、鞋、牌、 柴(両韻。平声 九佳韻:「さい、chai2」(名詞)しば。 去声:「し、zi4」:(動詞)つむ)、釵、靫、 差(両韻。平声 佳韻:「さい、chai1」つかわす 平声 支韻:「し、ci1」不揃いなさま(参差) 平声 麻韻:「さ、cha1、cha4」たがう。つかわす。 去声:「さい、chai4」やや。) =崖、 涯(がい)。四支は「ぎ」、 階、偕、諧、骸、排、乖、懷、淮、豺、儕、埋、 齋両韻。平声 九佳:「さいz;hai1」ものいみ 平声 八齋:「せい;qi2」:そろう。ひとしい。 平声 四支:「し;zi1」裳すそ。神に供えるきび 去声「せい;ji4」調和する。、 蝸、娃、皆、蛙、楷、 槐「増訂 詩韻集成(光緒壬午年)」には、「詳しくは灰韻」を見よ」とのみ書かれている、 鮭 *** 俳(わざおぎ。たわむれ。本来、日本語の「俳句・俳諧」の義はない。蛇足だが「俳諧」の義も漢語と日本語とでは違う。) |
十 | 灰 | − | −uei −ai |
−ゎい −(あ)い |
灰、恢、魁、隈、 囘(両韻。平声 十灰韻:「くゎい、hui2」(動詞)まわす。かえる。 去声:(動詞・名詞)とおまわり。迂回。)、 徊、 槐(両韻。九佳と。こちらが主)、 枚、梅、媒、煤、瑰、雷、壘、催、摧、堆、陪、杯、嵬、 推(両韻。平声 九佳:「たい,tui1」おす。 平声 四支韻:「すゐ」順に進める 開、哀、埃、 臺(「台」とは、本来別字。「臺」:高いところ、だい。うてな)、 苔、 該、才、材、財、 裁(両韻。平声と去声。平声が主か。)、 來、莱、栽、哉、災、猜、胎、 台(「臺」とは本来別字。 「台」:平声 十灰韻「たい,tai2」星の名。敬語としての用法。 平声 四支韻「い、yi2」よろこぶ) 顋、孩、、苺、崔、裴、 培(両韻。平声 灰韻:「はい、pei2」つちかう。 上声:「ほう、pou3」おか。) 垓、 傀、(両韻。平声 十灰:「くゎい、gui1」(形容詞)おおいなり。 上声 「くゎい、kui3」(名詞)傀儡。) 鎚(両韻。平声灰韻「たい、dui1」(動詞)鍛える。 平声 支韻「つゐ、chui2」(名詞)つち) 胚、纔 |
十 一 | 眞 | − | −en −in −un 全て n音で終わっている。m音ではない。 |
−いん | 眞、因、茵、辛、新、薪、晨、辰、臣、人、仁、神、 親(両韻。平声 眞韻「しん」:みずから。したしむ。おや。(平声が主流) 去声「しん」身内、親戚、 申、伸、紳、身、賓、浜、濱、 鄰(=隣の正字)、 鱗、麟、珍、塵、陳、春、津、秦、頻、蘋、顰、銀、 垠(両韻。平声眞韻「ぎん」地の果て。きし。さかい 平声 元韻「ごん」 或いは、文韻(以上三つの区別は不明) 去声 願韻「こん」土の盛り上がった後、 、巾、民、a、貧、淳、醇、 純(両韻。平声 眞韻:「しゅん、chun2」:きいと。もっぱら。 (これが主流。) 元韻:「とん、tun2」つつむ。 上声「しゅん、zhun3」へり、ふち。)、 脣(=唇の正字)、 倫、 綸(両韻。平声 眞韻:「りん、lun2」:いと。 (これが主流。) 平声 刪韻:「くゎん、guan1」ずきん。諸葛巾。)、 輪、堰A旬、巡、馴、鈞、均、榛、姻、宸、寅、嬪、旻、彬、鶉、皴、遵、循、 振(両韻。平声 眞韻:「しん、zhen1」:情け深く、親切なさま。 去声:「しん、zhen4」:ふる。(これが主流。) 上声:「しん、zhen3」:一重の衣。)、 岷、諄、椿、詢、恂、 屯(両韻。平声 眞韻:「ちゅん、zhun1」:なやむ。 元韻:「とん、tun2」たむろする。たむろ。(元韻の用法の方がが多用されている。)、 呻、瀕、罠、、逡、ァ、泯、サ、洵、湊、燐、荀、 竣(両韻。平声 眞韻(これが主流。)別に先韻、 斌、氤。 |
十 二 |
文 | − | − | − | 文、 聞(両韻。平声 文韻:きく。これが主流。 去声:きこえる。しれわたる。 )、 紋、 (=「蚊」に通ずる)、 雲、氛、 分(両韻。平声 文韻:「、fen1」:わける。単位。 去声:「fen4」:さだめ。職分、本分、天分)、 紛、芬、焚、 墳(両韻。平声 文韻:「fen2」:(名詞)はか。これが主流。 上声:「fen4」(形容詞)こえている。ふくれあがる)、 群、裙、君、軍、勤、 斤(両韻。平声 文韻:「jin1」:おの。きる。重量の単位。これが主流。 去声:「jin1」:(形容詞)あきらか。=「マ」)、 )、 筋、勲、薫、、熏、醺、葷、耘、云、 芸(「藝」(げい;yi4)ではない。別字。「うん;yun2」香草、ヘンルーダ。和綴じの書(線装本)の虫食いを防ぐために、本の間に挟んだ香草。芸帙、芸編等の語根) 汾、濆、 員(両韻。平声 文韻:「yun2」:(動詞)ます。いう。 先韻:「yuan2」:(名詞)かず。係りの人。 去声「yun4」:姓。))、 欣、芹 殷(両韻。平声 文韻:「いん;yin1」:(形容詞)さかんなおおきい。王朝の名 刪韻:「あん;yan1」:(形容詞名詞)赤黒い色。 上声「yin3」:(形容詞・動詞)雷などの響く音。) T、慇、紜、懃 |
十 三 | 元 | − | − | − | 元、原、源、、園、 (=猿)、 轅、垣、煩、 繁()、 蕃、樊、翻、旛、暄、萱、喧、冤、言、軒、藩、魂、渾、 褌(したおび、したばかま、裳。ふんどしと、少し感じが違う)、 温、孫、門、尊、吹A存、蹲、 敦()、 屯()、 豚、村、盆、奔、 論() 坤、昏、婚、痕、根、恩、呑、媛、 援() 袢、礬、幡、繙、 番()、 反()、 燉、鴛、 宛()、 掀、昆、鯤、惇、崙、跟、 垠(両韻。平声元韻「ごん」地の果て。きし。さかい 平声 眞韻「ぎん」 或いは、文韻(以上三つの区別は不明) 去声 願韻「こん」土の盛り上がった後、 獻、袁、噴、 純(両韻。平声 元韻:「とん、tun2」つつむ。 眞韻:「しゅん、chun2」:きいと。もっぱら。 (こちらが主流。) 上声「しゅん、zhun3」へり、ふち。)、 |
十四 |
寒 |
||||
十五 |
刪 |
下平声
一 |
先 |
|||
二 |
蕭 |
|||
三 |
肴 |
|||
四 |
豪 |
|||
五 |
歌 |
|||
六 |
麻 |
|||
七 |
陽 |
|||
八 |
庚 |
|||
九 |
青 |
|||
十 |
蒸 |
|||
十一 |
尤 |
|||
十二 |
侵 |
|||
十三 |
覃 |
|||
十四 |
塩 |
|||
十五 |
咸 |
99.5.30 00.2.27 00.3.14 00.3.15 00.3.17 00.3.19 00.3.20 00.3.21 00.3.22 00.3.24 00.3.25 00.3.26 00.3.27 00.4. 6 00.4. 7 00.4. 8 00.4.30 |
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