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C59の組み立て(2)-煙室扉、ランボード、ボイラー

煙室扉のパーツはプレス製で、ボイラーと付き合わせるためつなぎ目の処理が少々面倒です。
次いで水平の基準面となるランボードとボイラーの組み立てに入りますが、全体のつくりを決定付ける恐怖の瞬間です。

今回予想される失敗
・煙室扉に穴を空けるときに、ドリルをむやみに折ってしまう
・ランボードを水平にしないまま裏板をハンダ付けしてしまう
・フロントデッキを曲げる前にランボード裏板をハンダ付けして、曲げられなくなってしまう
・煙室扉が曲がって付いてしまう
・ボイラー前部・後部が「く」の字になってしまう
・キャブがまっすぐに付かない

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煙室扉の穴あけ

煙室扉のパーツはC58と違って丸みがついているため、真鍮プレスとなっていて、最初に手すりなどを取り付ける穴をあける必要があります。

今回の説明書には記されていませんが、手すりの穴は0.4mm、中心のハンドルの穴は0.3mm、ヘッドライトの穴は0.5〜0.6mmで開けるのが良さそうです。意外に固いのでドリルを折らないよう慎重に進めます。

煙室扉手すりの取り付け

手すりは取り付け足と一緒になったエッチングパーツです。直径に合わせて丸めて足を差し込み、裏からハンダ付けします。

煙室扉ハンドル用真鍮線の取り付け

煙室扉ハンドルの取り付け方は、今回の説明書には書かれていません。付属の0.25mm真鍮線を穴に通して固定します。

各真鍮線は、必要なぶんしか入っていないので、あまり無駄に使うとなくなります。最終的にそれぞれの太さの真鍮線が、2センチずつ程度しか余らないと思います。

◆C60 100番代には0.25mm真鍮線は付属していません。私は手持ちの0.3mm線を使いましたが、キット付属の0.4mm線を利用することもできると思います。

煙室扉ハンドルを浮かせる

煙室扉ハンドルは、煙室扉から少し浮かせて取り付けるので、厚紙などを軽くはさんでハンダ付けしました。
実は、ここではさんだ厚紙(カトーカプラーの台紙…)では厚すぎて、このあと古ハガキでやり直しました。

煙室扉ハンドルの固定

ハンドルを真鍮線に差し込み、ハンダで止めます。
スペーサーの厚紙は、ヘッドライトを取り付け終わるまではさんでおいたほうが良いようです。簡単に熱が伝わってしまうので、いつのまにか扉にハンドルがぺったりくっついていることがあります。またハンドルの取り付けはあまり強度が必要ないので、接着剤のほうが楽であればそれでも良いと思います。

ランボードの修正

ランボードを貼り合わせる前に、歪みを直して平らにしておきます。ハンダで固定してしまうと、がっちり形になってしまい、修正不可能になることがあります。

ランボードの張り合わせ

最初に給水ポンプの取り付け部や、前方の傾斜部などを曲げてから、裏の角穴にハンダを流して止めていきます。各部を曲げる前にハンダ付けすると、折り線の部分までハンダが回って、曲げられなくなってしまうことがあります。

デッキ部の折り曲げ

フロントデッキを曲げてハンダ付けします。傾斜角度などは、実際にデフを合わせて調節しますが、後工程でデフを取り付けるまでは曲がりやすい部分なので、あまり神経質にならなくてもOKです。

ボイラー仮組み

これから煙室扉を取り付けます。ランボードにボイラーを合わせ、仮組みして位置を合わせます。ボイラー上面には中心マークがついていますが、ここを合わせてもまっすぐにならないことがよくあるので、必ず前方から見てボイラー中心と、煙突・ドーム・安全弁の穴が一直線になることを確認して位置を決めます。これらが合っていれば、多少ナンバープレート取り付け部が傾いていても大丈夫です(ナンバーで隠れるため)。

煙室扉上部仮付け

まず外側から、上面を仮付けします。ボイラーはそれほど正確に丸められているわけではなく、しかも柔らかいので形が合わないかもしれませんが、上面を合わせておけば大丈夫です。下側がずれても、ランボードに隠れますし、デフも邪魔するのでまずわかりません。

煙室扉下部仮付け

下側も同様に仮止めします。

煙室扉本付け

外側から全周にハンダを流します。説明書では裏側から流すように説明されていますが、継ぎ目を消す場合はどちらからでも構いません。

煙室扉周囲の整形

ヤスリで削って形を整えます。

ランボードの仮付け

ボイラーをランボードに組み込みます。ボイラー下部の欠き取りを、左右のランボードをつないでいるステーに合わせますが、ボイラーの曲がり方によってはなかなかぴったり合いません。安定的にはまるようになるまで急がずに調整します。

その後、ステー部をまずハンダ付けし、それからボイラーバンドのあたりなど、要所をハンダ付けします。あまりべったり付けてしまうと、あとで曲がりに気付いたときに修正が不可能になりますから注意します。

前後ボイラーの接合

ボイラーは前後の2パーツに分かれており、安全弁の穴の部分で両者が重なります(図の矢印)。曲がらないように注意します。「への字」にならないように横からも上からも確認します。

安全弁の穴の左隣に、小さい四角形の穴がありますが、最初はここにハンダを流して仮止めし、位置を修正してから本付けします。

ねじれの確認

ねじれがないか、ヘッドライト〜煙突〜安全弁〜キャブのベンチレーターが一直線になっているか確かめます。

キャブの仮付け

キャブも組み込んで曲がりがないか確認します。私の作例では、安全弁の穴を合わせるとボイラー後部が少しねじれてしまい、キャブも曲がってしまいました。キャブのツメが入るボイラー部の穴を広げて調整しています。

■失敗■ 仮組みのキャブを外すときに、ボイラー後部を左右から押さえてツメを外すのですが、押さえすぎて三角屋根のようにボイラーを折り曲げてしまいました。必死に元に戻そうとしますが、折り線を完全に消すことはできずに大失敗…。

キャブ側面の固定

キャブのツメをボイラー内側からハンダ付けして固定します。最初はこの部分だけを固定しておきます。あまり大量にハンダを流さなければ、多少のキャブの傾きは手でひねって直すことができるからです。

歪みのチェック(真横)

真横から見て傾きがないか調べ、まっすぐにしておきます。

歪みのチェック(真上)

上からも確かめます。ボイラーと平行になっていないと、かなり見苦しい仕上がりになってしまいます。

歪みのチェック(真横)

反対側からも確かめます。キャブが歪んでいると、公式側から見ると水平なのに、非公式側から見ると傾いているということが起こります。
私はこれをずっと克服できていません。

歪みのチェック(後方)

後ろからも忘れずにチェックします。前から見るとまっすぐだったのに、なぜか後ろから見ると曲がりに気付くということがあるからです。

ランボード左右のズレをチェック

左右のランボードの高さが食い違っていないかどうか注意しておきます。今からならまだ直せます。

■失敗■ 実はこの写真の状態では、まさに左右のランボードの食い違いが起きています。理由はすべて、ボイラー後部がねじれて付いていることにありました。上面はきちんと合っているにも関わらず…。でも、かなり後の工程に入ってからでも、何とか直すことはできました。

ランボードの後端が、キャブ裾からどのくらい上に付いているかを、公式側・非公式側の両方で確かめておくとよいです。

失敗の修正のため、2時間を少しオーバーしましたが、これで車体の基本構造ができて一安心です。フラックスをよく洗い流して、明日の作業のために道具もきちんと片付けておきます。でないと私は完成まで部屋中をめちゃくちゃにしてしまいます。


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