Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>C59の組み立て

C59の組み立て(8)-動力ユニット

動力ユニットは前回のC58と同様、組み立て済みではなくなっていました。
今回も基本的な構造はC58と同じですが、細部においては少し違います。

今回予想される失敗
・モーターの配線に手間取って、モーターを壊してしまう
・車輪の圧入や再圧入に失敗してギア軸を折ってしまう(予備がついています)

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フレームの折り曲げ

動力ユニットフレームを折り曲げます。ヤットコでも曲げられないことはありませんが、やや厚い板なので小型の万力を使いました。

ギア軸部折り曲げ

下側(ギア軸側2箇所)は折り曲げスパンが短いので、ヤットコで曲げても簡単です。

もう一方のフレームの折り曲げ

もう片側のフレームも曲げます。細い突起はモーターの配線なので切り取りません。
ここで曲げに使っている棒は、いつもマイクロエース蒸機の車高下げでお世話になっているヤスリです…。

モーターベースの折り曲げ

モーターベースを折り曲げて1箇所をハンダで止め、よく洗浄して乾かしてからモーターを止めます。
モーターには向きがあるので注意します(説明書の図のとおりです)。

ギアの取り付け

車輪座(手で持っているパーツ)に、大ギヤを取り付けます。
大ギヤに中空の車軸を通し、右側に「両ボス回転座」を差し込んでから、車輪座の大きい穴にはめこむことになります。
その前に、次以降でネジを切ったり小ギヤを取り付けたり、という準備があります。

ネジを切る

フレームの取り付け穴に、1.4mmのタップでネジを切ります。
ちょっと厚めの板なので、直接ねじこむセルフ・タッピングだと厳しいかもしれません。ワールド工芸の蒸機の組み立てには、最低1.4mmのタップがあるととても便利です。

小ギアの取り付け

車輪座の大きい穴に両ボス回転座をはめ込み、2箇所の穴にネジを切ってから、小ギヤに小ギヤ軸を通してネジ止めします。
左右非対称ですが、どちらも大ギヤから小ギヤで1段落として車軸に伝えるのは同じですから大丈夫です。

車輪座の固定

大ギヤを取り付け、中心のネジでフレームに止めます。左右に車輪座が首を振ることと、ギヤが両方向に自由に動くことを確認します。

バリを取る

ギヤが引っかかってうまく動きませんでした。
小ギヤ軸の表面にバリが出ていて、大ギヤに引っかかっているようです。一度大ギヤを外して、ヤスリで小ギヤ軸の表面を磨くと、スムーズに回るようになりました。
また、大ギヤの表面にもポッチが出ていれば削り取ります。

両方の車輪座の固定

前後の車輪座はこのように付きます。どちらも左右に自由に首を振ることを確認します。この機構のおかげで車輪が線路に密着します。

なお、反対側のフレームの車輪座には、ギヤがつきません。

ベースプレートの取り付け

2つのフレームを向き合わせて、下側にベースプレートを取り付けます。
このとき、モーターベースも一緒に止めます。片側4箇所・合計8箇所をネジ止めします。

モーターの配線

上から見るとこのようになります。

左右のフレームをつないでいるのは、中央部でブリッジになっている薄いベースプレート(ベーク板)だけなので、パリンと割れないか少々不安を感じます。

モーターの接点に、左右のベースプレートの接点をハンダ付けして配線しますが、電気配線なので板金用のフラックスは使いません。モーター内部に染みこんでしまうとアウツです。
電気配線用のヤニ入りハンダでハンダ付けすると良いですが、モーターを加熱しすぎると、黒い部分のプラスチックが溶ける恐れがあるので、短時間で済ませます。

車輪の圧入

車輪座にプラ製のギヤ付き車軸をはめこんで、両側から車輪を圧入します。
中央寄りの2軸には、写真のようにゴムタイヤが付きますから間違えないようにします。

左右の車輪のうち、片側にはスペーサーが入りますが、どうも説明書の図は逆のように思います。私の解釈が間違っているのかもしれないので、ご自分で確認してください。要するに、車軸のギヤが小ギヤからズレないようにするためのスペーサーだと思います。

◆C60 100番代では、説明書の通りで問題は感じませんでした。

■注意■
車軸と車輪はゆるいことがあるので、もしそうなら車軸に少量のゴム系接着剤を塗っておくことをおすすめします。
さもないと、走行中に負荷がかかると車軸が空転して走行できなくなります。組み立て直後はうまく動いていたのに、しばらく走らせていると振動がひどくなってろくに走らなくなる…という問題が起きる場合があります。

転がりの確認

車輪がついたら、ウォームを取り付ける前に、前後に自由に転がるか確認します。少しでも引っかかることがあれば、この時点で必ず原因を突き止めて修正しておきます。

その後、ウォームを取り付けます。モーター端から3mmを基準に、と書かれていますが、要するにウォームの先端がフレームの端あたりに来るようになります。位置を決めたらエポキシなどで固定しますが、モーター軸受けに接着剤が回らないように要注意です。

◆C60 100番代では、ウォーム中心が大ギヤ中心と合うように、というような表現になっています。

接着剤が固まったら、固すぎないように両方のウォームと大ギヤの噛み合わせを確かめます。
それから線路に乗せてゆっくり試運転してみますが、幸い特に問題なく走り出しました。


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