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winea2.gif     覚醒の状態で・・・夢のイメージを広げる?

 

夢の登場人物の1人かどうにも気になる。
夢の中で,あなたに何か言いたげな表情をしている。
通りすがりのような趣もあるし,そうでないような気もする。
近づいて,確かめたいと思うのですが、その瞬間,夢のステージから消え去ってしまいます。
このように,肝心なときに,夢は中断するのです。
あなたに特別な能力があれば別ですが、夢の続きはなかなか見ることはできないようです。

続きがないのかもしれないけれど・・・。
どっちにしても,気になるわけだから、何とかして知りたいという気持ちが
夢分析を依頼する方の心を占めてくるのです。

    ここでは,夢の続きを単に見るのではなく、夢のイメージをもとにして
    覚醒状態で疑似的に夢体験することについて
    うらら的理論を展開してみようと思います。

夢は睡眠中の非意識の表出ですから、エネルギーの緊張が弱く,途切れがちになります。
意識の表出と比べたら、何を表現したいのか、目的がはっきり見えてきません。

論理の不整合があり、飛躍を生じさせ、意味のない結びつきが入り混じることになります。
脈絡のない印象が大部分を支配しています。極めて有用ですが、それを解釈するのが難しいのです。
もし、意識的に夢を見ることができたら、言い換えると覚醒状態で無意識を表出させることができれば
意味関連の明瞭な無意識の素材を手に入れることができるはずです。
あなたの非意識と意識の対話を試みようということなのです。

基本的な技能は、「空想する」能力です。空想は,あなたのイメージへの意識的な操作ですね。
会いたいと思う人と、会うことができるし、どのような思いも、視覚的イメージとして展開できます。
その力を、ここでは必要とします。
空想と違うところは、あなたの意識からスタートするのではなく
夢を展開していた非意識から始めるところです。

    夢のイメージの自然な流れを大切にしながら
    あなたの意識的なイメージへの関わりを同時に進める。
    夢のイメージの方から、あなたの意識へアプローチがあり
    それに対応しながら、あなたの意識を関わらせるということです。
    空想と違うところは、相手は非意識だということです。
    非意識は、あなたと同様に自律的にイメージを展開しようとします。
    そうですね。あなたの中にもうひとりのあなたがいるような感じがしてきます。


少し具体的な夢を取り上げて話を進めていきましょう。
風化しかけた岩石が立ち並ぶ広大な公園があります。
大切にしている場所であり、実に美しいところです。
あなたは、そこがとても気に入っているのです。
もちろん夢の中での風景ですから、あなたはそこに行ったわけはありませんが・・・。

横に突き出た岩石の上で、化石を掘り出している男が2人います。
あちこちに、化石が露出しており、すばらしい発見であることは伝わってきます。
あなたの心配は、ここは公園であり、そのような行為をすることには許可が必要であること
さらには、発掘の作業が公園の美しさを台無しにすることにあります。
あなたは、そこに立って居り、作業の手際のよさに驚きながら
「ここの発掘の許可は得ているのか」というようなことを言おうとして、2人の男に近づいていきます。
1人は、よく知っている男でしたが、もうひとりは知らない男です。
その場面で、夢は中断しました。

 

    夢分析においては
    夢という非意識の表出物を夢見者と夢分析者が
    「覚醒した意識」の中で、「解釈」という共同作業をするのでしたね。
    取り扱う夢は、その時点で、録画された視覚的映像であり
    必要に応じて、繰り返し再生することはできますが
    新たな画像を取り入れて再編集することはできないものです。

 

あなたがその2人の男に近づいて、「許可を得ているのか?」と問いかけたのですが
その後の展開は、夢分析では出てこないのです。
ふむふむ・うららの夢判断では、そこに迫りたいのです。
そのための方法が、「アクティブ・イマジネーション」なのです。
これは、基本的に夢見者自身が明晰な意識の状態で
非意識とコミュニケーションすることを意味するので、夢診断者が関与することのできないものです。

擬似的に、うららが試みているのは「夢の拡充」という方法です。
一般的には、夢見者と夢診断者が夢要素に沿って
連想を使って、夢の内容を意識的に広げていく作業のことです。
うららの「拡充法」は、さらに意識的なイメージの展開を夢見者に求めるところに特徴があります。
気になる静止画から、動画を生み出す作業をするわけです。
つまり、新たな視覚的イメージを作り出すということです。
あなたが、その2人の男に近づいていった場面から
どのように展開するのか、意識的に想像することをあなたに求めるわけです。
だから、「空想する」能力が必要になるのです。
あなたは夢を意識的に立ち上げる作業に向かうことになります。
問いかけるように、話しかけるように非意識と対面します。

「ここは,公園だ。こんなに掘り返しては台無しじゃないか?」
「見てごらんよ。この化石。君も掘りたかったものじゃないのかね?」
「こんなことをするには,許可が必要だろう!」
「君は許可のことばかり話すが、許可があればしたいってことだろ?」
「そういうことじゃない。美しい風景が破壊されるのが嫌なのだ!」
「君が守りたがっている風景の下には、君の欲しい物があるんだよ!」
・・・・という具合に,非意識と意識的に会話することを
ふむふむ・うららは「夢の拡充」として夢見者に実践を求めている。
問診は、その補助手段といえます。

 

この作業から、2人の男のうち、知らない男はあなた自身であることに
あなたは、はっきりと気づいてしまうことになるだろう。
夢診断者の指摘によるのではなく、あなた自身が気づくところに
非意識のメッセージ性を強く感じることでしょう。
つまり、あなたは「発掘をしたかった」のだということを。
生き方を転換して、制限から離れた生活に憧れていたことを
意識的に受け取ることができたということなのです。

 

    意識的に、非意識に語りかける実践を
    アクティブ・イマジネーションといいます。今日はここまでとしましょう。