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記憶の材料となる無自覚な「記憶」?
意図的に記憶されるものと知らぬ間に記憶しているものがあることはご存じですね。
たとえば、急な用事ができて、知らない土地に出かけたとします。
そこで、たまたま知り合いに会ってしまって、しばらくの間話をすることになった。
何年後かに同窓会でも開こうということになります。
そのときは、相手の勤め先で話したのですが
その気もあまりなく、退屈な話をうわの空で聞いていたのです。
もちろん、興味のない彼の勤め先など覚えようとする気はさらさらないのです。
とにかくあなたは早く話を終わりたかったのですね。
ところが、数年後に同窓会を開く幹事となり、どうしても、その彼に会わなければならなくなった。
住所も電話もわからないあなたは、とりあえず、不安を抱えつつ車で出かけてみることにします。
意外にも、その勤め先への道順が次々と思い出され
たどり着くことができたということは、よくあることですよね。
覚えているはずのない道順を覚えていたとは、いったい、どうしてなのでしょうか。
覚えるつもりがなかったのに、覚えていたということですよね。
このような意識にのぼらない記憶は道順を思い出すような「空間的な記憶」の他にも実在します。
お酒をしこたま飲んでしまい、楽しくて朝まで過ごしたとしましょう。
朝起きてみると、隣に知らない男性がいます。
誰なのか、まったくわからないが、なかなかいい男です。
ふと、財布を見てみると10万単位のお金がなくなっている。
あなたは何があったのかどうしても思い出せないでいます。
そのうち、その素敵な男性はあなたをおいて、にこやかにアパートのドアから去っていきます。
あなたは、幾分おどおどしていたのではあるのですが
悪くはない気分です。きっと肌を合わせているのでしょう。彼のにおいを感じています。
帰ってしまってから、財布の間に領収書がはさんであるのに気がつきます。
知らない店の名前でした。
電話をかけなければならないという気持ちが強くはたらき、あなたは電話をしています。
出てきた人の声を聞いて、すべてが思い出されたのです。
あなたはホストクラブで豪遊したあげく、20万ほどお金をばらまいたことを、はっきりと思い出したのです。
このようなことはあなたにも経験があるはずですね。
もちろん、ホストクラブのことでなく、記憶に関することです。
記憶していることがまったく自覚されないのです。
しかし、何かのきっかけで記憶が再生されることがあるのですね。
そのような記憶を「潜在記憶」と呼んでいます。
そのような記憶は、どのようにして作られるのでしょうか。
かつては記憶は短期記憶に蓄えられてから、長期記憶に移されると考えられていましたが
どうやら、そういう場合だけではないらしいのですね。
短期記憶の過程を経ることなく、長期記憶に保存されることもあるのです。
つまり、短期記憶されないので、覚えようと意識していないことになるのですが
長期記憶には無自覚に記憶されたということです。
反対に短期記憶で強烈に印象付けられたとしても
必ずしも長期記憶につながるわけではないということにもなります。
短期記憶を経ることなく、長期記憶として残されていくものがある。
そのような無自覚な記憶が実際に存在することは実際に証明されています。
サブリミナル効果もそれにあたります。
夢の材料は、そのような無自覚な記憶を材料にすることもあります。
というより、無自覚な記憶の方がより多く採用されているのだと、うららは感じているのです。
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