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記憶の再構成としての夢?
完全に忘れていることが夢の中に出てくることがあります。
あなたは完全に忘れているので、その状況がわかりません。
忘れているので、理解できないことがらであることは当然でしょう。
これらは「過去の再体験」と呼ばれるものです。
脳は膨大な無意識の記憶を抱えています。もちろん意識的な記憶も脳の表層に保存しています。
そこには時間的、空間的、因果的な関連づけで索引がつけられており、必要に応じて引き出されます。
今日の記憶もそれぞれが、それぞれの場所に仕舞いこまれるのです。
脳はそのように蓄積された記憶を整理したり、捨てたり、組み合わせたりして
きちんと引き出すことができるかどうか点検をするのです。
そのような点検は、外部からの情報が入り込まない睡眠の状態で行われることはすでにわかっていますよね。
具体的に脳の中の作業ではシナプスがネットワークを維持するために
神経伝達物質を多量に放出したり、記憶の索引を更新するために、信号を多方向に向けて発信しているのです。
そのときに過去の体験をそのまま再構成することがあります。
睡眠が深ければ深いほど、過去の記憶まで
脳のメンテナンスが行われるので、まったく身に覚えのない出来事が夢に展開されるのです。
あなたには不可解でも、あなたの脳にとっては、そこに横たわっている確かな記憶ということになるのです。
そのような夢は、そのことをあなた自身に伝えるために、確証となる事物を夢の中で提供することが普通です。
例えば、特定の文字列、鮮明な色のついた事物・・・よく知っていることがらと不明なものの組み合わせ・・・
あなたがその気になれば見つけ出すことのできるものをそれとなく提供してくるのです。
脳の方は知っている記憶ですが、あなたは忘れているという状況です。
メンテナンスのときに、記憶が再構成され、一部分が強調されることがあります。
それが、文字列、鮮明な色彩、明らかに不明なものとして、あなたの夢で認識されるのです。
夢の中で、新聞のようなものを広げていて、そこにある文字が読めそうな感じがしたり
風景や町並みの中に、その場を説明する標識とか案内板とかが鮮明に浮き出たり
あなたが普段使っている道具や持ち物の中に知らないものが混じっていたりするとき
それは過去の記憶を再構成していると考えられます。
文字が読めそうなら読むようにしましょう。初めての景色に感じたら、それを絵にしてみましょう。
それがあなたの夢を豊かにしてくれます。そしてちょっとした発見を導いてくれます。
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