風散士黒部大壩碇豊長の詩詞　来信・投稿

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　これは風散士雅兄の作品で、読み下しも風散士雅兄です。 ******************

黑部大壩
崢嶸巒嶽隔人煙、世紀難工及七年。偃蹇堰堤締峽谷、淼茫湖水作深淵。思馳草創摧身苦、苦喚竣功流涕筵。初點電光誰共喜、百餘魂魄卓於天。

崢嶸さうくゎうたる巒嶽らんがくは　人煙を隔て、
世紀の難工は　七年に及ぶ。　　
偃蹇えんけんたる堰堤は　峡谷を締むすび、
淼茫べうばうたる湖水は　深渕と作る。
思ひは馳す　草創摧身の苦、　　
苦は喚ぶ　竣功流涕の筵。　　
初めて電光を点じて　誰か共に喜ばん、　　
百余の魂魄　天よりも卓たかし。

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・黒部大壩：　黒四ダム。
・偃蹇：　（アーチ状に）曲がるさま。
・百余魂魄：　殉職者171名。

　　　この水が　黒四ダムのこの水が　はるか近畿の　わが街の灯か

※　残念ながら作者は映画「黒部の太陽」を見ていないので、五句六句は推測で賦した。

２００８．６．１７