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山中 | |
宋・邵定> |
白日看雲坐,
清秋對雨眠。
眉頭無一事,
筆下有千年。
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山中
白日 雲を看て坐し,
清秋 雨に對して眠る。
眉頭 に一事 も無けれど,
筆下 に 千年 有り。
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◎ 私感註釈
※邵定:宋代の詩人。生没年不詳。字は中立。号して六薌 老人。吉州の盧陵(現・江西省吉安)の人。自宅周辺に、梅・竹・蘭・桂・蓮・菊などを植えて愛でたが、その脱俗的な精神は、「六薌老人」(“六種の香りを立てる老人”の意)との号に現れている。
※山中:山の中(の隠棲生活)。作者の隠棲しているところを謂うか。 *この詩は互文によって構成されている。
※白日看雲坐:真昼に、雲に向かって坐(すわ)り。 ・白日:真昼。白昼。また、輝く太陽。ここは、前者の意。 ・坐:坐(すわ)る。動詞。
※清秋対雨眠:空気の清らかな秋に、雨に向かって眠る。 ・清秋:空が澄み、空気の清らかな秋。 ・対雨眠。唐・蜀・韋莊の『菩薩蠻』に「人人盡説江南好,遊人只合江南老。春水碧於天,畫船聽雨眠。 爐邊人似月,皓腕凝雙雪。未老莫還ク,還ク須斷腸。」とある。
※眉頭無一事:(身分の低いわたしには)、眉間に(皺(しわ)を寄せるような大事は)何事も無かった(が)。 ・眉頭:まゆね。眉間。眉と眉の間。 ・-頭:名詞の接尾字。 ・無一事:何事も無い。
※筆下有千年:(わたしの書き記す歴史の文献には、)千年(に亘っての重み)がある。 ・筆下:文章を書く時の言葉だて。心づもり。文章を作る技能。 ・千年:千年の歴史。悠久の歴史。
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◎ 構成について
韻式は、「AA」。韻脚は「眠年」で、平水韻下平一先。この作品の平仄は、次の通り。
○○●●○●○,
●●○○●○○。(韻)
●●○○○●●,
○○○●●○○。(韻)
2020.11.26 11.27 |
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