Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


遊長寧公主流杯池二十五首之十三

上官婉兒

策杖臨霞岫,
危歩下霜蹊。
志逐深山靜,
途隨曲澗迷。
漸覺心神逸,
俄看雲霧低。
莫怪人題樹,
祗爲賞幽棲。







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長寧公主の流杯池に遊ぶ 二十五首之十三
  
つゑきて  霞岫 か しうに臨み,
歩 危くして  霜蹊さうけいを下る。
志は 深山の靜かなるを ひ,
みちは 曲澗きょくかんしたがひて 迷ふ。
やうやく 心神のはやるを おぼえ,
にはかに 雲霧うん む の低きを 看る。
あやしむなかれ  人 樹に題するを,
だ 幽棲いうせいを 賞せんがためなり。

                     ****************


◎ 私感註釈

※上官婉兒:〔じゃうくゎん・ゑんじ;ShàngguānWǎn'ér〕「上官」は複姓の一。664年(麟徳元年)~710年(景龍四年/唐隆元年/景雲元年)。唐代の女官。唐・中宗の時、昭容の職位に就く。陝州陝県(現・河南省)の人。上官儀の孫で才媛。後に、政変のため殺された。『中国大百科全書 中国文学Ⅱ』693ページには「Shangguan Wan'er」と載っている。(蛇足になるが、中国映画『武則天』では、則天武后は上官婉兒を「ShàngguānWǎr」と呼んでいた。)

※遊長寧公主流杯池二十五首:長寧公主の流杯池で(曲水流觴の宴で)遊ぶ。 *これはその際の二十五首の十三で、二十五首全て仙境を詠う。 ・長寧公主:中宗(李顕)の娘。中宗と韋后との間に生まれる。 ・流杯池:杯を流す池。曲がりくねった小川状の細長い池。ここで杯を水面に浮かべ、杯が自分の前を流れ過ぎてしまわないうちに詩を作る風雅な遊びをする。全て、対句で構成されているが、(作者の漢語上の対の概念と日本語品詞上の対が必ずしも揃わず)読み下しで対にするのが難しいところもある。

※策杖臨霞岫:(隠者・陶淵明のように)杖(つえ)をついて、(朝焼けや夕焼けの)霞のかかった(仙境の)山の峰の洞窟に向かい。 ・策杖:杖(つえ)をつく。 *作者・上官婉兒が、杖をついていたとは考え難い。後出・陶淵明の『歸去來兮辭』等の表現の影響と見るのが妥当(青字部分参照)。 ・臨:(高い所から低い所に)面して。対して。向かって。 ・霞岫:〔かしう;xia2xiu4○●〕(朝焼けや夕焼けの)霞のかかった(仙境の)山のみね。 ・岫:〔しう;xiu4●〕山のみね。山の斜面や崖(がけ)にある洞穴(ほらあな)。くき。東晋・陶淵明の『歸去來兮辭』に「歸去來兮,田園將蕪胡不歸。既自以心爲形役,奚惆悵而獨悲。悟已往之不諫,知來者之可追。實迷途其未遠,覺今是而昨非。舟遙遙以輕颺,風飄飄而吹衣。問征夫以前路,恨晨光之熹微。乃瞻衡宇,載欣載奔。僮僕歡迎,稚子候門。三逕就荒,松菊猶存。攜幼入室,有酒盈樽。引壺觴以自酌,眄庭柯以怡顏。倚南窗以寄傲,審容膝之易安。園日渉以成趣,門雖設而常關。
策扶老以流憩,時矯首而游觀。雲無心以,鳥倦飛而知還。景翳翳以將入,撫孤松而盤桓。   歸去來兮,請息交以絶遊。世與我以相遺,復駕言兮焉求。悅親戚之情話,樂琴書以消憂。農人告余以春及,將有事於西疇。或命巾車,或棹孤舟。既窈窕以尋壑,亦崎嶇而經丘。木欣欣以向榮,泉涓涓而始流。羨萬物之得時,感吾生之行休。   已矣乎,寓形宇内復幾時。曷不委心任去留,胡爲遑遑欲何之。富貴非吾願,帝鄕不可期。懷良辰以孤往,或植杖而耘耔。登東皋以舒嘯,淸流而賦詩。聊乘化以歸盡,樂夫天命復奚疑。」とある。後世、陶淵明の「雲無心以」(雲は無心に山の洞窟から湧きだしてきて)の部分を以て、人が自然に従い、何物にも束縛されずに、悠々と心静かに生活するさまを謂う。「岫」以外にも赤字部分や全体のイメージなど陶淵明の『歸去來兮辭』の味わいがある。

※危歩下霜蹊:あやうい足取りで、霜の降りた小道を下りた。 ・危歩:あやうい足取り。 ・霜蹊:〔さうけい;shuang1xi1○○〕霜の降りた小道。

※志逐深山靜:(隠棲したいという)夢を深い山奥の静かなところでおいかけ(ようとし)たが。 ・志:(隠棲の)こころざし。夢。 ・逐:〔ちく;zhu2●〕おいかける。また、こちらから、ものをおいはらう。ここは、前者の意。

※途隨曲澗迷:道は、曲がりくねった谷川の流れにしたがって(曲折しており)迷ってしまった。 ・途:〔と;tu2○〕道。道路。 ・隨:したがって。したがう。 ・曲澗:〔きょくかん;qu1jian4●●〕曲がりくねった谷川の流れ。

※漸覺心神逸:ようやく心がはずむのを感じてきて。 ・漸:〔ぜん;jian4●〕ようやく。だんだんと。 ・覺:…と感じる。 ・心神:こころ。 ・逸:〔いつ;yi4●〕はやる。いさむ。心がはずむ。また、うしなう。また、はしる。ここは、前者の意。

※俄看雲霧低:にわかに雲霧が低く垂れ籠める(仙境の雰囲気)が見て取れた。 ・俄:〔が;e2○〕にわかに。

※莫怪人題樹:木に詩歌を書きしるしているさまを見て、怪訝に思うなかれ。  ・莫怪:変に思うな。怪訝に思うなかれ。 ・人:語調を整える働きもしているが、敢えて謂えば、作者。 ・題樹:木に詩歌を書きしるす。

※祗爲賞幽棲:ただ人知れずひっそりと住む境地をほめあじわうためだけ(なのだから)。 ・祗爲:ただ…のためだけだ。 ・賞:ほめあじわう。めでる。 ・幽棲:人知れずひっそりと住む。


               ***********




◎ 構成について

韻式は、「AAAA」。韻脚は「蹊迷低棲」で、平水韻上平八齊。この作品の平仄は、次の通り。


●●○○●,
○●●○○。(韻)
●●○○●,
○○●●○。(韻)
●●○○●,
○◎○●○。(韻)
●●○○●,
●●●○○。(韻)

2009. 1. 3
      1. 4
      1. 5



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