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怨詩 | |
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唐・無名女子 |
君生我未生,
我生君已老。
君恨我生遲,
我恨君生早。
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怨詩
君 生まれたるとき 我未 だ生まれず,
我 生まれたるとき 君已 に老ゆ。
君は恨 む 我の生まるることの遲きを,
我は恨 む 君の生まるることの早きを。
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◎ 私感註釈
※怨詩:うらみのうた。 *年齢差のありすぎる男女間の慕情を、女性の側から詠う。唐代の女性の作品。作者不詳だが、『中国女性詩歌粋編』班友書編注 中国文聯出版公司1996年北京)は、この詩の作者を女性と看る。この作品は、唐代の銅官窯の窯址(かまあと)(現・湖南省長沙の銅官窯窯址)から発掘(1974年〜1978年)された陶磁器に書かれていたもので、その飾り気のない作風から、陶工の自作か当時流行していた巷間の歌謡とも見られる。
※君生我未生:あなた(=男性)が生まれた時、わたし(=女性)はまだ生まれていなかった。 ・君:きみ。ここでは女性が男性のことをよぶ敬称。 ・我:わたし。ここでは、女性のことになる。 ・未生:まだ生まれていない(時)。
※我生君已老:わたし(=女性)が生まれた時、あなた(=男性)は既に年老いていた。 ・已老:とっくに老いてしまったの意。 ・已:とっくに。すでに。
※君恨我生遅:あなた(=男性)は、わたし(=女性)の生まれるのがおくれたことを残念に思っているが。 ・恨:残念に思う。うらむ。心に残り、うらみの極めて深いこと。*自分に対してのことば。 ・遅:おくれる。おそくなる。間に合わない。また、(ぐずぐずして)おそい。のろい。ゆっくり。
※我恨君生早:わたし(=女性)は、あなた(=男性)の生まれるのが早(すぎ)たのを残念に思っている。
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◎ 構成について
韻式は、「aa」。韻脚は「老早」で、平水韻上声十九皓。この作品の平仄は、次の通り。
○○●●○,
●○○●●。(韻)
○●●○○,
●●○○●。(韻)
2012.12.3 12.4 |
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