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参加作品
開催:2000年8月
2000年は開催館が複数でした。理論的には見損なった作品をもう1つの館に飛んで行けば見られたのですが、場所が遠く、実際には両方を掛け持ちするのは無理。それで私は町の中心の館だけで見ました。まだ最初の回が16時、普通の日は4コマ、最終回が22時45分から始まる(終電に間に合う)などなどと今から思えばゆったりしていました。その後主催者が「1コマ増やす」とか、「春に前菜をやる」とか言い出しました。その辺の政治家の公約と違い、実行してしまいました。で、私たちはうれしい悲鳴を上げながら嬉々として体力をつけ開催に備えるようになりました。
このページは2000年という年に焦点を絞ります。この年は通しのパスを買っているので、かなりの数見ています。全部をファンタ速報のよ うに書くと長くなるので、作品リストに短いコメントをつけるという形にします。他のファンタの速報ページと同じように最後にタイトルのリストをつけておきます。
オープニング
特別上映
フェスティバルのベスト
アジア特集
真夜中の狂気
プレミア
血みどろの午前上映
B級作品特集
オマージュ:Jess Franco
短編特集 1
短編特集 2
フィナーレ
参加作品
オープニング
言われたほどセンセーショナルな印象は持ちませんでしたが、クリスチャン・ベイルのナルシストぶりは徹底していて、半ばコメディーに思えました。その後の彼を見ていると、何事にも徹底する人らしく、時々驚かせてくれます。
キャストは良く、全員自分の役を良く理解しています。カメラ他も問題無し。不満が残ったのはラストの持って行き方。
特別上映
ファンタでなく一般の映画館で見ました。ジョン・ウォーターズだというのでコメディーだろうとは思っていましたが、メラニー・グリフィスが意外な演技でおもしろかったです。映画界で彼女の才能は十分生かされていません。
ニューヨークで運良く家賃の安いアパートに入居できた主人公。ところが隣人とのトラブルがエスカレートしてホラーに。ショーダウンが上手くないという評判もあります。
西暦3028年、地球はエイリアンと砂嵐で滅亡。ロン・パールマン演じる教授から指輪を貰い、教授が作った宇宙船タイタンで幼い息子が地球から脱出。成長するとマット・デイモンになる。宇宙船船長のビル・プルマンは人類をまた集めて・・・と計画。みんなで一緒に頑張ればいいのですが、裏切る人もいて、ドラマが盛り上がる趣向。
フェスティバルのベスト
ウィザースプーンはコメディーでブレークする前おもしろい犯罪映画に何度か出ています。
最終絶叫計画に阻まれて見逃しました。北欧の映画にまだ注目していなかった時期です。もしかしたらこちらもおもしろかったのかも知れません。
この頃までのフランス映画はまだあまり好きではありませんでした。フランスのジョークにはついて行けないものがあり、家族破綻映画ベルニーではすっかり参ってしまいました。それに比べるとやや柔らかくなっています。カメラ、美術は最高。筆の進まない作家の悩みをテーマに使い、それでスリラーを作ってしまう腕は良いです。しかしデュポンテル嫌いは染み付いてしまいました。
もう1つのフランスの犯罪映画と重なり見逃しました。ブラック・ユーモアのサスペンス物。夏を別荘で過ごそうという夫婦と子供。道中出会ったのが主人公の同級生ハリーと連れの女性。しかし主人公にはそういう同級生がいたのか記憶が定かでない・・・。
主人公を演じるのはその後ファンタに何度か登場するローレン・ルーカス。
同じタイトルで5本以上あるので、監督の名前で探さないと見つかりません。例えばケイト・ブランシェットの Heaven ではありません。こちらの Heaven はなかなかシビアでハードな話です。
「ええ!?あのオーウェン・ウィルソンが」とか「ええ!?あのシェリル・クロウが」と驚く作品です。現在のウィルソンとは全く違った、これが地かと疑ってしまうような暗い顔を見せています。現在幸せの絶頂のシェリル・クロウも退廃的な、自己破壊的な一面を見せています。2人とも現在はそれぞれ満足の行く人生を送っているのではないかと思うのですが、こういう演技もできる人なんだ、と驚く作品。明るいスリラーは暗いスリラーより恐いです。
後記: 脚本も書く人で、繊細な神経を持っていたのか、2007年に自殺未遂。クロウも婚約していたランス・アームストロングと別れたようです。エリック・クラプトン、オーウェン・ウィルソン、ランス・アームストロングと有名人と付き合っているようです。
一応ドイツ映画なのですが、使われているのは英語で、俳優もドイツ関係の人ではありません。政府を挙げてハリウッド投資を試みたドイツですが、日本とは別な道を歩んだようです。ドイツ語のタイトルは「お前はあと7日間生きる」という意味です。ま、その後は死ぬという意味でしょう。
翌年にもスリープウォーカーという作品が北欧から来ていますが、それとは全く違う作品です。アルゼンチンから来ると言うのはファンタでも珍しいのですが、それがこのレベルだったので驚きました。非常に良い出来です。類似の英語の作品よりずっとおもしろいです。
ブレードランナー、未来世紀ブラジル、ダークシティー系の継ぎはぎ。実力はロケーション、表現方法、俳優の人選の方。継ぎはぎでも全体のまとまりが良く、観客を引きつけるに十分な力があります。
ユーゴからの作品は珍しいですが、最近は来なくなってしまいました。
アジア特集
アジアは年を追う毎に気合が入って来て、現在ではファンタの重要な部分を占めています。特に中国、香港、韓国、日本の作品が多く、韓国の健闘が目立ちます。2000年はまだそこまで行っていませんが、それでも現在まで語り継がれている作品が2つ、3つ入っています。
血が滴るわけでもなく、悲鳴が聞こえるわけでもないので、ファンタに出すには静か過ぎるかと思いますが、雰囲気の良い親しみを持てる作品でした。
韓国のスリラーとぶつかり見逃しています。
知らないうちにドイツにも怪獣ファン層ができていました。数年後できた仲間の1人もゴジラファンでした。
まとまりがなく、おもしろいという印象ではありませんでした。「こういうのを外国に出すの?」というのが感想。俳優のレベルをもう少し上げてくれると、見られるようになるのかなあ、ならないかなああああ・・・。
ただの幽霊話なのですが、語り口が上手、雰囲気が出ていて、タイの生活まで分かり、満足の行く作品です。
私に取っては「これが韓国映画か」と目を見晴らせるきっかけを作った作品です。韓国はこの後毎年力強い作品を送り続けています。自国の政治家のトップをまとめて消してしまおうという筋は実際にあった事件を思い出させますが、そういう話をなぞるだけでなく、1つの国の中に国を思う人間とそうでない人間の対立がある、悪役も私欲で動いているのではないなどの設定で深みを出しています。
後記: 韓国のスリラーはどんどん上り調子になって行きましたが、その後ゲバルト・ポルノが前に出過ぎ、10年後にはストーリーが単純になってしまったり、劣化が始まっています。
推理物としては良くできています。演出が日本のテレビ・シリーズの方式に似ているのが残念。もっと韓国の独自の色を出せば良かったように思います。リメイクしてスタイルを一新したらいいかも知れません。謎は十分。
真夜中の狂気
ブリタニー・マーフィーは最近飛ぶ鳥を落とす勢い。高校を襲うホラー・ストーリー。
後記: 美人ながらいずれ性格俳優になるかと期待していたのですが、マーフィーは32歳で死んでしまいました。詳しくはこちらをどうぞ。
オーストラリア映画なので、カイリ・ミノーグが出ています。
プレミア
アジア特集参照
真夜中の狂気参照
以前に見て関心したカナダの Stag の監督です。Stag はベリー・バッド・ウェディングにそっくりな作品で作られたのはベリー・バッド・ウェディングより前です。インパクトがややベリー・バッド・ウェディングに比べて弱かったです。
テロ集団の殺人と見せかけた個人の復讐物語。スターが出ています。
真夜中の狂気参照
B級作品特集参照
真夜中の狂気参照
かなりのスター揃い。ベット・ミドラーが豪快で愉快です。
日本語のタイトルはなかなか良いですね。残念ながら私は短編集を見たので見逃しています。
タイムマシンで未来を変えられるか、変えていいのかという話題を親子関係に結び付けおもしろい展開にしてあります。タイム・スリップがマシンで引き起こされるのではないというところがおもしろく、その上オーロラが出るなど、エキゾティックな組み合わせです。ファンタではスリラーと重なったため見られませんでしたが、最近DVDで見ました。
アジア特集参照
アジア特集参照
大勢集まってわいわいがやがややっていたのは覚えているのですが、ストーリーがどうなっていたかはあまり記憶に残っていません。
作品全体に暗く寒いイメージが漂い、スリラー的雰囲気が良く出ていました。スペインは時々出来のいい作品を出して来ます。日本だけでなく、外国にもこういう妙な団体があり、問題になっているんだと改めて認識しました。
アジア特集参照
良い人を集めてありますが、事件、テーマ共湿った花火のようで、あと一息でした。
B級作品特集参照
巷ではヴィン・ディーゼルが有名ですが、私たちにはラダ・ミッチェルお目見えとして記憶されています。彼女はその後もファンタに登場しています。
ばかばかしいけれどおもしろかったです。クリストファー・ウォーケンがこういう役をやるとは当時知らなかったものですから、びっくりしました。彼は確かに昔からちょっと変わった役が多かったようには思います。
Last Summer I Screamed Because Halloween Fell On Friday the 13th、Scream If You Know What I Did Last Halloween などという仮の名前がついていたようです。英語はすっきりと Scary Movie に落ち着いたようです。私は病みつきになり、3本全部見ました。
アジア特集参照
フランス、フランス語系の国々は2000年台に入ってからどんどんおもしろいスリラーを持ち込んで来ました。今から考えるとシックスパックはフランス・スリラーが大ブレークする直前の作品だったのかも知れません。
登場人物にバカな行動が目立つのでやや腹を立てました。後のフランスのスリラーはそういうシーンが減っています。話のテーマは大使館関係の人の治外法権。
B級作品特集参照
出演者を見るとちょっと考えられないコンビネーション。一体どんな話だったんでしょう。
コンビを組んでいた作品もどうしようかなあというタイプで、選択に困りました。
アジア特集参照
B級作品特集参照
パントリアーノとパールマンが出るのなら見ないと行けません。
50年代のロジャー・コーマン・スタイルの SF ドタバタ喜劇。ピーター・ジャクソンが作ったと言っても通りそうです。一言一言にジョークが入っていて、全部にはついて行けませんでした。全部分かったら笑い死にしていたと思います。
アジア特集参照
血みどろの午前上映
ハチャメチャではありますが、おもしろいです。
これもハチャメチャ。でもおもしろかったです。人種差別の国内版。肌の色でなく、出身地で差別を受けるという話。
B 級作品特集
ファンタの話題には欠かせない監督。最近はツールボックス・マーダーを送って来ています。
1年前のプログラムに入っていたのですが、なぜか上映されず、2000年回りました。
ファンタではカナダ映画として出品されています。テレビ用だそうですが、そういう作品も大スクリーンで上映されます。
オマージュ: Jess Franco
Jesus Franco が本名らしいのですが、夥しい数のペン・ネームを使う人です。その上同じ作品にいくつも違うタイトルをつける癖があって、見る側はすっかり困惑してしまいます。作った映画は180を軽く越えています。ペンネームは60を越えているので、まるで3本に1度違う名前を使ったかのようです。ファンタではジェス・フランコということになっていました。フェスティバルを機に何本か見ましたが、自分から進んで選ぶようなタイプの映画ではなく、正直言って戸惑いました。どの作品を見ても皆同じようで、180も見て整理する人はさぞかし大変だろうと思います。
なぜかこの作品は急遽中止になりました。
特集だというので見たのですが、どうもねえ・・・。ポルノとしてもぱっとしません。ドラマとしては話になりません。
フランコの映画人生の総まとめ。エロティック映画に一生を捧げた監督のドキュメンタリーと言うより、ジェス・フランコに一生をささげたリナ・ロメイの方に感銘を受けました。
何か奥深い物をと一生懸命探しましたが、見付かりませんでした。彼には彼なりの主張があるのかも知れませんが、カバの頭には難し過ぎて。筋は Frauengefängnis をほぼそのまま使い、出演者の8割近くを役だけ入れ替えています。ポルノ・シーンは大巾に減らし、ソフト・ポルノ的仕上がり。残酷シーンも Frauengefängnis の方が多いですが、コンセプトはほとんど変更無し。
生地獄を見たので逃していますが、どちらを見るべきだったかは今もって分かりません。
これもねえ・・・、名前だけは思わせぶりだけれど・・・。
短編 1
サンタクロースをめぐり滅茶苦茶な事が起きます。
何が起きているのか理解しようとしないで見ていた方がいいです。まさかマグレガーのはずは?と思いますが本人です。
アードマン社のアニメに迫ります。テーマはなかなか残酷。人がどんどん屋根から落ちるのでこういうタイトルです。
タランティーノの話し方の真似がたくさん出て来ます。喧嘩がエスカレートして死人が。
ヘルベルト・クナウプは舞台出身のドイツでは有名なベテラン俳優。しかしこの映画上映されていないかも知れません。
低予算、お粗末な作りなのですが、作者のゴジラに対する愛情がたっぷりで、観客は非常に感銘を受けました。
当時評判の落ちていたベルギーのことを自覚して作ったコメディー。
偏見を持つと命に関わるという話。夜黒人の男性がエンコした車に乗っている白人の女性を襲うかのような印象。実は彼は彼女に迫り来る危険を知らせ助けようとしていたのですが・・・。
短い時間にストーリーをきっちり詰め込んであります。
アパートを借りたいカップルと家主のやりとり。最終決着が愉快。
クレジットがやたら長く、おかしな事が書いてあります。
上映されたか不明。
のどかな農場でも色々出来事は起きます。アードマン社の Not Without My Handbag の大人版。
短編 2
終わってからがおもしろいです。
シンプルさと大げさな表現がよくマッチしています。
香港ロケを敢行したとか。ジョン・ウーに果敢に挑戦。愉快です。
クレジットの方が本編よりおもしろいです。
こちらもクレジットの方が本編よりおもしろいです。アニメとの組み合わせが良いです。
いたずらのはずだったのに血を見ることに・・・。
イントロは良いです。
他の短編と違い明らかにプロの作った作品と分かります。ちょっと宗教っぽい作り。老人が人類の過去の歴史を語り、やがてよその星に飛び、後継者がどうのという話。ローランド・エマリッヒなどのスタイル。
上映されたか不明。
フィナーレ
おもしろかったです。続編も息切れせず見ていられます。ホラーと言ってもそれまで知っていた作品と全くタイプが違い新鮮でした。
タイトルのリスト
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い |
お |
か |
き |
く |
こ |
さ |
し |
す |
せ |
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に |
ね |
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ま |
み |
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わ |
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El |
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La |
Le |
Les |
Los |
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O ポルトガル語 |
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Un |
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