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 1.革命の原因  

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1.革命の原因
  1. 旧制度の危機絶対王政を誇っていたときにはそれほど目立たちませんでしたが、産業が発達していく内に、現体制が本質的に持っていた制度上の矛盾が露呈し始めました。
  2. 階級制度の矛盾 この時代の階級は、特権者である「貴族」「高級聖職者」平民である「民衆」「下級聖職者」の二つに大きく分かれていました。重い税金に苦しみながら、何の権利もない「平民」の怒りは爆発寸前です。
  3. 経済危機相次ぐ戦争、またアメリカ独立への莫大な投資によって国家は破産状態になっていきました。よく言われていることですが、「赤字夫人」マリー・アントワネットの浪費などこれらに比べれば微々たるものでしかありません。
  4. 啓蒙思想「三権分立」「自然に帰れ」など旧体制を鋭く批判する思想家が活躍し、貴族を含めた当時の人々に受け入れられました。これらの思想がフランス革命の精神になったのです。

i. 旧制度の危機

一言で説明すると…絶対王政を誇っていたときにはそれほど目立たちませんでしたが、産業が発達していく内に、現体制が本質的に持っていた制度上の矛盾が露呈し始めました。

アンシャン・レジーム

革命前の制度のことをフランス史では「アンシャン・レジーム(旧制度)」と言います。旧制度と言った方がわかりやすいのですが、「アンシャン・レジーム」という響きにはなにか郷愁があってロココの華やかだけど脆い美しさを思い起こすためか、よく使われます。


ルイ14世 LouisXIV 

「太陽王」と言われたルイ14世(在位1643-1715)の時代は、「朕は国家なり」という言葉が示すように、強大な「絶対王政」を誇っていました。

「絶対王政」では、国王は人間と神の間に位置しており、半ば神のような存在でした。そして、国王を頂点として、身分制度が正当化されており、中央集権国家が築かれていたのです。

しかしながら、その「絶対王政」でフランスをヨーロッパで最も巨大な国のひとつにしたとき、巨大国家になるために進んできた道そのものが実は、大国フランスを崩壊させる遠因となっていきました。

つまり、戦争ヴェルサイユ宮殿の建設などに代表される派手な生活が財政を圧迫し始め、国庫が苦しくなっていったわけです。


ルイ15世 LouisXV

1715年にルイ14世は逝去しました。続くルイ15世(在位1715-1774)はフランス一の美男子と歌われましたが、結局それ以外、なんのとりえもない凡庸な統治者でした。政治を腹心に任せっきりにして、政治には無関心でした。

それでも、とにかくこの時代はまだフランスはイギリスと並ぶヨーロッパ一の強国でした。尤も、経済力・軍事力共に、産業革命で勢いづいたイギリスにヨーロッパ一の座を奪われかねず、フランスは打倒イギリスを目指し、それがアンシャン・レジームの崩壊を早めることになりましたが…。


ルイ16世 LouisXVI

その孫のルイ16世(在位1774-1792)は、祖先の残した財政危機を受け継ぎました。狩猟と錠前作りが趣味という無害で善良な性格で、常に人気を気にしていた国王は、横暴な専制政治は好まず、従来の生活を変えない範囲での改革を望み、テュルゴネッケルなど有能な人材を登用しました。しかし、意志が薄弱で自分の信念を貫き通すことができません。妻のマリー・アントワネットに何か言われると、国王はあっさりと自分の信念を捨ててしまい、何もかもが中途半端で終わります。

そして、この頃から今までの矛盾が噴出し始めるのです。そのような大きな時代の流れに耐えられるほどの意志も政治力も、ルイ16世にはありませんでした。


アンシャン・レジームの崩壊

アンシャン・レジームの崩壊は主に3つの事柄が原因と言われています。

  1. 階級制度--この頃、力を付けてきたブルジョワジーはイギリスに対抗しようとしましたが、現行の階級制度では税金ばかり取られ、思うように動きが取れません。当然ながら、不満を持つようになります。
  2. 経済危機--戦争で国庫は破産寸前でした。しかし、それだけではありません。イギリスで起こった産業革命の影響はフランスにもやってきました。大量生産が可能になったイギリスはあらゆる製品をヨーロッパ大陸に輸出し、それがフランスの産業や経済を圧迫し始めたのです。
  3. 学問・思想の発達--学問や知識が貴族やブルジョワジーの中に普及し始め、社会の矛盾を「意識」しました。
要するに、アンシャン・レジームは変化し、発展する新しい社会と衝突し始めたのです。


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iii.経済危機へ
iv.啓蒙思想へ
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