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Cタンク その2 (3)トーマモデルワークス/アルモデル(アルナイン)

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トーマモデルワークス

トーマモデルワークスではBタンク・Cタンクといった小型機を積極的に商品化しています。
製品化されたCタンクはその中でも小型のものが多く、ほとんどが先輪・従輪のない0-6-0です。

0501 ボールドウィン9号機 2014年 ボールドウィン9号機 0501
ボールドウィン9号機

2014年 (拡大写真)

明治村のボールドウィン9号機です。
車体は洋白エッチング、ボイラーとサイドタンクの中身はウェイトを兼ねたホワイトメタルで、小型機の割に重量があります。
この頃のトーマモデルワークス製品の特徴ですが、台枠は内外の二重構造になっており、内側の台枠は動輪とギヤがついたまま取り外せるようになっていました。難しい調整なしに走り、クロスヘッドもメーカーにてカシメ済みという親切なキットでした。
組み立てについてはこちらにあります。→ボールドウィン9号機

0621 日車Cタンク 2017年 日車Cタンク 0621
日車Cタンク

2017年 (拡大写真)
動力付きキットと、プラ車体部分のみ抜き出した無動力のプラキットがありました(プラ部品にはダミーの下廻りが含まれていました)。
日車Cタンクの組み立て
0623 日車Cタンク(新動力版) 2018年 日車Cタンク(新動力版) 0623
日車Cタンク(新動力版)

2018年 (拡大写真)
動力が差し替えられたもので、上廻りは前回と同じです。無動力のプラキットはなくなりましたが、動力部のみの別売もされました。
日車Cタンク(新動力)の組み立て

2017年に登場した画期的な製品です。上廻りはプラキット、下廻りは黒に着色済みの金属キットで、好ましい形態とあいまって大変話題になりました。
組み立て・着色済みの動輪輪心はスポークも抜けており、右側90度先行の位相調整もなされていました。
横置きのモーターはフライホイール付きで、平歯車で落としたドライブシャフトに3個のウォームを取り付け、それぞれを動輪ギヤと噛み合わせる方式でした。ギヤ音は大きいながら、低速から粘りのある走りをしますが、組み立てにはギヤの噛み合わせなどの調整箇所が多く、経験が浅い人には難しい面もありました。
この製品より、組み立て後も動輪を軸受けから抜き取れるようになり、軸受けの清掃が簡単になりました。

翌2018年には動力が変更され、モーターを縦置きにして第三動輪ギヤをウォームで駆動する方式に変わりました。フライホイールはなくなり、動輪輪心は未塗装のホワイトメタルに変更され、スポークの抜けはなくなりました。ただ外見上大きな差異はありません。
また、ロッドピンがマイナスネジから六角ネジに変更され、それを回すための六角穴付きボルトもレンチ代わりに付属しています。

新動力版では動力が別売されたため、前年の初回品キットにも使用できるほか(プラ車体側に軽微な加工が一部必要)、自作の車体にも応用できました。

さらに5年後、キット構成が大幅に変わり、初心者でも取り組めるキットとしてリニューアルされました。

1221 日車35トンCタンク 南薩4号機(動力組立済) 2023年 日車Cタンク(動力組立済) 1221
日車35トンCタンク 南薩4号機(動力組立済)

2023年 (拡大写真)
ついに動力ユニットは組み立て済みとなって初めてでも失敗なし、上廻りは3D光造形一体形になりました。
(作例に貼付のナンバープレートは別売です)
日車35トンCタンク(トーマモデルワークス)

2021年ごろからトーマモデルワークスのNゲージ蒸気機関車は、光造形方式の車体や組み立て済み動力の構成にシフトしており、その流れに沿ったものです。
動力ユニットは超低速度優先仕様でスムーズに安定走行します。上廻りにはハンドレールなどの配管も一体表現され、リベット類のディテールも増して煙突などの形状もシャープになりました。

初回製品はすぐに売り切れ、数か月後の追加生産も発表されました。なお直販では動力未組み立てのBキットもありますので注意が必要です。

ちょっと遡りまして、2018年の日車Cタンク(新動力版)の直後の話です。

0771 龍ヶ崎4号機 2018年 龍ヶ崎4号機 0771
龍ヶ崎4号機

2018年 (拡大写真)
日車Cタンク(新動力版)のすぐあとに発売されました。これはプラキットではなく金属キットです。
龍ヶ崎4号機の組み立て

日車Cタンク(新動力版)の動力を、さらに小変更して使用し、上廻りを金属キットとしたものです。
キャブ側面やサイドタンクは真鍮エッチングで、ボイラー一式・キャブ屋根・後部タンクはホワイトメタルの鋳造品です。よって何かと神経を使う屋根の曲げも必要ありません。ボイラーには煙突・ドームのほか砂撒き管もモールドされていますが、ハンドレールなどは別付けなので立体感も十分あります。鋳造品が多いため適度な重量があります。
ナンバープレートや社紋は金色のインレタで表現されていますが、印刷があまり鮮明ではなく、手直しのうえ使用しました。

0869 加悦鉄道1261号機 2019年 加悦鉄道1261号機 0869
加悦鉄道1261号機

2019年 (拡大写真)
メーカー完成品として発売された小型蒸機です。少量生産の金属完成品でありながら、本体価格はぎりぎり2万円を切る\19,800でした。
加悦鉄道1261号機(トーマモデルワークス)

トーマモデルワークスのNゲージ蒸気機関車はキットが主体でしたが、2018年発売のB6 2126形はメーカー完成品となりました。この製品もそれに続く完成品です。
当初はキットの発売も予定されてはいました。しかし先に発売された完成品が人気で年内に追加生産された一方、キットは発売日未定のまま中止となった模様です。

機関車本体は組み立て塗装済みで、つや消しの塗装は滑らかできれいです。冷却管やつかみ棒など一部のパーツのみユーザーによる後付けでした。これらは両面テープで取り付けられるように配慮されていました。 また付属のダミーカプラーはすでに3Dプリント製でした。


アルモデル(アルナイン)

「とても簡単な」シリーズで、Nゲージサイズの蒸気機関車をいくつか展開しています。

A1045 とても簡単な標準型Cタンク 2015年 標準型Cタンク A1045
とても簡単な標準型Cタンク

2015年 (拡大写真)

「産業用Bタンク」のヒットに続き、2015年に発売されたキットです。
大きさはK.S.KタイプCタンクとほぼ同じで、くせのないスタイルをしているため(ほぼ飾りがない)、そのまま使う以外に自由形の改造ベースとしても好適です。
一大特長は動力部が完全に組み立て調整済みであることで、にもかかわらず¥12,000円+税(2019年現在)という安さです。上廻りの部品構成も単純であることから、まず間違いなく生地完成までこぎつけられます。がんばるのは塗装です。模型工作初心者の方が初めての蒸気機関車キットとして選ぶにも適しています。
標準型Cタンクの組み立て


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