2008.8.25
ワールド工芸から特別企画品「C62 2号機(II)」が発売されています。これは8年前に発売された同社のC62 2を、現代の仕様でフルリニューアルしたものです。
4月発売の15/16号機と、全体の構造はあまり変わらないように見えます。前回の組み立てのメモが残っているので(C62 15/16号機)、それを見ながら組み立てを始めました。行き詰ったらそこで終了です。
基本的に説明書の順に進めますが、説明書で最初に来ている動力は、簡単なので後回しにしています。
これは自分の製作過程を今後の製作のために並べたようなもので(結構あとで役に立つんです)、一般的な組み立て方の説明ではありません。途中、失敗に気付かずに進めているケースもあると思いますので、だまされないようにお願いします。組み立てに際しては製品付属の説明書を必ずご参照ください。
キットの全部品です。説明書の部品表だけでもかなりのスペースを使っています。 前回の15/16号機と比べて目立つ違いは、配管類などのステンレスパーツが大幅に少なくなっていることです。プロテクター付き旋回窓のような繊細な部分のみステンレスとなっており、他の配管は普通の燐青銅です。 以前は組む前にかなり必死に部品不足をチェックしたのですが、ここ数年はワールド工芸の欠品率が非常に減ったような気がするので、今は一定の信頼感を持っています(ここ2年くらい、部品不足に当たったのはゼロかもしれません)。どうせ不足があればそのときに請求しなくてはいけないので、このまま組み立て始めます。 |
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真鍮プレスの煙室扉に所定の穴をあけます。 このパーツは10年前の初代のC62キットから共通と思われます。小さい穴をいくつも開けなくてはならないのは憂鬱です。固くてなかなか開きません。 ここで使っているピンバイスは大きいもので、こんな使い方をするとドリルの刃が折れやすいと思いますが、実は直前に信じられない出来事があったためにやむを得ませんでした。 |
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0.5mm以下のドリルをくわえるときに使っていた細いピンバイスに、ドリルが噛み込んでしまい、強くひねって外そうとしたらチャックの根本からねじ切れてしまいました。 ショックです。輪軸の原理ってすごいなぁと呆れたり…。 というわけで、仕方なく大きいピンバイスを使ったのでした。 |
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副灯の穴は煙室扉にマークされていないので、付属の穴あけ冶具(C-8)を重ねて、ガイド穴を利用して穴あけします。 赤い矢印のガイド穴を使います。ナンバープレートの上にもガイド穴がありますが、これは三つ目にするときの穴かもしれません。 注意点ですが、ガイド穴を過信しないことです。冶具の取り付けには結構ガタがあります。私はずいぶん主灯寄りに穴が開いてしまい、結局自分で1mmほど隣に開けなおしました。 |
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大きくて重いピンバイスのため、安物の0.5mmドリルがたわんで開けにくいので、ギザ付きのピンセットで支えています。 こんなやり方は本来あまりよろしくないと思います。ドリルに力がかかる位置が固定されてしまい、そこからポッキリと折れやすくなります。でも今は手元に他の道具が残っていないので仕方ありません。 |
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煙室手すり(G-13)を適当に丸めて差し込み、裏からハンダ付けし、余分な部分を切り取ります。 最終的に残る2箇所の手すりの部分だけきれいな曲線になっていればよいのですが、余分を切り取るときに、切断の圧力で曲がってしまうことがありますから、適宜修正します。 |
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中央に0.3mm真鍮線(とありますが付属している0.25mmのことだと思います)を立てて裏からハンダ付けし、表から煙室戸ハンドル(G-7)を差し込んで少量のハンダで付けます。 この例では間に名刺1枚を入れて少し浮かせています。ナンバー取り付け部が結構出っ張っているので、最終的にナンバープレートのほうが煙室戸ハンドルより出っ張ると格好悪いためです。 |
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ライト2個をハンダ付けしますが、なかなかまっすぐに付きません。あまり何度も付け直すと、先に付けた煙室手すりの根本からハンダが表に流れ出したりして見苦しくなりますし、せっかく付けた煙室戸ハンドルが取れることがあります(やってしまったことがあります)。 |
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完成した煙室戸です。プレスのため煙室戸ヒンジや取っ手の表現がごついのが、今となっては弱点かと思います。 |
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煙室戸は組み立ての最後のほうでボイラーに取り付けるのですが、そのための取り付けガイド(C-4、C-5)を十字形に組み合わせて取り付けておきます。ちょっと横にひしゃげた感じに取り付けておくと、デフの取り付け穴などをふさぐことはないと思います。 |
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念のため、ボイラーに取り付けて様子を見ておきます。先に煙室戸を取り付けてしまうと、前からボイラーにハンダごてを入れて部品をハンダ付けすることができなくなるので、最後に取り付けます。 |
最後までなかなかまっすぐにならず、憎たらしいランボードです。
実物のランボードは結構歪んでいるものですが、模型では外板の歪みや、塗装の補修の凸凹などは再現しないのが普通なので、なるべくまっすぐになるように努力はします。いくつ作っても実力がさっぱり追いついてくれません。
ランボードは網目のついている表板を180度折り返して重ねます。もぎ取らないように注意して、平らな台の上にそっとひっくり返します。 大きな歪み・曲がりがないか確かめて、あらかじめできるだけ修正しておきます。 |
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エアタンクが付く2箇所の突起を慎重に起こします。先にこれをやらないと、ハンダ流し穴にハンダを流したときに、くっついてしまい、起こせなくなることがあります。 それからランボードがまっすぐになるように押さえながら、数箇所の丸いハンダ流し穴にハンダを適量流して、外板を張り合わせます。 |
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全体の歪みがないかもう一度チェックして、少しでも曲がっていたらできるだけ修正します。歪みが大きいときは、平らな台の上でランボードをまっすぐに押さえ、ハンダ流し穴を順に再加熱してやると直ることがあります。 |
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前デッキの傾斜部を曲げ、付属の角度決め冶具(C-1)を利用して傾きをチェックします。本当はこの上にもう一枚、前デッキ表板(N-2)が付くのですが、今はまだないので冶具がきちんと当たりません。あとでまたきちんと決めます。 前端の端梁は180度上側に折り重ねるのですが、今やってしまうと給水温め器ボックスを取り付ける邪魔になるので、そのままにしています。もし取れそうなときは、すぐ重ね合わせてしまったほうがいいと思います。 |
ランボードにボイラーをまっすぐ取り付けることができれば、第一段階は終了なのでがんばります。
ボイラーはプレス曲げされていますが、たまに板が若干斜めになっていたのか、合わせ目が前後にずれていることがあるので、時間をかけて少しずつ歪みを直します。 直ったら前端を平らな台の上でぴったり合わせて、内側からハンダ付けします。あらかじめぴったり合うようによく修正しておかないと、あとで周辺のハンダ付け中に熱が回ってしまい、パカッと取れてしまうことがあります。 |
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ボイラーボスは小ギヤ軸と同じ部品なので、小ギヤ軸の入っている袋から1つもらいます(全部で5個入っているはずです)。 内側には補強板(C-2)が付きますが、ここでは表から一度ボイラーボスだけを仮付けし、ひっくり返して内側に補強板を重ね、コテをボイラー中に入れてハンダ付けしました。 |
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ランボードがまっすぐになっていることをもう一度確かめて、2箇所のブリッジをボイラーの溝に噛み合わせます。 その状態で、4箇所の合わせ目が浮いていないか、ランボードが曲がっていないかをまた確かめて、ごく少量のハンダで仮付けします。 |
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仮付けしたら、またまたランボードがまっすぐになっていることを確かめます(しつこいんですが、直せるのは今だけで、あとあとまで響いてしまいます)。 やっぱり少し曲がっています。 |
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ランボードがまっすぐになったら、中央の取り付けしろをボイラーにハンダ付けします。 このとき、ランボードを水平に保つ台を用意すると大変便利です。ここでは例のアルミチャンネルをそのまま使っています。20×20×300mmのもので、東急ハンズで購入しました。 |
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ボイラー後部(火室)を取り付ける前に、ランボード後端のブリッジを切り取っておきます。 |
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ボイラー後部をランボードの間に入れ込み、後ろから取り付け済みのボイラー前部に重ねます。 |
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ボイラー後部はまっすぐつきにくいので、まずは安全弁の2つの穴が基準になるので、そこを何かでずれないように止めます。適当な太さのネジがあるといいのですが…。 |
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ひとまず位置を合わせたら、裏側の安全弁の後ろに仮止めの穴があるので、そこにハンダを少量流して仮付けします。 そのあと改めてボイラー前後やランボードの歪みを直し、そのほかのハンダ流し穴に順にハンダを流して固定します。横や上から見て、ボイラー前後がヘの字にならないように注意します。 |
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ボイラー前後がまっすぐ付いたら、ランボード全体を支えられる台に載せ、ぶらぶらになっている後部ランボードを火室側面にぴったり合わせてハンダ付けします。 ここは表側からハンダ付けするので、付けすぎないように注意し、はみ出したハンダは削り取っておきます。相変わらず特別なキサゲ用具は何も持っておらず、ナイフと彫刻刀などで行っているので、下手すると下地を傷つけてしまいます。 |