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6.ふむふむの夢理論仮説 : 対象人物と割り当て

「夢意識」は、対象人物に感情や欲求、葛藤、不安を割り当てています。
夢のステージに登場する人物の構成により、
感情、欲求、葛藤、不安などに関わるテーマに分けることができます。これが、ふむふむの仮説6です。


夢の時間軸は現実の世界ではまったく当てになりませんが
夢見においては、感情や欲求、葛藤、不安などを把握するのに有効な手がかりとなります。
思い出す順に登場人物を配列していくと特定の感情、欲求、葛藤、不安が浮き上がってくるのです。

登場人物が変化するとき、たとえば、母、であったのが、祖母になったり
課長であったのが、同僚に変わったり、恋人で合ったのが、妹になったりする場合
そこには、感情や欲求、葛藤、不安の移り変わりが見られるのだとふむふむはとらえています。

このときの時間軸は前後で見ていきましたね。
登場人物が2人以上いて、それが同時に登場する場合もあります。
時間軸上では同時ですが、ステージのどこに位置を占めていたかによって
特定の感情や欲求、葛藤、不安などが表されているのです。
このとき、時間軸は横に広がり、わずかに前後がふくらみます。
同じ場面の中に過去から近い未来までのあなた自身をみることができます。


登場人物は、あなたの特定の感情、欲求、葛藤、不安を表すために、夢ステージに出てくるのです。
不満がまずあり、そこにはわずかな期待もあった。そして、やがて失望感に変わり、それがさらに不満を生み出した。
というようなストーリーを展開するとき、欲求は感情で、感情は欲求で
葛藤は不安で、不安は葛藤で、互いを補う合うように場面に色づけがなされるのです。

多種多様な感情や欲求に対し、優先順位をつけたり、相互調整を図ったり
目的や手段の体系に組み込んだりして、どうにか感情や欲求の順序づけをしています。
順序づけにより、心の安定を保とうとするのですが、夢見においては、逆療法を試みることも多いのです。
ひとつのまとまりとして、欲求や感情を統合することができないとき葛藤や不安が生まれてくるのでしたね。
思いがけない逆の展開をつくりだすことにより、夢見者に刺激を与え、夢を覚えてもらうことが、「夢意識」のねらいかもしれません。

葛藤や不安を夢はどのように表現するのでしょうか。
ふむふむのオリジナルな理論である「夢のレトリック」について、簡単に触れることにします。

視覚的情報、つまりイメージの結合と合成により、夢は展開されますから
その結合における「アンバランスさ」や合成における「奇怪さ」によって葛藤や不安を表現します。

それは3つのタイプに分けることができます。
魅力的で、やすらぎを与える対象を求める欲求を単に「プラスの欲求」とします。
脅威や恐怖を与える対象から回避する欲求を同様に「マイナスの欲求」とします。

第一の葛藤は「プラス・プラス同時不成立」で示されます。
そのような夢は現実とのギャプがきわめて大きく、
夢見の印象とは逆の展開が、現実では進行しているということが多いのです。
恋人と結ばれることはうれしいが、そのため留学はあきらめなければならない。
留学はできても、その間恋人と離ればなれになってしまう。
というような夢は、いずれの「プラスの欲求」も満たされないのです。
夢印象は「わずかな不安」という形で表現されます。

第2の葛藤は「プラス・マイナス同時成立」で示されます。
より現実的な場面に即した夢ではありますが、夢見の印象は強い不安をあなたに与えます。
恋人と会うチャンスに恵まれたが、ひとことも話してくれないというような夢がそれにあたります。
実際の生活では恋人でも何でもないのですが、楽しい会話ができる関係であるはずなのに
一言も話さないのでショックを受けるというものです。
日常生活で意識していなかったものが、夢見において、意識されたことにより、作り出された夢の場合、このタイプとなります。

第3の葛藤は「マイナス・マイナス同時成立」で示されます。
一方の状態は受け入れたくないし、他方の状況からも逃げたいというようなふさがり状態の夢がこれにあたります。
どちらを選択した場合でも、脅威や恐怖を招くことになります。実際の生活ではうまくいっていることが多く
ものごとを全て完璧にやりとげたいというような積極的な意志が裏返しになって生み出された夢だともいえます。
夢見者の現実認識が必要以上の脅威を感じていることを表しています。
どうしてだろうという「違和感の残る強い不安」を感じさせる夢です。