「Those Southern Knights」以来、何と22年間もの長きに渡って封じ込められていた名曲「Keep
That Same Old Feelin」が今回のアルバムのトップを飾ります。ウエインヘンダーソンのはちきれんばかりの兇暴なパッションが、ついに封印を解かれ、アラジンの壷からもくもくと現れ出でる怪人のようにその恐るべきパワーの全貌を顕わし、縦横無尽に猛威を振るい始めました。おそるべしウエイン・ヘンダーソン。
新生ジャズクルセイダーズとなって発進してからの「Happy Again」、「LOUISIANA HOT SAUCE」そして今回の「BREK'N DA RULZ!」とまさにパワー全開、快調そのもの。血沸き肉踊る傑作揃いです。次から次へと快作をプロデュースするウエインヘンダーソンの絶倫パワーはスゴイの一語に尽きます。
驚くばかりのパワーを秘めた「BRAK'N DA RULZ!」、真夏の校庭の鉄棒を握り締めた時の、手が火傷するくらいの魂の熱さを体全体で感じます。
「Egyptian Nites」のファンク・ダンディズム、「Southern Hosptality」のまさに豪快な音のおもてなし、そしてとりわけ「Party Joint」から「Gloria」までの、まるでエクスタシーへ一気に誘うようなファンキーな性技が実にお見事。
さしずめ「Party Joint」は入念な前戯でしょう、「Just Because It's Jazz」で心技一体、聴くものの心と快感のツボとが鷲づかみにされ、汗の飛沫飛び散り、しとど随喜の涙に濡れるでしょう。耳元で甘い吐息とともに「I'll Make It Up To You」と呟かれ、「Turn On The Red Light」に乗って一気にピストン運動が激化、「La Salsa La Funk」の偏角的な腰のグラインドタッチ、執拗にGスポットを突つかれ、ついに「Gloria」で絶叫するようなナンシー・ベンダーの歓喜の歌声が遥か宇宙の彼方まで轟くばかり。
聴きながらも、全宇宙と合体したような、パワーみなぎる充実感を感じ、思わず知らず拳を硬く握り締め、決意も新たに勇猛果敢に一歩を踏み出そうとする雄々しい自分が、今そこにいることにきっと気付くはず。
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