やっぱりクルセイダーズは、根っからのクルセイダーズでした。
この処女アルバム「FREEDOM SOUND」をはじめて聴いた感慨がそうでした。闘魂もファンクもパワーも最初からそのまんま、ウエイン・ヘンダーソンも、ウィルトン・フェルダーも、スティックス・フーパーも、ジョー・サンプルも、やっぱりそのまんまでした。紛れもなくこれは闘魂クルセイダーズ・スタイル。
「THEE GEEK」は「ミッション・インポッシブル」のお馴染みファーストシーンを想起させます。導火線に火を点すマッチの炎のように、ファンキーなフレーズの繰り返しが、ハートに繋がれた導火線に点火。熱き火花が血管を走ります。不可能な指令を受けたクルセイダーズの面々の熱きソロが導火線の炎をあおるように繰り広げられる「闘魂大作戦」。炎は徐々にハートのコアに近づいていきます。
「M.J.S.FUNK」、ダンディーな音作り、のっけから囃す2管編成の妙。実にカッコ良い。
「Freedom Sound」は静かに闘魂を肉体に注入します。ジョー・サンプルの繊細なクリスタルキータッチの面目躍如。スティックス・フーパーの軽やかなスティックさばき。このちょいと和風っぽい、背中に彫られた「鯉の滝登り」のタトーのようにイナセなプレイが、次々と叩き込まれるボディーブローのようにハートに肉体にと効いてきますヨ。
「Theme From Exodus」も好きなナンバー。アンモナイトの螺旋の形状を彷彿とさせるマッタリとしたトロンボーンのうねりも、既にこのころから健在だったんだなと確信させられるバラッドで、ウィルトン・フェルダーのむせびなくようなサックスの斬り込みかたもグッド。
やっぱりクルセイダーズは、はじめから闘魂クルセイダーズでした。この時「闘魂大作戦」のマッチ
が、確かに擦られたのでした。だから今、クルセイダーズ!
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