今回のアルバム、学生の頃読んだ筒井康隆氏の一連のドタバタ小説を髣髴とさせるほどに、なんとも支離滅裂なオカシサに彩られた怪作。全身クルセイダーズのSTIX HOOPERが「おひかえなすって」と力み勇んで仁義をきっている印象。これもFIRST ALBUMの所以か。
「BRAZOS RIVER BREAKDOUWN」だけが唯一クルセイダーズ的なアグレッシブさを感じる曲で、「AFRICAN SPIRIT」は曲名そのままの雰囲気。「CORDON BLEU」は、何だかおっとりした気分になる漫画「サザエさん」的風情。
極めつけは「JASMINE BREEZE」。これはもう偉大なるアナクロニズム。チャンバラ・トリオの漫才か、はたまたサムペッキンパーの「キラーエリート」か。余談ですが、公開当時、大方の評論家の不評を買ったこの映画、なんのなんの、マンハッタンでのスパイと忍者の大立ち回りと、考えるだに噴き出してしまうほどのドタバタ喜劇の傑作でしたヨ。
和洋折衷でいこうとすると、作った当事者の狙ったものとは似て非なる、まるで時代劇とスパイアクションとがごちゃまぜになったような、アンバランスでドタバタ喜劇的な可笑しさを醸し出すモノができあがってしまうという格好の見本なのかもしれませんネ。勿論これは否定的な意味で言っているのでは毛頭なく、ここまでやるんであれば、むしろチョンマゲでやってもらいたいと思ったほど。
まァ、今回はチョンマゲ・ファンクとでもいったところでしょうか。
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