スコールの去ったあとの涼風の清々しさを覚える「RAINBOW SEEKER」。
雨雫が色とりどりの無数のビー玉となって、鍵盤の上を転がっていくような幻想に一瞬捕らわれるほどにリリカル。
「IN ALL MY WILDEST DREAMS」が流れるとロシェフールの雨傘は閉じられ、濡れた歩道を恋人たちがそぞろ歩きます。
のっけから涼風の心地よさをスコブル感じるこのアルバムは、ドラマティックに全てが「MELODIES OF LOVE」に向かって収斂されていきます。この一曲の炎を煽るための涼風、全ては「MELODIES OF LOVE」に尽きます。
心の中にしんしんと降り積もる思い出の雪化粧。
「アイツ、今ごろ何処でどうしているんだろう」。
蝋燭の先に揺れる小さな灯火は少しずつ炎(ほむら)を増し、次第にめらめらと胸を焦がすまでにせつなく、やるせなく
燃え盛り、炎はやがて限りなく熱い烈火となって「再生への勇気」を奮い立たせてくれるでしょう。
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