ただただクルセイダーズでの演奏で刻むファンキーなリズムだけが筋肉の記憶に焼きついて離れないSTIX HOOPERは、やはりクルセイダーズとしてプレイするときに限ってその独特の持ち味をフルに発揮し得たドラマーだと、独りかたくなに信じつつも、偏愛のよしみで購入しました今回のアルバム。
まずは好感の持てる格闘系の「I HEARD IT THROUGH THE GRAPEVINE」、ラブリーな
「YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW」と続き、後半3曲、いよいよ
「GREASY SPOON」でその剛椀振りを発揮したSTIX HOOPER自身による作曲のリニューアル・メドレー。
「LAY IT ON THE LINE」では、STIX HOOPER独特の、
あの囃したてるような、いやがうえにも心音を高めるワイルドなタッチ。
「I FELT LOVE」は、意外にもHOOPER自身のヴォーカルによる恋語りで、ドラマーだけではもったいないと思わせるほどセクシーで魅力的。この曲は、これまでにも'70年代の「CHAIN REACTION」、wayne hendersonが脱退した後の「FREE AS THE WIND」に収録してあり、聴き比べれば、三様の彩りが味わえ、それはさながら「色の3原色」のように、クルセイダーズの面々のカラーの交じり合い方でいかようにも曲が変色するという見事な証とさえなっています。
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