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題友人雲母障子 | |
盛唐・王維 |
君家雲母障,
持向野庭開。
自有山泉入,
非因彩畫來。
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友人の雲母 の障子 に題す
君の家の雲母 障 ,
持 して 野庭に向かって開く。
自 のづから山泉 の入 る有り,
彩畫 に因 って來 るに非ず。
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◎ 私感註釈
※王維:盛唐の詩人。701年(長安元年)?〜761年(上元二年)。字は摩詰。太原祁県(現・山西省祁県東南)の人。進士となり、右拾遺…尚書右丞等を歴任。晩年は仏教に傾倒した。
※題友人雲母障子:友人の雲母のついたてを詩題にして詩を作る。 *この詩、作者が十五歳の時のものと云う。 ・題-:…を詩題にして詩を作る。 ・雲母:うんも。鉱物で、六角板状の結晶。薄くはがれ、光沢がある。きらら。また、雪や氷のように半透明で美しいさま。張泌の『楊柳枝』に「膩粉瓊妝透碧紗,雪休誇。金鳳掻頭墮鬢斜,髮交加。 倚著雲屏新睡覺,思夢笑。紅腮隱出枕函花,有些些。」とある。 ・障子:ついたて。屏風(びょうぶ)。「雲母障子」は、雪や氷のように半透明で美しいついたて、の意か。
※君家雲母障:あなたの家の雲母の衝立(ついたて)(を)。
※持向野庭開:殿堂の前に広がっている庭に向かって、開いた。 ・持:手で持って。 「時」ともする。 ・野庭:殿堂の前に広がっている庭。
※自有山泉入:自然と山から湧き出した泉の流れが(雲母が透き通っているために、映り)込んだ。 ・自:自然と。おのずから。 ・山泉:山から湧き出した泉の流れ。
※非因彩画来:(ついたてには)画を描いていたわけでもなかったのに。 ・因:…による。…に起因する。「因」を「関」ともする。 ・彩画:色彩を施す。また、色彩を施した絵。ここは、前者の意。 ・来:…てくる。…てきた。
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◎ 構成について
韻式は、「AA」。韻脚は「開來」で、平水韻上平十灰。この作品の平仄は、次の通り。
○○○●●,
○●●○○。(韻)
●●○○●,
○○●●○。(韻)
2019.11.23 11.25 11.26 |
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