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2004年 アカデミー賞ノミネーション

結果も

話を聞いた時期:2004年2月

結果が発表されましたのでコメントと、赤いマークをつけておきました。

2004年 ゴールデン・グローブが決定したと思ったら、第76回オスカーのノミネーションが発表されました。主だった部分を。

作品

監督

昨年ノミネートされそこなったシティ・オブ・ゴッドが今年挙がったのは驚き。力強い作品な ので、何かの形で敬意を表さざるを得ないとの判断なのでしょうか。しかし今年度は敬意を表さないと行けない作品が重なりましたねえ。監督賞と作品賞で上手 に配分するか、あるいは今年はジャクソンと決めてあるのか、その辺が分からないところが楽しい。
監督が映画制作の現場を仕切る仕事をする人だという事を考えると、ノミネートされたどの作品もいいですが、ジャクソンの仕事が1番重労働だっただろうと思えます。BBC でも「他の3部作は回が進むにつれ観客を失望させたのに、ジャクソンの作品はそういう事がなかった」と評価。あげて当然というのが世間の意見のようです。

主演男優

ミスティック・リバーを見た映画通の友達が「良かった」と誉めていました。21 g を見た私は、ペンとデル・トロがナオミ・ワッツを引き立たせるためにやや押さえ気味にやっていたと感じています。ですからペンに賞をあげるとすれば、ミスティック・リバーが順当なセンではないかと思います。ジョニー・デップが挙がっているのはご愛嬌。デップにあげるとすればティム・バートンの作品でないと行けません。私個人としては最近これまで持っていた悪い印象がさらっと消えてしまったビル・マーレイにあげたいところ。
ミスティック・リバーを見てしまった今、考え込んでしまいました。ペンはそれほど良くなかったのです。ですが、ペンをはずした場合、パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たちの主演はあまり演技というストーリーではありませんでしたし、誰にあげたらいいか分からなくなってしまいます。ビル・マーレイがジャック・レモンの境地に達したのですが、オスカーはあまりこういうタイプの演技には行かないですし、作品が地味過ぎたかとも思います。最初からペンに決まっていたのかとかんぐってしまいます。

主演女優

セロンは楽しいミニミニ大作戦の方だけしか見ておらず、最近は本格的な演技の方はまだ見ていません。モートンはおもしろい女優さんだと思いますが、イン・アメリカ 三つの小さな願いごとで あげるのはちょっと賛成できない。夫婦の役をやった俳優は両方とも良かったですが、どうも今一つオスカーという感じではありませんでした。ナオミ・ワッツは頑張 る気はあるみたいですが、まだ演技はちょっと。キッドマンの後を追うのは良いけれど、コピーは止めた方がいいです。個性が全然違う。
見ていない作品が3つあるのできちんとした意見は言えませんが、サマンサ・モートンにはいずれ日を改めて、彼女の良さがパーっと出るような作品で賞を取ってもらいたいです。ナオミ・ワッツはこの作品ではだめ。ダイアン・キートンの作品の予告を2種類見たのですが、これはおもしろそうでした。誰の功績かは見ていないので分からないのですが、明るく、楽しそうで、会話がふざけています。キアヌ・リーヴスも変な黒いコートは脱いで、白い服を着ています。脚本がいいから良さそうに見えるのか、ベテランと若手のコンビがいいのか、とにかく見てみようと思わせる予告でした。

助演男優

やはり ザ・クーラー でアレック・ボールドウィンにあげたい。濃い男と言われているようですが、ザ・クーラー の演技は外見でなく中身が濃かった。でもきっとまだ見ていないティム・ロビンスがもっと 頑張っちゃったんだろうな。彼については誉める話しか聞こえて来ない。ジャイモン・フンスーは演技するほど出番がありませんでした。しかし存在感のある人です。
渡辺謙は最初からオスカーは参加することに意義があるのだとのオリンピック路線だったので、受賞は無いと思っていました。参加賞がバットマンの悪役なのでしたら、損得勘定で赤字になっていないからいいでしょう。ジャイモン・フンスーも似たような感じ。顔見せるだけでオスカーにノミネーションというのは、受賞者を引き立たせるためのお膳立てでしょう。残りの3人は実力から言ってオスカーを争っていい人たちですが、ノミネートされた作品で評価となると、デル・トロは共演者を立てている分1%ほど気合が弱い。逆に主演を食ったボールドウィンは気合が1%ほど多めに入っていました。ザ・クーラーがおもしろいのは、普段主演をやるボールドウィンを脇役にして、普段脇役で主演を食うメーシーを主演に置いた点。ノミネーションのおかげでドイツでは公開が決まり、今町中にポスターが出ています。良かった。ティム・ロビンスは自分の仕事をやったという意味では手抜き無し。悲劇の男には注目が集まりますが、そういうボーナスを抜きにしてもちゃんとした仕事をやっています。ただ盛り上りに欠きます。

助演女優

後記: 最近これほどたくさん仕事をしたのにオスカーを逃しているゼルウィガーにはそろそろあげなければ行けないという世論ができていました。ですから彼女に行ったのは当然という雰囲気です。私はここにノミネートされている作品は1つしか見ていないので、コールド・マウンテン のゼルウィガーの演技がどうかは分かりません。その唯一の見た作品では、 ペン、ロビンス、ベーコン、リニーなど演技派など全員を抜いてマーシャ・ゲイ・ハーデンの演技が際立っていました。今年はややデキレース的で、ゼルウィガーに決まっていたのでハーデンは受賞を逃したのでしょうが、キッドマンも2年連続ノミネートで2回目受賞。ですから、ハーデンにいずれ順番が回って来ても私は驚きません。

脚本

後記: 受賞したのはロスト・イン・トランスレーションです。他の場所にも書きましたが、この作品、監督賞や作品賞をあげられない場合、カメラであげるべきでした。東京の町をとてもきれいに撮っています。

脚色

ここでも接戦になっています。ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還は原作を読んだファンからほとんどクレームがついていないということを考えると、あげる価値があるようですし、シービスケットもなかなかの感動作に仕上がっていました。あれは月並みな話を上手に脚色したからうまく行ったのでしょう。シティ・オブ・ゴッドはいわばブラジル・シビア版パルプ・フィクション。タランティーノが冗談のきついフィクションを書いたのに対し、こちらは現実の重みずっしりの実話。しかしそこへパルプ・フィクションの手法を持ち込むというユーモアのセンスに敬意を表します。
ミスティック・リバーはまだ原作を読んでいないので何とも言えません。何かオスカーをあげるとすれば、町の様子を上手に出していた点を評価。

長編アニメ

短編アニメ

後記: 短編は見る機会が少ないのですが、候補作の中から2本見る機会がありました。Destino はファンタに出ていました。どんぐりとスクラットは私のお気に入りのアニメです。

外国語映画

日本、どこまで行くか。強敵はカナダ。

撮影

ここにロスト・イン・トランスレーションが入らなかったというのが惜しい。

美術

衣裳

ディクソンはダブル・ノミネートです。

音響

編集

音響編集

視覚効果

メイクアップ

音楽(オリジナル・ソング)

音楽(作曲)

短篇

ドキュメンタリー(短篇)

ドキュメンタリー

功労賞、科学技術賞、特別賞

ゴードン・E・ソーヤー賞

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