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■そもそも結露とは何でしょう |
空気中には水蒸気という状態で水分が含まれています。(これを湿気といいます)
この水蒸気の空気中に含まれる量は気温によって異なります。暖かい空気ほど多くの水蒸気を含むことができ、反対に冷えた空気は少しの水蒸気しか含むことができません。
そのときの気温によって最大限含むことのできる水蒸気の量を飽和水蒸気量といいます。
たとえば気温0度の時の飽和水蒸気量は約5g/立米で、気温30度のときは約30g/立米です。
冬、室内の空気は暖房によって暖められています。仮に室温30度と仮定します。一方、外部は寒く氷点下とします。
このとき外部と内部を遮蔽している窓ガラスには断熱効果はほとんどありませんから、ガラスの表面温度を0度と仮定します。
室内の温められた30度の空気がこの冷えた窓ガラス0度に接すると急に冷えた空気中に含みきれなくなった25g/立米の量の水蒸気が水滴となって窓ガラスに付着します。これが結露です。
夏のビールを入れたグラスの表面につく水滴もこの結露です。
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■表面結露の解決法 |
この時期、窓ガラスがびっしょりぬれて悩みの種なのが表面結露といい上記のようなシステムで発生します。
このような結露は部屋の壁や天井などの隅角部にも見られます。
この表面結露の防止には結露部位の断熱構造化が一番です。要するに室内側に冷えた外気の温度を伝えないことです。
そのためには開口部においては外気と室内を遮蔽する窓ガラスを1枚から2枚にするペアガラスに替える方法があります。ガラスにはほとんど断熱効果がありませんが、それを2枚にすることでガラス間に層を作りそこで断熱をするのです。これで窓ガラスの結露はほとんど改善されます。
ただ、これだけではガラス面においての結露については効果的ですが、その周りのアルミ材はやはり結露をしてしまいます。
アルミ材は非常に熱を伝えやすいので外気の冷気をすぐ室内に伝えてしまうためです。
この熱が伝わることを熱伝導といい、この熱の伝わりやすさを熱伝導率といいます。(単位はkcal/m・h・℃)
この数値は小さいほど熱が伝わりにくいのです。ちなみにアルミでは180、ガラスでは0.68、木材では0.1程度です。断熱材であるグラスウールでは約0.03程度です。(一般に重い材料ほど熱が伝わりにくいです)
最近はペアガラスのサッシにもアルミ部分が熱を伝えにくいよう、絶縁加工や断熱加工のしてある製品も出ていますのでそれらを利用すると良いでしょう。
ただ既存のサッシをこれらペアガラスの製品に替えるとなると外壁や内壁の補修が伴いますので付帯工事が伴い割高になってしまいます。いちばん簡単なのは既存のサッシの内側に樹脂製のインナーサッシ(内付けサッシ)をつけて2重サッシ構造にすることです。これですと断熱、結露対策のほか防音対策にもかなり効果があります。費用的にも上記のペアガラスに交換する方法の約半額程度ですむと思います。
以上のように結露には建物の断熱という問題が非常に重要になってきます。
次回はこわーい壁体内での内部結露や断熱について断熱のお話です。
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