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■断熱とは何でしょう |
熱を伝えることを伝熱といいます。伝熱には1.伝導 2.対流 3.輻射 の3要素があります。断熱とはこれら3つの要素を止めることです。
1の伝導とは物体そのものが熱を伝えることを言います。これは物体の分子間を熱が移動するため分子がたくさんある物体ほど熱が伝わりやすいのです。一般に重いものといえるでしょう。そのため熱を伝えなくするための断熱材は軽く、分子量を少なくする必要があります。
2の対流とは空気の移動によって熱が伝わることです。壁体内が空洞で空気が入っているとすると冬、外気によって冷えた外壁側の空気は下降し、室内側に面する空気は暖められ上昇します。そこで壁体内で対流がおき熱が伝わってしまいます。
そのため壁体内に断熱材を充填し断熱しますが、断熱材そのものにも空気が含まれていますので断熱材の中で対流が起きて伝熱してしまいます。
そこで断熱材は繊維が細かく内部空気の動きにくいものが良いのです。
3の輻射とは熱は高いほうから低いほうへ移動することです。冬、窓の近くにいますと寒く感じるのは高い体の体温が低い窓ガラスの表面温度のほうへどんどん移動するからです。窓ガラス自体はほとんど断熱効果はありませんので前回お話したようにペアガラスや2重サッシにすることによって内部に断熱の役目をする空気層を入れることが有効です。ただし上記の話でおわかりのように内部の空気層を広く取ってしまうと中の空気に対流が起き伝熱してしまいますから注意してください。
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■内部結露について |
通常木造住宅では柱と柱の間にグラスウールやロックウールと呼ばれる断熱材を充填します。これら繊維系の断熱材は空気中に含まれている水蒸気を通してしまいます。(水蒸気の大きさは水滴の約200万分の1です)
冬、外気が0度、湿度50%ですと空気中にふくまてれいる水蒸気量は約2.5g/立米です。一方室内側が温度23度、湿度60%としますと約12g/立米の水蒸気が空気中に含まれています。この水蒸気は圧力差によって高いほうから低いほうへ移動するのです。(この場合室内側から屋外側に移動する)。水蒸気を通してしまう断熱材では壁体内で水蒸気の移動が起きてしまいます。
すると外壁側に近い冷えた空気を含む断熱材の部位では移動した水蒸気の一部が結露となって壁体内をぬらしてしまうのです。これが内部結露と呼ばれるものです・
この症状が進みますと、たくさんの水分を含んだ断熱材は重みで下に下がってしまいます。ぬれた断熱材は土台、柱等も腐食させてしまいます。
このため断熱材の室内側には水蒸気を通さないように薄紙が張ってあります。この薄紙が断熱材の要です。
断熱材の施工は意外と現場では誤った方法を見かけますので要注意です
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