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−照明について−

■ ランプの種類

光源であるランプは白熱ランプと蛍光ランプに分けられます。
白熱ランプは一般にオレンジ色の明かりで、温かみがあり、落ち着いた雰囲気のくつろぎ感を演出します。また陰影がはっきりとし、ツヤや立体感の表現に優れています。さらに、料理をおいしく見せる効果もあり食卓を照らす明かりとして最適です。スイッチを入れるとすぐに点灯するためトイレや階段、廊下などの点滅が頻繁に行われる場所に向いています。

一方、蛍光ランプは白熱ランプに比べ寿命は長く、電気代も安いのですがスイッチを入れてから点灯までにやや時間がかかります。明かりの色は青白い昼白色と赤みを帯びた電球色とがあります。また、白熱ランプと違いフラットな拡散光が得られるため影ができにくくまぶしさもあまり感じません。
この特性の違いを理解し、使う場所ごとに照明器具を選ぶとよいでしょう。


ランプの種類 白熱ランプ 蛍光ランプ
普通球、クリプトン球、レフ球ダイクロイックハロゲン球 直菅、丸型、電球型
昼白色 電球色
光の色 赤味 青白い 赤味
演出性 温かみがあり、落ち着いた感じ
コンストラストがはっきりとする
爽やかで活動的
影ができにくい
温かみがあり、落ち着いた感じ
影ができにくい
電気代 高い 安い 安い
寿 命 短い 長い 長い
発熱量 多い 少ない 少ない
最適な使用場所 トイレ、階段、廊下
食卓、エクステリアなど
勉強部屋、仕事部屋台所、居間など 寝室、居間、和室など


■ あかり用語
照 度 照らされる面の明るさ。単位はルクス(lx)
光 束 光源から放たれる光の量。単位はルーメン(lm)
光 度 光の強さ。単位はカンデラ(cd)
輝 度 ある方向から見た光源の明るさ。cd/u
グレア 光源の光が目に入り、まぶしく感じる現象のこと。
色温度 赤味を帯びた光は温度が低く、色温度が高くなるにしたがって青白くなっていく。単位はケルビン(k)
シーリング 天井直付けの照明のこと
自動点滅器 周囲が暗くなると自動的に点灯し、周囲が明るくなると自動的に消灯するセンサーのこと
引掛けシーリング 天井に照明器具が取り付けられるように付けた口金のこと。丸型と角型がある。
ブラケット 壁付け照明のこと
ダウンライト 天井埋め込み照明のこと。主に補助照明に使います。
人感センサー 人が近づくと自動的に点灯し、離れると消灯するセンサー。防犯対策にも効果があります。
ペンダント 天井からコードやチェーンなどで吊り下げるタイプの照明。吹き抜けなどによく使います。
消費電力 消費する電力量で単位はワット(W)であらわします。
同じランプであれば消費電力の高いほうが明るいですが、蛍光灯と白熱ランプでは同じ消費電力でも蛍光灯のほうが3〜5倍も明るいです。
インバーター 交流周波数を高める機能。蛍光灯のちらつきを押さえ電気を効率よく光に替えるため同じ消費電力でも明るさがアップします


■ 部屋別の適切な照度

読書や仕事をする部屋の明るさと、くつろぐための部屋の明るさは当然違いますし、またご高齢の方のお住まいになる部屋の明るさも、若年層の方がお住まいになる部屋の明るさよりも上げなければなりません。一般に60歳以上の方がお住まいになる部屋の必要照度は20歳の方の必要照度の1.5倍〜2倍以上といわれています。

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■ 色温度(ケルビン)

人間は太陽が昇ると活動し、日が沈むと休息をとるという生活リズムがあります。
太陽をイメージするような色温度の高い、青白い明かりは人を活動的にし、逆に夕刻を思わせるようなオレンジ色の明かりは心身をリラックスさせる働きがあります。
作業や勉強に適した空間を作るには蛍光灯の昼光色で色温度の高い光を演出し、くつろぎの空間を作るには白熱ランプや蛍光灯の電球色などで色温度の低い空間を演出するとよいでしょう。



■ 明るさと快適性

蛍光ランプの昼光色のように明るく青白い明かりは気分を爽やかにしてくれますが、同じように青白い明かりでも照度が低いと陰気で寒々しい感じがします。一方、白熱ランプのように色温度の低く赤っぽい明かりは照度が低いと穏やかでリッラクスできる雰囲気になりますが照度が高すぎると暑苦しく不快感を感じます。このような光の心理効果をクルーゾフ効果といいます。



■ 部屋ごとのおすすめ照明

外玄関

外玄関には人が近づくと自動的に点灯する人感センサー付が便利です。暗く、死角になりがちな場所に設置することで防犯対策にもなります。

内玄関

上がり框の上部に設置することで来客の応対や宅配便の受け取り時などにも、お互いに影を作らず便利です。吹き抜けがある場合には、多灯ペンダントなどを使うとダイナミックな空間が演出できます。最近はランプの交換のために電動昇降機能のついたものも出ています。

階段

ランプの交換な容易な器具を選ぶことが重要です。ブラケット照明やペンダントでしたら昇降機能つきがよいでしょう。また取り付け位置は上階から見下ろしたときに光源が目に入いりまぶしくない位置に取り付けることが重要です。
階段の上り口、降り口の足元に足元等を付けると踏み面に影を作らず安全です。

トイレ・洗面所

スイッチを入れてすぐにつく白熱ランプやインバーター機能ついた蛍光ランプがお勧めです。洗面化粧台の鏡の上部につける照明は白熱ランプですと顔に陰影ができやすいので取付位置に注意してください。

浴室

防湿機能付の器具を使います。ガラスグローブの場合、ランプ交換時に十分な注意が必要です。また取付位置は洗い場に座り、手元に影を作らない位置に設置します。

キッチン

主照明は直菅蛍光ランプなどを使い部屋全体を均一な明るさにし、流し台の作業スペースの上部に手元灯などの補助照明をつけるとよいでしょう。
また天井灯は吊戸棚の扉の開閉に支障ない位置につけるようにします。どうしてもあたってしまう場合には埋め込み照明を使うとよいです。

ダイニング

食卓の上にペンダントを付けることで部屋に中心感を与えます。適宜、ダウンライトなどで照度を調整するとよいでしょう。白熱ランプを使うと食べ物がおいしく見える効果があります。

リビング

皆が集まりくつろぎの空間となるような演出が重要です。
暖かな雰囲気を作るには白熱ランプ、軽快でスタイリッシュな雰囲気を作るには蛍光ランプがお勧めです。適宜、ブラケットやウォールウォッシャータイプのダウンライトなどを使うことで空間にメリハリがつきます。

子供部屋

部屋を均一に照らすために、明るいシーリングライトがお勧めです。インバーター器具ならばチラツキが少なく目が疲れません。勉強机には手元に影ができない位置にスタンドを配します。陰影のできにくい蛍光ランプがよいでしょう。

寝室

一日の疲れを癒すくつろぎの空間となる演出が重要です。白熱ランプを使いリラックスできる空間を作ります。一般の部屋に比べ照度は低くてもかまいません。むしろ横になったときに光源が直接目に入らないようにする配慮が必要です。枕元にすぐにつく手元灯や足元に常夜灯などがあると便利です。



照明計画は建築計画と非常に密接な関係にあります。取付する器具の位置に電気配線の取り出しはもちろん、下地補強や開口補強などが必要になる場合がありますので施工サイドと念密な打ち合わせが必要です。昨今、どこのメーカーさんでも照明提案プランを無料で出していただけるのでそれらを参考にするとよいでしょう。






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