詩詞世界　碇豊長の詩詞　来信１石観海先生

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　次に紹介いたしますのは、石観海先生の漢訳和歌です。地の文の量は、ページに合わせて調節しました。もし、そのための不十分さがあれば、申し訳御座いません。
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北上河

婀娜舞東風
岸邊楊柳又泛靑
有情復無情
北上淸流波細細
依稀聽得斷腸聲

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　和歌をどいう風に漢訳するのかは、やはり論議しなければならない問題でしょう。漢訳和歌というものは、誰に見せるのかということが問題の要になります。管見では、日本語の全くわからない中国人たちこそ、漢訳和歌の第一の読者群になるはずです。そうだとすると、彼らが読んで、意味がわかるだけではなくて、和歌というものの外部格式の特徴もわかるようにしていきたいものです。ですから、五七五七七という格式で漢訳すれば、もっと好いのではないかと思っております。
　例えば、石川啄木さんの《北上河》を五七五七七という格式で上記のように漢訳すれば、中国人の読者は読んで、和歌の外部形式特徴も直感的に把握できることでしょう。
　　

２０００．７．１５着信