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漢詩   龍興寺弔少陵先生寓居
            

            
        南宋 陸游

中原草草失承平,
戍火胡塵到兩京。
扈蹕老臣身萬里,
天寒來此聽江聲。



    **********************

      龍興寺に 少陵先生の寓居に 弔ふ
           

中原 草草として  承平を 失ひ,
戍火 胡塵  兩京に 到る。
扈蹕の老臣  身 萬里,
天 寒きとき  此こに來りて  江聲を 聽く。


             ******************

私感訳注:

『宋三大家絶句』より
※龍興寺弔少陵先生寓居:龍興寺近くの杜甫の寓居跡を訪れた後、杜甫が遭遇した唐の安禄山の乱のことを思い耽けり、哀悼の念を捧げた。この作品は、杜甫と安禄山の乱を詠いながら、暗に作者・陸游と靖康之変をも詠っている。これは、陸游が淳熙五年(1178年)に孝宗に召還されて、成都から長江を下ってきて、忠州に到った時のものになる。 ・龍興寺:唐の忠州(現・四川省忠県。成都の東方400キロメートル)の北方20キロメートルのところにある。 ・弔:歴史上の遺蹟に立って、過去を感慨深く回想する。弔古のこと。必ずしも死者をとむらい祀るような儀式をするとは限らない。 ・少陵先生:杜甫のこと。少陵は、杜甫の号で、少陵野老という。また、その詩集は『杜少陵集』という。杜甫が嘗て住んでいた長安の西南にある少陵の故地名からとった号。 ・寓居:仮住まい。仮寓。杜甫は、唐代宗永泰元年(765年)初夏に成都を離れて、秋に忠州に到って龍興寺に二ヶ月に亘って住んだことがある。杜甫に『題忠州龍興寺所居院壁』「忠州三峽内,井邑聚雲根。小市常爭米,孤城早閉門。空看過客涙,莫覓主人恩。淹泊仍愁虎,深居ョ獨園。」と、この折の作品がある。なお、陸游の原注には「以少陵詩考之,蓋以秋冬闍此州也。寺門聞江聲甚壯。」とある。

※中原草草失承平:中原一帯は(敵軍の勢威の前に、陥落して)にわかにあわただしく、平和な状態が失われた。 ・中原:漢民族の故地。黄河流域下流一帯を指す ・草草:にわかで、叮嚀でないありさま。乱雑に。そそくさと。あわただしく。・失:うしなう。「艸艸」ともする。同義。 ・承平:代々、平和な世が続くこと。太平。

※戍火胡塵到兩京:戦火と異民族の軍馬の侵攻は、二つの都(洛陽、長安。また、開封府、河南府)に迫り。 ・戍火:烽火。のろし火。古代、辺疆の異状を知らせるためのもの。また、戦火をいう。 ・戍:辺境の城堡。とりで。 ・胡塵:異民族の軍馬が侵攻してきた時にあげる砂煙。安禄山の乱を起こした安禄山は、西域の異民族出身である。ここでは、安氏の軍兵、叛乱軍のこと。 ・到:…に来る。到る。唐の玄宗皇帝の天寶十四年(757年)に、安禄山の叛乱軍は、先ず洛陽を攻略し、翌年に長安を陥としたことを指す。陸游の宋代でいえば、靖康之変になる。 ・兩京:唐代の二つの都である長安と洛陽。西京である長安と東京である洛陽。陸游の宋代でいえば、開封府と河南府になる。

※扈蹕老臣身萬里:天子の近侍であった杜甫も、身は万里の彼方にあって(流離っている)。 ・扈蹕:〔こひつ;hu4bi4〕天子の行幸の際、鳳輦に従って通路の警衛のため、行人を止める役職。天子の行幸に従う近侍。 ・老臣:杜甫のことをいう。ここ龍興寺の寓居に杜甫がいた時は五十四歳で、陸游がここを訪れたこの時、偶然にも五十四歳になっていた。 ・身萬里:杜甫は忠州にいて、長安から遥かに離れてこの地にいるところにいることをいう。

※天寒來此聽江聲:(おそらく)気候が寒い(秋から冬にかけての)時期に、ここ(忠州の龍興寺)に来て、長江の波の音を聴いた(ことだろう)。 ・天寒:気候が寒い(秋から冬にかけての)時期に。 ・來此:ここに来て。ここ、忠州の龍興寺に来て。 ・聽江聲:長江の波の音を聴いた(ことだろう)。原注の「以少陵詩考之,蓋以秋冬闍此州也。寺門
聞江聲甚壯。」に符合する部分である。





◎ 構成について

韻式は「AAA」。韻脚は「平京聲」で、平水韻部下平八庚。次の平仄はこの作品のもの。

    ○○●●●○○,(韻)
    ●●○○●●○。
(韻)
    ●●●○○●●,
    ○○○●○○○。
(韻)


2004.1.3完
2009.4.4版




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