遊石澗寺 | |
盛唐〜・朱放 |
聞道幽深石澗寺,
不逢流水亦難知。
莫道山僧無伴侶,
獼猴長在古松枝。
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石澗寺 に遊ぶ
聞 く道 く幽深 なる石澗寺 ,
流水 に逢 はざれば亦 た知り難 しと。
道 ふ莫 かれ 山僧伴侶 無しと,
獼猴 長 へに在り 古き松の枝に。
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◎ 私感註釈
※朱放:盛唐〜の詩人。字は長通。襄州の人。江西節度參謀となる。後、貞元の初めに、拾遺に召されたが就かなかった。越の剡溪に隠棲する。
※遊石澗寺:石澗寺(せきかんじ/せきけんじ)に出かけて。 ・遊:野山などへ気ままに出かける。 ・石澗寺:〔せきかんじ/せっかんじ/せっけんじ;Shi2jian4si4●●●〕:作者が隠棲した地域の近くにあるのか。詩の内容から考えると、谷川の奥にあり、寺域はせせらぎに接してあり、人がそこに至るには、先ずせせらぎを見つけ、それを遡上するのが上策、と言われるようなところにある。
※聞道幽深石澗寺:聞くところによると、石澗寺(せきかんじ/せきけんじ)は、静かで奥深いそうで。 ・聞道:きくならく。聞くところによると。 ・幽深:〔いうしん;you1shen1○○〕静かで奥深い。
※不逢流水亦難知:流水に出くわさないとやはり、わかりにくいものだ、と。 ・逢:でくわす。 ・亦-:やはり。また。…もまた。ここは、前者の意。 ・難知:わかりにくい。目的地である「石澗寺」の「澗」(たにがわ)なのに水の流れにも出くわさないため。この語での「難」は○。
※莫道山僧無伴侶:言いなさるな、「山僧はお連れが居ない」と。 ・莫道:言うなかれ。言いなさるな。禁止の表現。 ・莫:禁止の助字。 ・道:言う。 ・無伴侶:おつれがいない。
※獼猴長在古松枝:お猿が、(お寺の)古い松の枝に棲(す)みついているではないか。 ・獼猴:〔びこう;mi2hou2○○〕サル。 ・長在:ずっといる。
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◎ 構成について
この作品の平仄は、次の通り。韻式は、「AA」。韻脚は「知枝」で、平水韻上平四支。この作品の平仄は、次の通り。
○●○○●●●,
●○○●●○○。(韻)
●●○○○●●,
○○○●●○○。(韻)。
2021.8. 9 8.10 |
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