huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye
康衢謡 康衢童謡



                     
悲愁歌
          

                         
         烏孫公主 劉細君

吾家嫁我兮天一方,
遠託異國兮烏孫王。
穹盧爲室兮氈爲牆,
以肉爲食兮酪爲漿。
居常土思兮心内傷,
願爲黄鵠兮歸故鄕。


    **********************
        悲愁歌
   
吾が家 我を嫁がす  天の一方,
遠く 異國に 託す  烏孫王。
穹盧を 室と爲して  氈を 牆と爲し,
肉を以て 食と爲して  酪を 漿と爲す。
居常 土
(くに)を思ひ  心 内に傷(いた)め,
願はくは 黄鵠と爲りて  故鄕に歸らん。

             ******************

◎ 私感訳註:


※劉細君烏孫公主:烏孫公主とは、漢の武帝の時、西域の伊犂地方に住んでいたトルコ系の民族の国家・烏孫国に嫁した漢の皇室の女性で、名は(劉)細君という。江都王・劉建の
娘で、武帝の従孫になる。塞外の民族や部族、諸侯との和親を図るための政略結婚の当事者。なお、王昭君が匈奴に嫁いだのは、この劉細君の婚姻の七十余年後になる。ともに漢王朝の対西域政策と軍略を物語るものである。 ・公主:天子の娘。皇女。現代語で、『白雪姫』を“白雪公主”というようなもの。蛇足になるが、『シンデレラ姫』は“灰姑娘”となり、原題に基づいたものになっている。

※吾家嫁我兮天一方:わたしの家(漢王室)は、わたしを(西域の国に)嫁がそうとしている、(そこは)天の彼方の地の果てだ。 ・吾家:わたしの家は。漢家は。劉家は。 ・嫁我:わたしをとつがす。 *この句には「吾」「我」と似たものが続く。前者は基本的に主格(わたしは、…)、後者は主として目的格(わたしに…。わたしを…)の場で使われる。蛇足だが、現代語では“我”のみになる。また「家」「嫁」もその義は日本語の訓読みに同じだが、「単語家族」の考え方に立つと、根では繋がっているとも考えられる。 ・兮:上古の詩によく見られる、リズムをとり、語調を整える辞(ことば)。 ・天一方:空の片一方。彼の地の果て。前漢・蘇子卿(蘇武)の『詩四首 其四』に「燭燭晨明月,馥馥秋蘭芳。芳馨良夜發,隨風聞我堂。徴夫懷遠路,遊子戀故鄕。寒冬十二月,晨起踐嚴霜。俯觀江漢流,仰視浮雲翔。良友遠別離,各在
天一方。山海隔中州,相去悠且長。嘉會難再遇,歡樂殊未央。願君崇令德,隨時愛景光。」とあり、『古詩十九首之一・行行重行行』に「行行重行行,與君生別離。相去萬餘里,各在天一涯。」とある。

※遠託異國兮烏孫王:遠く異民族の国である烏孫の王の許へ嫁ぎゆかせる。 ・遠託:遠くとつぐ。 ・託:憑る。寄せる。まかせる。頼る。 ・異國:異民族の国。ここでは烏孫国になる。  ・烏孫王:烏孫の王。劉細君が烏孫王に嫁いだのは、紀元前105年(武帝の元封六年)のことになる。

※穹盧爲室兮氈爲牆:テントを住まいとして、毛氈を境の壁として。 *「穹盧爲室」は、「穹盧
室と爲す」と読むべきところで、本来「穹盧室」とすべきところを語調の関係で「以」を取った。そのため、聯として繋がっている下聯の「食兮酪爲漿」では同様の文型「食」で、語調の関係上「以」が附けられている。 ・穹廬:〔きゅうろ;qiong2lu2〕弓なりに張った円いドーム状のテント。蒙古包(パオ)。遊牧民の住居。匈奴の住居。斛律金によるとも北朝齊民歌であるともする『敕勒歌』「敕勒川,陰山下。天似穹廬,籠蓋四野。天蒼蒼,野茫茫,風吹草低見牛羊。」に詠われている。西北異民族のテント式の住居。豪放詞でも異民族の生活の象徴として、屡々使われる。 ・爲:…とする。…となす。 ・室:いえ。住まい。へや。 ・氈:〔せん;zhan1○〕毛(け)むしろ。もうせん。西北異民族の生活を象徴する物。 ・牆:〔しゃう;qiang2○〕かき。塀。境。

※以肉爲食兮酪爲漿:肉を(常)食として、乳製飲料を飲み物としている。 ・以肉爲食:(獣)肉を(常)食とする。 ・〔以A爲B〕 Aを(もって)Bとする。Aを(もって)Bとなす。 ・酪爲漿:乳飲料を飲み物とする意。 ・酪:〔らく;lao4●〕ちちざけ。ミルク。乳製飲料。 ・漿:〔しゃう;jiang1○〕どろりとした飲み物。濃いめの液体。こんず。汁。

※居常土思兮心内傷:ふだんからふるさとを思いしのべば、心のなかではいたましい思いがする。 ・居常:ふだん。平生。日常。 ・土思:ふるさとを思いしのぶ。 ・心内傷:心のなかでいたましい思いをする。

※願爲黄鵠兮歸故鄕:願わくは黄鵠となり、故郷に帰りたい。 ・願爲-:願わくは…となり。白居易の『長恨歌』の最後部分に「在
願作比翼鳥在地願爲連理枝。」とある。 ・黄鵠:〔くゎうこく:huang2hu2○●〕黄色みを帯びた白鳥。渡り鳥で、秋には南方に帰っていく。 ・歸:故郷など本来居るべき所に戻っていくこと。かえる。 ・故鄕:ふるさと。ここでは、中華の地を指す。





◎ 構成について

韻式は「AAAAAA」。各句で押韻する。韻脚は「方王牆漿傷鄕」で、下平七陽。次の平仄はこの作品のもの。なお、「兮」字は

○○●●兮 ○●○,(韻)
●●●●兮 ○○○。(韻)
○○○●兮 ○○○,(韻)
●●○●兮 ●○○。(韻)
○○●○兮 ○●○,(韻)
●○○●兮 ○●○。(韻)

2004.2.25
     2.28完
     3. 1補
2009.8.17
2013.6.25
2017.7. 7

漢詩 唐詩 漢詩 宋詞

xia 1 ye次の詩へ
shang 1 ye前の詩へ
Bixue「先秦漢魏六朝・詩歌辞賦」メニューへ戻る
    **********
Maozhuxi shici玉臺新詠
Maozhuxi shici陶淵明集
Maozhuxi shici辛棄疾詞
Maozhuxi shici陸游詩詞
Maozhuxi shici李煜詞
Maozhuxi shici李清照詞
shangye花間集
shangye婉約詞集
Maozhuxi shici豪放詞集・碧血の詩篇
shangye歴代抒情詩集
shangye秋瑾詩詞
shichao shou ye天安門革命詩抄
Maozhuxi shici扶桑櫻花讚
Maozhuxi shici毛主席詩詞
Maozhuxi shici読者の詩詞
Maozhuxi shici碇豊長自作詩詞
shici gaishuo豪放詞 民族呼称
shici gaishuo詩詞概説  
唐詩格律 之一
宋詞格律
詞牌・詞譜
詞韻
詩韻
cankao shumu(wenge)参考文献(宋詞・詞譜)
cankao shumu(wenge)参考文献(詩詞格律)
cankao shumu(wenge)参考文献(唐詩・宋詞)
      
zhuzhang わたしの主張
guanhougan
メール
hui shouye
トップ
huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye