Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




                    
                          
      把酒問月
故人賈淳令余問之
                 唐 李白

靑天有月來幾時,
我今停杯一問之。
人攀明月不可得,
月行卻與人相隨。
皎如飛鏡臨丹闕,
綠煙滅盡淸輝發。
但見宵從海上來,
寧知曉向雲閒沒。
白兔搗藥秋復春,
姮娥孤棲與誰鄰。
今人不見古時月,
今月曾經照古人。
古人今人若流水,
共看明月皆如此。
唯願當歌對酒時,
月光長照金樽裏。


******

酒を把
(と)りて月に問ふ
                       
靑天 月 有りて  來
(こ)のかた 幾時ぞ,
我 今 杯を停
(とど)めて  之に一問す。
人 明月に 攀
(よ)づるは  得(う) 可(べ)からざるも,
月行 卻って  人と 相ひ隨ふ。
皎として 飛鏡の  丹闕に臨むが如く,
綠煙 滅し盡くして  清輝 發す。
但だ見る 宵に  海上より 來り,
寧ぞ知らん 曉に  雲閒に向ひて 沒するを。
白兔 藥を搗く  秋 復
(ま)た 春,
姮娥 孤り棲み  誰とか鄰りせん。
今人は 見ず  古時の月を,
今月は 曾經
(かつ)て  古人を照らせり。
古人 今人  流水の若く,
共に 明月を看る  皆 此
(か)くの如し。
唯だ願はくは 歌に當たり  酒に對するの時,
月光 長
(とこしな)へに  金樽の裏(うち)を照らさんことを。

*****************


◎ 私感註釈

※李白:盛唐の詩人。字は太白。自ら青蓮居士と号する。世に詩仙と称される。701年(嗣聖十八年)~762年(寶應元年)。西域・隴西の成紀の人で、四川で育つ。若くして諸国を漫遊し、後に出仕して、翰林供奉となるが高力士の讒言に遭い、退けられる。安史の乱では苦労をする。後、永王が謀亂を起こしたのに際して幕僚となっていたために、罪を得て夜郎にながされたが、やがて赦された。

※把酒問月:酒の入った盃を持って月に問いかける。 *この詩は初唐・張若虚の『春江花月夜』「春江潮水連海平,海上明月共潮生。灩灩隨波千萬里,何處春江無月明。江流宛轉遶芳甸,月照花林皆似霰。空裏流霜不覺飛,汀上白沙看不見。江天一色無纖塵,皎皎空中孤月輪。江畔何人初見月,江月何年初照人。人生代代無窮已,江月年年祗相似。不知江月待何人,但見長江送流水。白雲一片去悠悠,青楓浦上不勝愁。誰家今夜扁舟子,何處相思明月樓。可憐樓上月裴回,應照離人妝鏡臺。玉戸簾中卷不去,擣衣砧上拂還來。此時相望不相聞,願逐月華流照君。雁長飛光不度,魚龍潛躍水成文。昨夜閒潭夢落花,可憐春半不還家。江水流春去欲盡,江潭落月復西斜。斜月沈沈藏海霧,碣石瀟湘無限路。不知乘月幾人歸,落月搖情滿江樹。」に基づいていよう。パロディーは、明・唐寅が『把酒對月歌』「李白前時原有月,惟有李白詩能説。李白如今已仙去,月在青天幾圓缺。今人猶歌李白詩,明月還如李白時。我學李白對明月,白與明月安能知?李白能詩復能酒,我今百杯復千首。我愧雖無李白才,料應月不嫌我醜。我也不登天子船,我也不上長安眠。姑蘇城外一茅屋,萬樹桃花月滿天。」を作っている。  ・把酒:酒の入った盃を持つ。 李白は『宣州謝樓餞別校書叔雲』「棄我去者 昨日之日不可留,亂我心者 今日之日多煩憂。長風萬里送秋雁,對此可以酣高樓。蓬莱文章建安骨,中間小謝又清發。倶懷逸興壯思飛,欲上青天覽明月。抽刀斷水水更流,舉杯銷愁愁更愁。人生在世不稱意,明朝散髮弄扁舟。」でも酒杯をもって詠う。 *天問。屈原の『天問』「遂古之初,誰傳道之?上下未形,何由考之?冥昭菅*闇,誰能極之?馮翼惟像,何以識之?」や、北宋・蘇軾の『水調歌頭』「明月幾時有?把酒問靑天。不知天上宮闕,今夕是何年。我欲乘風歸去,又恐瓊樓玉宇,高處不勝寒。起舞弄淸影,何似在人間!   轉朱閣,低綺戸,照無眠。不應有恨,何事長向別時圓?人有悲歡離合,月有陰晴圓缺,此事古難全。但願人長久,千里共嬋娟。」…へと続く。

※故人賈淳令余問之:友人の賈淳がわたしに問い質せた。友人の要請に応えて、質問の詩を作った、ということ。

※青天有月来幾時:大空に月が現れてから、どれくらいの時間が経ったことだろうか。 ・靑天:青空。大空。天。蒼天。人の運命をみつめる青空。大空。青天。『詩經・王風』黍離「彼黍離離,彼稷之苗。行邁靡靡,中心搖搖。知我者,謂我心憂,不知我者,謂我何求。悠悠蒼天,此何人哉。」では、歎きの対象でもある。この『詩經・王風・黍離』をはじめとして、本サイトでは用例が多い。 ・有月:月が現れて。・來:…から。…より。…このかた。時間的に続いていることを表す。「爾来」「年来」の「來」に同じ。 ・幾時:どれくらいの時間。

※我今停杯一問之:わたしは杯を動かす手をとどめて、ちょっと月に訊いてみよう。  ・一問:すこし尋ねるが。一回、尋ねるがではない。次ぎに、それを整理してみる。

   意味     用法     用例
すこし…してみる 一+〔動詞〕 一瞥、一顧、
いっぱいの、すべて
=「全」
一+〔名詞〕 一川、一面、一山、一片(※)、一杯(※)
とある、或る
(不特定をいう)
一+〔特定の量詞〕 一日(※)、一人(※)
ひとつ、はじめの   大多数のものが該当
もっぱら、すっかり 一+〔動詞〕 一向、一任、専一、一洗、一往(※)

「用例」欄の語彙は、一つの際だった用例であって、他の意味での使用法も、当然ながらある。特に(※)印には、要注意。

※人攀明月不可得:人が月によじのぼっていくことは、不可能であり得ないが。 ・攀:よじのぼる。手の力でのぼっていくこと。 ・明月・澄んだ月。 ・不可得:あり得ることではない、不可能だが。

※月行卻與人相隨:月の運行は、(人が月に行くこととは)逆に、人に付き隨ってくる。人が地上で移動しても、月影はずっと変わることなく一緒に来る(ことをいう)。 ・月行:月の運行。月の動き。 ・卻:反対に、(思い)とは逆に。かえって。・與:…と・人:ひと、人間。月に対して使っている。 ・相:…に。動作が対象に向かっていることをいう。・隨:ついていく。くっついていく。

※皎如飛鏡臨丹闕:真っ白な大空を飛ぶ鏡(=月)が赤く色を塗った仙人の住む宮殿の門にさしかかって。 ・皎如:〔かうじょ;jiao3ru2●○〕明らかなさま。色の白いさま。盛唐・杜甫の『飮中八仙歌』に「知章騎馬似乘船,眼花落井水底眠。汝陽三斗始朝天,道逢麹車口流涎,恨不移封向酒泉。左相日興費萬錢,飲如長鯨吸百川,銜杯樂聖稱世賢。宗之瀟灑美少年,舉觴白眼望青天,
皎如玉樹臨風前。蘇晉長齋繍佛前,醉中往往愛逃禪。李白一斗詩百篇,長安市上酒家眠。天子呼來不上船,自稱臣是酒中仙。張旭三杯草聖傳,脱帽露頂王公前,揮毫落紙如雲煙。焦遂五斗方卓然,高談雄辨驚四筵。」 とある。 ・皎:〔かう、けう;jiao3●〕白い。月光が白い。光る。清い。 ・-如:形容詞・副詞の接尾語(字)として用い、状態を表す。 ・飛鏡:大空を飛ぶ鏡で、月の形容として使われている。 ・丹闕:赤く色を塗った仙人の住む宮殿の門。宮居。 ・丹:あかい。仙人、天子を暗示するものである。 ・闕:宮城の門。

※綠煙滅盡淸輝發:緑色の靄がすっかり無くなってしまって、清らかな光が射してきた。 ・綠煙:緑色の靄。 ・滅盡:すっかり無くなってしまうこと。 ・淸輝:清らかな光。月光のこと。

※但見宵從海上來:ただ、宵に海面から昇ってくるところだけを見ているが。 ・但見:ただ…だけを見ているが(しかしながら)。「惟(唯)見」は、ただ…のみが見える。で、どちらも「ただ見る」と読むものの、意味が違う。「但見」は、逆接の意味が含まれる。 ・宵:よい。夜。 ・從:…より。 ・來:ここでは昇ってくること。

※寧知曉向雲間沒:どうしてあかつきに(なって、月が)雲間にしずんでいくところをしっていようか。 ・寧:どうして…か。なんぞ。いずくんぞ。 ・曉:夜明け。あかつき。 ・向:…に。≒於。 ・雲閒:くもま。雲間。 ・沒:しずむ。

※白兔搗藥秋復春:白ウサギが秋から(冬が過ぎて)、また春になっても、ずうっと薬を搗(つ)き続けてきている。 ・白兔:白ウサギ。月に住むという。 ・搗藥:不老不死の薬をつく。晉の傅玄『擬天問』「月中何有?
白兔搗藥」。等による。『搜神記』等で、〔げい;yi4〕の妻、嫦娥は、西王母からに与えた不死の仙薬を盗んで飲み、月に奔った、という伝説に因り、白ウサギ(玉兎)が不死の薬を搗いている。 ・秋復春:秋になって、(冬が過ぎて)、また、春になっても。長い間。ずうっと。

※姮娥孤棲與誰鄰:嫦娥は不死の仙薬を盗んで飲み、月に奔って、月で独りぼっちで住んでいた。 ・姮娥:〔こうが;Heng2e2○○〕の妻,後に、漢の文帝劉恆の諱を避けて「嫦娥」〔こうが;Heng2e2○○〕と書き表す。ただし、「嫦娥」〔こうが;Heng2e2○○〕を「嫦娥」〔じゃうが;Chang2e2○○〕とする辞書も多い。  ・孤棲:ひとりだけで住んでいた。

※今人不見古時月:今(生きている)人は、昔の月をながめ(られ)ないが。 *前出・初唐・張若虚の『春江花月夜』に「江畔
何人初見月,江月何年初照人。人生代代無窮已,江月年年祗相似。不知江月待何人,但見長江送流水。」とある。

※今月曾經照古人:今(見えている)月は、かつて昔の人を照らしていた。 ・曽経:かつて。副詞。“已経”(すでに。副詞)などとともに、現代語でも使われる副詞。

※古人今人若流水:昔の人も昔の人も流れ去る川の流れのように移ろっていったが。 ・流水:年月の経過を云う詩詞の常套表現。『論語・子罕』「子在川上曰:逝者如斯夫!不舎昼夜。」からきている。

※共看明月皆如此:ともに明月を見て、みんなこの(以下の)よう(に思っ)た。 ・如此:具体的には、次の聯の「唯願當歌對酒時,月光長照金樽裏。」を指す。

※唯願當歌對酒時:ただ、願わくは、歌を唱って酒を飲んでいる時には。曹操『短歌行』の「
對酒當歌,人生幾何。譬如朝露,去日苦(苦:はなはだ、ひどく)多。慨當以慷,憂思難忘。何以解憂,唯有杜康(杜氏の名。酒を指す)。」に基づいていよう。

※月光長照金樽裏:(歌を唱い酒を飲んでいる歓楽の時は)月光はいつも黄金の素晴らしい酒器を照らしていてほしい。 ・長:〔ちゃう;chang2○〕いつも、ずっと。とこしえに。とこしなえに。≒常〔じゃう;chang2○〕。 ・金樽:黄金の酒器。素晴らしい杯。盛唐・李白の『魯郡東石門送杜二甫』に「醉別復幾日,登臨偏池臺。何時石門路,重有
金樽。秋波落泗水,海色明徂徠。飛蓬各自遠,且盡手中杯。」とある。 ・裏:なか。うち。

               ***********




◎ 構成について

換韻。韻式は、「AAAbbbCCCddd」。韻脚は「時之隨」(平水韻上平四支)、「闕發沒」(入声六月)、「春鄰人」(上平十一真)、「水此裏」(上声四紙)。次の平仄はこの作品のもの。

○○●●○●○,(A韻)
●○○○●●○。(A韻)
○○○●●●●,
●○●●○○○。(A韻)
●○○●○○●,(b韻)
●○●●○○●。(b韻)
●●○○●●○,
○○●●○○●。(b韻)
●●●●○●○,(C韻))
○●○○●○○。(C韻)
○○●●●○●,
○●○○●●○。(C韻)
●○○○●●●,(d韻))
○●○○●。(d韻)
○●○○●●○,
●○○●○○●。(d韻)

2003. 2.24
      2.25
      2.26完
2005. 6.11補
2007. 9. 2
2008. 7.15
2015. 1.25
      3. 3
2020.10. 1

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