Huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




                    
                   
      香爐峯下新卜山居草堂初成偶題東壁
              
                  白居易 
日高睡足猶慵起,
小閣重衾不怕寒。
遺愛寺鐘欹枕聽,
香爐峯雪撥簾看。
匡廬便是逃名地,
司馬仍爲送老官。
心泰身寧是歸處,
故鄕何獨在長安。


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香爐峰下 新たに山居を卜し草堂 初めて成り偶ま東壁に題す       
                       
日 高く 睡り足れるも  猶
(な)ほ 起きるに慵(ものう)し,
小閣 衾
(しとね)を重ねて  寒を 怕(おそ)れず。
遺愛寺の鐘は  枕を 欹
(そばだ)てて 聽き,
香爐峰の雪は  簾を 撥
(は)ねて 看る。
匡廬は 便
(すなは)ち是れ  名を逃るるの地,
司馬 仍
(な)ほも  老いを送るの官 爲(た)り。
心 泰
(やす)く 身 寧(やす)きは  是れ 歸處,
故鄕は 何ぞ獨
(ひと)り  長安のみに 在(あ)らんや。

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◎ 私感註釈

※白居易:中唐の詩人。772年(大暦七年)~846年(會昌六年)。字は楽天。号して香山居士。官は武宗の時、刑部尚書に至る。左拾遺になるが、江州の司馬に左遷され、後、杭州刺史に任ぜらる。やがて刑部侍郎、太子少傅、刑部尚書を歴任する。その詩風は、平易通俗な語彙表現を好み、新楽府、竹枝詞、楊柳枝等に挑戦し、諷諭詩や感傷詩でも活躍し、仏教に帰依した。本サイトでは、「抒情詩の頁」に多く集めている。

※香炉峰下新卜山居草堂初成偶題東壁:香爐峰の下に、新たに山居する草堂に相応しい所を占って(建築し)、落成したので偶(たまた)ま詩が出来たので東壁に書いて掲げた。似たものに、白居易の『香鑪峰下新置草堂即事詠懷題於石上』「香鑪峯北面,遺愛寺西偏。白石何鑿鑿,淸流亦潺潺。有松數十株,有竹千餘竿。松張翠傘蓋,竹倚青琅。其下無人居,惜哉多歳年。有時聚猿鳥,終日空風煙。時有沈冥子,姓白字樂天。平生無所好,見此心依然。如獲終老地,忽乎不知還。架巖結茅宇,壑開茶園。何以洗我耳,屋頭飛落泉。何以淨我眼,砌下生白蓮。左手攜一壺,右手挈五弦。傲然意自足,箕踞於其間。興酣仰天歌,歌中聊寄言。言我本野夫,誤爲世網牽。時來昔捧日,老去今歸山。倦鳥得茂樹,涸魚返淸源。舍此欲焉往,人間多險艱。」がある。 ・香爐峰:廬山の北の峰の名。現・江西省九江県西南にある廬山の北峰。峰より雲気が立ち上るさまが香炉に似ているところからそう呼ばれた。『後漢書・揚州・廬江』の古註に「釋慧遠廬山記略曰:『東南有
香爐山,其上氛若香煙。西南中石門前有雙闕,壁立千餘仞,而瀑布流焉。』」とある。遺愛寺と香炉峰については、盧山在住の読者の方から次のような詳しい説明を頂いた。「廬山有四座香爐峰:一在山北東林寺南,稱“北香爐峰”;一在山南秀峰寺後,稱“南香爐峰”;一在呉障嶺東,稱“小香爐峰”;一在凌霄峰西南,稱“香爐峰”。白居易《廬山草堂記》所指爲北香爐峰。遺愛寺在(北)香爐峰的北面。白居易曾在遺愛寺之南、香爐峰以北建造了“遺愛草堂”(即白居易草堂)。遺愛草堂附近有一處景觀,名曰“花徑 ”。白居易曾手書“花徑”二字。」(2005.5.23)なお白居易の肉筆であるという「花徑」の石碑の写真が添えられていた(写真:右)。  ・卜:〔ぼく;bu3●〕(住む所の地勢、風水を)占う。 ・山居:山中に住むこと。山住まいのための住居。山荘。 ・草堂:自宅。拙宅。自分の家を謂う謙譲語。作者は江州司馬となった二年後に盧山の麓に築いた。また、草ぶきの家。草屋。草庵。いおり。「五架三間新草堂,石階桂柱竹編牆。南檐納日冬天暖,北戸迎風夏月涼。灑砌飛泉纔有點,拂窗斜竹不成行。來春更葺東廂屋,紙閣蘆簾著孟光。」といった味わいのあるところ。 ・初成:新築落成する。 ・偶題:たまたま詩を作る。 ・東壁:草堂の東側の壁。 ・題…壁:詩を…の壁に書き付ける。 *白居易の『廬山草堂記』に「匡廬奇秀,甲天下山。山北峰曰香爐峰,北寺曰遺愛寺,介峰寺間,其景勝絶,又甲廬山。」と、この詩の部分が記述されている。

※日高睡足猶慵起:太陽が高く昇る(時まで寝ていたので)睡眠が充分であるのに、それでもまだ、起きあがるのに億劫(おっくう)である。 ・日高:太陽が高く昇(った)。 ・睡足:睡眠が充分である。 ・猶:それでも。まだ。やはり。なおも。すら。さえ。 ・慵起:〔ようき;yong1qi3○●〕起きるのが億劫である。物憂げに起きあがる。ここは、前者の意。 ・慵:〔よう;yong1○〕なまける。おっくう。めんどうくさい。

※小閣重衾不怕寒:小さな建物で、しとねを重ねているので、寒気は恐くない。 ・小閣:小さな建物。自宅の建物の謙譲語。小さい高殿。また、婦女の部屋。⇔高閣。 ・重衾:ふとんを重ねる。 ・不怕:恐くない。恐れない。

※遺愛寺鐘欹枕聴:遺愛寺の鐘の音は枕を斜めにして(枕と頭の間に隙間を作って、音が聞こえるようにして、蒲団に入ったままで)聴き。 ・遺愛寺:香炉峰の北方にある寺。 ・欹枕:〔きちん;qi1zhen3○●〕枕をかたむける。まくらをそばだてる。枕を歪めて、耳のところを開けて、枕をあてがっているさま。寒さのために、蒲団に寝たままで聴く姿勢のことになる。 ・欹:〔き;qi1○〕一方に傾ける。 ・聽:念を入れて詳しく聞く。うかがう。ここは仄声〔去声ting4●〕の意。

※香炉峰雪撥簾看:香炉峰の雪のさまは、簾(窓の覆い。カーテン)をはねあげて、部屋の窓越しに眺めている。 *ここは我が国の清少納言の『枕草子』にも出てくるところ。 ・撥簾:〔はつれん;bo1lian2●○〕スダレをはねあげる。スダレを払う。雪を見るために、雪を踏みしめて出て行くのではなくて、部屋の窓越しに眺めるということ。前出「欹枕聽」と同様に、寒さでものぐさになっている態度をいう。王勃の『滕王閣』では「滕王高閣臨江渚,珮玉鳴鸞罷歌舞。畫棟朝飛南浦雲,
暮捲西山雨。閒雲潭影日悠悠,物換星移幾度秋。閣中帝子今何在,檻外長江空自流。」 とする。

※匡廬便是逃名地:匡廬と呼ばれる盧山とは、つまり、名誉、名声を得ないように努めるところである。 ・匡廬:〔きゃうろ;kuang1lu2○○〕盧山の別名。周代に仙人の匡俗(字は君平)が隠れ棲んだ事に因る。前出『後漢書・揚州・廬江』の古註に「釋慧遠廬山記略曰:『有
匡俗先生者,出殷周之際,隱遯潛居其下,受道於仙人而共嶺,時謂所止爲仙人之廬而命焉。』」また、同・豫章舊志に「匡俗君平夏禹之苗裔也。」とある。 ・便是:つまり。すなわちこれ。 ・逃名:名誉、名声を得ないように努める。『後漢書・逸民列傳・法真』に「曰:『吾既不能遯形遠世,豈飮洗耳之水哉?』遂深自隱絶,終不降屈。友人郭正稱之曰:「法真名可得聞,身難得而見,逃名而名我隨,避名而名我追,可謂百世之師者矣。』」とある。

※司馬仍爲送老官:司馬の官職は、やはり老いの日々を送る官職になる。 ・司馬:当時の作者の官職。白居易の『琵琶行・序』「元和十年,予左遷九江郡
司馬。」 や『琵琶行』「淒淒不似向前聲,滿座重聞皆掩泣。座中泣下誰最多,江州司馬青衫濕。」にもいう。 ・仍爲:〔じょうゐ;reng2wei2○○〕やはり…である。なお…である。依然として…である。 ・送老:老いの日々を送る。老後を過ごす。 ・官:官職。

※心泰身寧是帰処:心がやすらかで、からだが寛げるところが、おさまるべき安住の地である。 ・心泰:心がやすらかである。心がのどかである。 ・身寧:からだが寛いでいる。 ・是:…は(が)…である。これ。主語と述語の間にあって述語の前に附き、述語を明示する働きがある。〔A是B:AはBである〕。 ・歸處:おさまるところ。安住の地。

※故郷何独在長安:故郷とは、どうして(都の)長安だけになろうか。 ・故郷:白居易自身でいえば鄭州(現・河南省新鄭県)か太原(現・山西省)になろうが、ここで長安といっているのは、やはり、官職の根拠地である帝都を官僚としての故郷と思い定めているのだろう。「安」字は韻脚でもある。 ・何獨:どうして…だけになろうか。なんぞひとり。「…在長安」にかかるので、「…長安にのみ…」の読み下しが原詩の意に近かろう。 ・在:…にある。 ・長安:ここでは、みやこ、帝都、中央、の意で使われている。
               ***********



◎ 構成について

 韻式は、「AAAA」。韻脚は「寒看官安」で、平水韻上平十四寒。この作品の平仄は次の通り。

●○●●○○●,
●●○○●●○。(韻)
○●●○○●●,
○○○●●○○。(韻)
○○●●○○●,
○●○○●●○。(韻)
○●○○●○●,
●○○●●○○。(韻)


2005. 5. 8
      5. 9完
      5.23補(来信)
2018.11. 7
2019.11.28

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