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懊憹歌 | ||
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白鵶養雛時,
夜夜啼達曙。
如何羽翼成,
各自東西去。
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懊憹 の歌
白鵶 雛 を養ふ時,
夜夜 啼 きて曙 に達す。
如何 ぞ羽翼 成りて,
各自 東西に去 る。
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◎ 私感註釈
※劉基:明の詩人。1311年(元・至大四年)~1375年(明・洪武八年)。字は伯温。青田の人。元代の進士。
※懊憹歌:悔(く)やんで悩み悶える歌。 *子育てに精魂を傾けた親の心情を、鳥の巣立ちに託して歌う。中唐・白居易の『燕詩示劉叟』「梁上有雙燕,翩翩雄與雌。銜泥兩椽間,一巣生四兒。四兒日夜長,索食聲孜孜。青蟲不易捕,黄口無飽期。觜爪雖欲弊,心力不知疲。須臾千來往,猶恐巣中飢。辛勤三十日,母痩雛漸肥。喃喃敎言語,一一刷毛衣。一旦羽翼成,引上庭樹枝。舉翅不回顧,隨風四散飛。雌雄空中鳴,聲盡呼不歸。卻入空巣裏,啁啾終夜悲。燕燕爾勿悲,爾當返自思。思爾爲雛日,高飛背母時。當時父母念,今日爾應知。」と謂うところは同じ。 ・懊憹:〔あうなう(おうのう);ao4nao2●○〕悩みもだえる。くやむ。(≒懊悩〔あうなう(おうのう);ao4nao3●●〕悩みもだえる。悩む。)
※白鵶養雛時:白いカラス(の親鳥)が、ひなを育てている時には。 ・白鵶:白いカラス。 ・鵶:〔あ;ya1○〕からす。=鴉〔あ;ya1○〕。 ・養雛:ひなを育てる意。
※夜夜啼達曙:毎夜、夜明けまで啼いて(ひな鳥の世話をして)いた。 ・夜夜:毎夜。 ・啼達曙:夜明けまで啼く意。 ・-達曙:夜明けになるまで。あけぼのに達す。中唐・白居易の『後宮詞』に「涙濕羅巾夢不成,夜深前殿按歌聲。紅顏未老恩先斷,斜倚薰籠坐到明。」とある。
※如何羽翼成:どうしたことか、(こどもは)羽が生え揃ってしまうと。 *白居易の『燕詩示劉叟』「一旦羽翼成,引上庭樹枝。舉翅不回顧,隨風四散飛。」とある部分に同じ。 ・如何:どのようであるか。いかが。後世、現代人の陳毅は『梅嶺三章』で「斷頭今日意如何?創業艱難百戰多。此去泉臺招舊部,旌旗十萬斬閻羅。」
と、同義で使う。明・劉基の『絶句』に「人生無百歳,百歳復如何。古來英雄士,各已歸山阿。」
とある。 ・羽翼:つばさや羽。
※各自東西去:めいめい、東や西の方に(飛んで)行った。 ・各自:めいめい。おのおの。 ・去:さる。行く。
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◎ 構成について
韻式は、「aa」。韻脚は「曙去」で、平水韻去声六御。この作品の平仄は、次の通り。
●○●○○,
●●○●●。(韻)
○○●●○,
●●○○●。(韻)
2012.12. 1 12. 2完 2020. 7.12補 |
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