Huanying xinshang Ding Fengzhang de wangye

                            


獨柳
                                                  

        唐・杜牧

含煙一株柳,
拂地搖風久。
佳人不忍折,
悵望回纖手。




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獨柳
煙を含む  一株の柳,
地を拂ひ  風に搖ぐこと 久し。
佳人  折るに忍びず,
悵望して  纖手を(/に)(めぐ)らす。

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◎ 私感註釈

※杜牧:晩唐の詩人。八○三年(貞元十九年)〜八五二年(大中六年)。字は牧之。京兆萬年(現・陝西省西安)の人。進士になった後、中書舍人となる。杜甫を「老杜」と呼び、杜牧を「小杜」ともいう。李商隠と共に味わい深い詩風で、歴史や風雅を詠ったことで有名である。

※独柳:ぽつんと一本だけあるヤナギ。(ひとりぼっちの女性)。 *この詩には表裏二様の意味がある。表の意は、ヤナギの根方で別れていった男性を女性が偲ぶさまであり、裏の意は(述べられたことはないようだが)作者・杜牧が年若い女性を愛おしんで、手をつけないでそのままにした、という意。裏の意の根拠として、次のようなことがある。先ず、唐 杜牧 七絶 『贈別二首」其一「娉娉嫋嫋
十三餘荳蔻梢頭二月初。春風十里揚州路,卷上珠簾總不如。」や、『張好好詩』「君爲豫章十三纔有餘。」と、際だって若い女性を愛し、そのため、年上の男性として労(いたわ)ってやる思いが詩に溢れているものがあり、このページの詩の裏の意と通じるところがある。また、中唐・白居易の『楊柳枝』其七「葉含濃露如啼眼,枝嫋輕風似舞腰。小樹不禁攀折苦,乞君留取兩三條。」は、正しくこのページの詩と同様に、可愛い女性を愛(いつく)しむ詩で、唐代のエリート男性の紳士的な心根を表したものといえるからだ。

※含煙一株柳:(豊かに葉が繁って)靄のたちこめた一本の柳(は)。 ・含:たちこめる意。 ・煙:霞(かすみ)や靄(もや)。 ・柳:ヤナギ。女性を暗示する。その意で柳を詠ったものには、前出・白居易『楊柳枝』其七「葉含濃露如啼眼,枝嫋輕風似舞腰。小樹不禁攀折苦,乞君留取兩三條。」以外に、『楊柳枝』其一「六水調家家唱」、『楊柳枝』其二「陶令門前四五樹」、『楊柳枝』其三「依依嫋嫋復青青」、『楊柳枝』其四「紅版江橋青酒旗」、『楊柳枝』其五「蘇州楊柳任君誇」、『楊柳枝』其六「蘇家小女舊知名」、『楊柳枝』其八「人言柳葉似愁眉」や、劉禹錫の『楊柳枝詞』「煬帝行宮水濱,數枝楊柳不勝春。晩來風起花如雪,飛入宮牆不見人。」などがあり、柳に女性の意を託したものには、初唐・郭振の『子夜四時歌六首 春歌』「陌頭
楊柳,已被春風吹。妾心正斷絶,君懷那得知。」などや晩唐/五代・温庭の『楊柳枝』「蘇小門前萬條金線拂平橋。黄鶯不語東風起,深閉朱門伴細腰。」五代・馮延巳の『歸自謠』「春艷艷,江上晩山三四點,柳絲如剪花如染。   香閨寂寂門半掩。愁眉斂,涙珠滴破臙脂臉。」や北宋・寇準の『江南春』「波渺渺,依依。孤村芳草遠,斜日杏花飛。江南春盡離腸斷,蘋滿汀洲人未歸。」がある。また、惜別の情を表す「柳」には盛唐・李白の『春夜洛城聞笛』に「誰家玉笛暗飛聲,散入春風滿洛城。 此夜曲中聞折柳,何人不起故園情。」や唐・楊巨源の『折楊柳』の「水邊楊柳麴塵絲,立馬煩君折一枝。惟有春風最相惜,殷勤更向手中吹。」がある。

※拂地搖風久:枝が風にゆられて、地面を掃き払うようなさまになっているのが長い。 ・拂地:柳の枝が風にゆれて、地面を掃き払うようなさまを謂う。杜牧の『自宣城赴官上京』に「瀟灑江湖十過秋,酒杯無日不淹留。謝公城畔溪驚夢,蘇小門前柳拂頭。千里雲山何處好,幾人襟韻一生休。塵冠挂卻知闔磨C終擬蹉跎訪舊遊。」とあり、 後世、南唐・李Uは『柳枝詞』で「風情漸老見春羞,到處消魂感舊遊。多謝長條似相識,強垂煙穗拂人頭。」と詠う。 ・久:長い。

※佳人不忍折:美しい女性は(愛しい男性との別離を表す柳の枝を)折るのに忍びなく。/立派な男性たるもの、(あまりにも可憐な女性を)手折(たお)るに忍びなく。 ・佳人:美しい女性。忠義の臣。立派な男子。主君。 *この語、意味が多い。そのことを活用して表に「美しい女性」を出して、裏に「立派な男子」(=作者・杜牧)のことを謂う。「佳人不忍折…」を倒置と見る、また、「佳人,不忍折…」と停頓を入れて見ると、意味が正反対になるということ。 ・不忍:忍びない。耐えられない。  ・折:(花(=女性)を)折る。中国や日本の四字熟語にある「折花攀柳」〔せっくゎ‐はんりう;zhe2hua1-pan1liu3〕(花を折り、柳によじのぼる意で、花柳界で遊ぶこと)の意。なおまた、「折楊柳」の意(別れる)もあるが、それは別離を惜しむ旧習に基づく。ここは、前者の意。 ・不忍折:手折(たお)るのに忍びない。前出・白居易の『楊柳枝』其七に「葉含濃露如啼眼,枝嫋輕風似舞腰。小樹
不禁攀折苦乞君留取兩三條。」とある。

※悵望回纖手:(佳人(=美女)は)恨めしげに(愛しい人が去っていった遠くを)見やって、か細い手を(柳の枝から)翻(ひるがえ)し、返した。/(男性(=作者)が)恨めしげに、か細い女性の手を見やって、(女性の手に)回した。その場合、「悵望して纖手
囘らす」と読む方がよい。 ・悵望:〔ちゃうばう;chang4wang4●◎〕恨めしげに見やる。また、悲しくながめる。ここは、前者の意。 ・回:かえす。まわす。めぐらす。また、めぐる。「回纖手」での「回」意は表裏で大きく異なるが、ここではその双方の意。蛇足になるが、現代語では「やり返す」「すぐその手で」などの意だが、ここでは関係がない。 ・纖手:〔せんしゅ;xian1shou3○●〕か細い女性の手。日本・竹添井井の『雙殉行』に「戰雲壓城城欲壞,腹背受敵我軍敗。聯隊旗兮臣所掌,爲賊所奪臣罪大。旅順巨礮千雷轟,骨碎肉飛血雨腥。二萬子弟爲吾死,吾何面目見父兄。山馳道連朱闕,萬國衣冠儼成列。靈輿肅肅牛歩遲,金輪徐輾聲如咽。弔砲一響臣事終,刺腹絶喉何從容。旁有蛾眉端坐伏,白刃三刺繊手。遺書固封墨痕濕,責躬誡世情尤急。言言キ自熱腸逬,鬼哭~恫天亦泣。嗚呼以身殉君臣節堅,舎生從夫婦道全。忠魂貞靈長不散,千秋萬古侍桃山。」とある。似たものに「紅酥手」というのがあるが、これはピンク色に染まった柔らかい手の意で、内容は大きく異なる。

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◎ 構成について

韻式は、「aaa」。韻脚は「柳久手」で、平水韻上声二十五有。この作品の平仄は、次の通り。

○○●○●,(韻)
●●○○●。(韻)
○○●●●,
●◎○○●。(韻)
2011.9.26
     9.27





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