場のつながりを、しつらえる
■ 「街と家」から始まって、場のつながりは、「家と部屋」、「部屋と部屋」へと親密度を増していきます。「場のつながりをしつらえる」というは、生活の座標を与えるということです。私たちは、そのしつらえは出来るだけ多様でフレキシブルなほうがいいと考えています。もちろんそれは平面(間取り)としてだけではなく、三次元的な構成として計画される必要があります。下に示した3つの住宅の断面透視図では、フキヌケ空間を介して、それぞれの場(部屋)が、立体的に関係し合っていることが示されています。
富士山麓の萬壽山荘
■ 右から左(南から北)へと下る斜面の流れに合わせるように、「二層の部分」、「一層で屋根が低くなっていく部分」、「低いパーゴラによって高さを抑えられたテラス」の三つの部分のつながりが構成されています。相互の部分のつながりを強めるために、建具は完全に引き込めるのように設計しました。
烏山の家
■ おおきなワンルームのようなひと繋がりの空間がまずあって、そのなかをやわらかく仕切っていき、機能に対応したいくつかの部分(部屋)が発生してくるような計画です。中央のフキヌケは最後に残った部分(部屋にならずにすんだアキ)、といった消極的な存在なのですが、逆に部屋相互を関係づけるかなめでもあります。ここでも、引き戸(特に吊戸)が多様されたり、部屋と部屋相互や、部屋と階段室との間にも窓を設けたりなど、多様なつながりが用意されています。
和光の家
■ ほとんどワンルームのようなこの住宅にも、平面の中心にフキヌケがあります。寝室的用途の二階と、少しパブリックな度合いが高い一階とをやわらかく繋いでいます。一人住まいなのですが、お客様がみえたり、少し仕切って使いたいなどの非日常に対応する間仕切りが用意されています。
Copyright(C) Atelier RING Architects and Associates.
All rights reserved.