雲鬢亂, 晩妝殘。 帶恨眉兒遠岫攅。 斜托香顋春笋嫩, 爲誰和涙倚欄干。 ![]() |
雲鬢 亂れ,
晩妝 殘る。
恨みを帶びたる 眉兒 遠岫 攅(ひそ)む。
斜に 香顋を托し 春笋 嫩(やはらか)く,
誰(た)が爲に 涙と和(とも)に 欄干に 倚(よ)る。
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私感注釈
※搗練子:詞牌の一。詳しくは下記「◎構成について」を参照。女性をしっかり見据えて描いている。
※雲鬢:美女の雲なす髪の毛。女性の髪の毛の譬え。鬢:耳際の髪の毛。
※晩妝殘:宵の化粧が崩くずれてきたこと。
※帶恨:うらみを帯びる。
※眉兒:(白話)(可愛い)まゆ。児:(白話)接尾辞。名詞について、小さい、可愛い感じを表す。とりたてて訳す必要はない。訳せない。
※遠岫:遠山。ここでは、女性の眉のことをいう。
※攅:寄せ集める。(眉を)よせる。(眉を)顰める。
※斜托:斜めに(ほほを)支える。ここでは、ほおづえをつくこと。托:手のひらで物を支える。(ほおづえなどを)つく。
※香顋(かうさい):女性の麗しい頬。香:若くて美しい女性を指す。顋:ほほ。
※春笋(しゅんじゅん):春のタケノコ。女性の細くて美しい指の形容。
※嫩:若い。柔らかい。ここでは、女性の指がやわらかいことをいう。
※爲誰:誰のせいで。たがために。
※和涙:涙と共に。
※倚欄干:欄干による。欄干によりかかって、遠望しながら物思いに耽ること。詞ではよく出てくる表現の一。
※爲誰和涙倚欄干:(この女性は)誰のせいで、涙ぐみながら手すりに拠って(遠くを眺めやって)いるのだろう。
◎ 構成について
単調。二十七字。 平声一韻到底韻。 韻式は「AAA」。韻脚は「殘攅干」で第七部平声。
○●●,
●○○。(平韻)
●○○
●○。(平韻)
●
○○●●,
○
●●○○。(平韻)
2001.5.10完 |
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