huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye




滿江紅
            

            
        宋 劉克莊
夜雨涼甚,忽動從戎之興。
金甲雕戈,
記當日、轅門初立。
磨盾鼻、一揮千紙,
龍蛇猶濕。
鐵馬曉嘶營壁冷,
樓船夜渡風濤急。
有誰憐、猿臂故將軍,
無功級。


平戎策,
從軍什,
零落盡,
慵收拾。
把茶經香傳,
時時温習。
生怕客談楡塞事,
且敎兒誦花間集。
嘆臣之壯也不如人,
今何及。


    **********************

      滿江紅
          
夜雨の涼きこと甚しければ、忽ち從戎の興を動す。

金甲  雕戈,
記す 當日、 轅門に 初めて立つ。
盾鼻に 磨
(すみ すり)り、一揮に 千紙,
龍蛇  猶ほ 濕ふ。
鐵馬 曉に 嘶けば  營壁 冷く,
樓船 夜 渡れば  風濤 急し。
誰か 憐れむ 有らん、 猿臂の故將軍の,
功級 無きを。


平戎の策,
從軍の什
(へん)
零落し盡し,
收拾に 慵
(ものう)し。
茶經 香傳を 把
(とり)て,
時時 温習す。
生怕
(おそ)る  客の 楡塞の事を 談ずるを,
(しば)し 兒に 「花間集」を誦すを 敎ふ。
嘆く  臣之壯なりし也 人に如
(しか)ざりきも,
今 何ぞ及ばん。


             ******************

私感訳註:

※滿江紅:詞牌の一。詞の形式名。入声で押印する。詳しくは「構成について」を参照。上片は過去の戦闘の日々のことを描き、下片は、何も為さない現状を描いて、その落差を通じて訴えかけている、独特の趣がある詞である。
※夜雨涼甚,忽動從戎之興:夜雨が涼たいことが甚しかったので、覚えず從軍のときの趣きがおこってきた。 忽:にわかに。覚えず。動:さわぐ。胸騒ぎがする。從戎:従軍する。
※金甲:金属製のよろい、だが、後に続く「雕戈」から判断すれば、黄金のよろい、の方がふさわしい。
※雕戈:彫り物や色を着けたりと、装飾した矛などの武器。
※記當日:その当時の日を覚えている。記:覚えている。當日:過去のその時。かの日。あの日々。
※轅門:役所の表門、ここでは、軍営の門こと。
※初立:初めて…になった。
※轅門初立:営門に初めて立って軍務に就いた。
※磨盾鼻:たてのにぎりの部分で墨をする。軍陣で、祐筆、書記のような文書を扱う仕事をしていた、ということをいう。盾鼻:(片手で持つ)たてのにぎりの部分。鼻:(器具の)とって、つまみ、にぎり。
※一揮千紙:一回の揮毫で、(命令書や檄文等を)とても多く仕上げた。
※磨盾鼻、一揮千紙:軍陣では、たてのにぎりの部分で墨をすり、一回の揮毫で、(命令書や檄文等を)とても多く書き上げた。
※龍蛇:行書、草書で書かれた文字の雄渾な筆勢の表現。
※猶濕:まだ、なおも湿っている。
※龍蛇猶濕:筆勢が雄渾であり、まだ湿っている。我が国の風でいうと水茎の跡も麗しく、か?
※鐵馬:武装した騎兵集団。軍馬。
※曉嘶:あかつきにいななく。樓船夜渡風濤急
※營壁冷:軍営の建物の壁は冷たく。
※鐵馬曉嘶營壁冷:軍馬があかつきにいななくが、(まだ夜気が残り、)兵営の建物の壁は冷たい。
※樓船:二階造りの船。屋形船。右図参照。
※風濤急:風や大波が激しい。
※樓船夜渡風濤急:二階造りの船で、夜に川を渡るが、風や大波が激しい。
※猿臂故將軍:猿のように長いひじを以て、弓を射るのに秀でていた李廣将軍。猿臂:猿のように長いひじ。弓を射るのに射やすいひじとされる。「史記・李将軍列伝」に「廣爲人長,
猿臂,其善射亦天性也。」とある。
※有誰憐猿臂故將軍:一体誰が李廣将軍を憐れんだことだろうか。
※無功級:功績に対する褒賞がない。
※平戎策:えびすを平定する方策。作戦。ここでは、文書に書かれたものを指している。
※從軍什:従軍の様子を描いた詩詞。什:詩歌、詩篇の呼び名。「詩經」の雅、頌の各十篇をいうことからきている。
※零落盡:衰頽しつくしてしまう。零落:萎れる。転じて、落ちぶれる。衰頽する。
※慵收拾:片づけるのが面倒くさい。やる気を無くした表現。收拾:片づける。整理する。慵:ものうい。めんどうくさい。
※把:手に取る。(白話)…を。
※茶經:茶に関することを記した唐の陸羽の著作。「-經」「-録」「-譜」など、好事家の目を惹きそうなものが、この時代、多く著された。ここでは、後に続く「香傳」や「花間集」等とともに、閑事、文雅な事の代名詞として使われている。
※香傳:宋の丁謂の「天香傳」などがある。「茶經」と同様、閑事、文雅な事の代名詞として使われている。
※把茶經香傳:茶經や香傳の内容をしばしば復習している。今は、穏やかに、おとなしく過ごしているということ。どういう意味でこう言っているか、興味深い句である。
※時時:しばしば。いつも。
※温習:復習する。
※生怕:(白話)ひたすら恐れる。大変怖がる。
※楡塞事:北方の辺疆の前進基地での軍務のこと。楡塞:楡の木を植えて作った要塞。「漢書巻五十二・潅韓伝・韓安国」の「辟數千里,以河爲竟,累石爲城,
,匈奴不敢飮馬於河,置烽燧然後敢牧馬。」に拠っている。
※生怕客談楡塞事:客が軍事を論ずることをひたすら恐れる。
※且:しばし。
※敎兒:子供に教える。
※誦花間集:(男歓女愛の)「花間集」を朗詠する。花間集:唐・五代の婉約詞的な詞集。五代蜀の趙崇祚編。
※且敎兒誦花間集:しばし、子供に「花間集」朗詠を教えている。今は、穏やかに、おとなしく過ごしているということ。
※嘆:なげく。
※臣之壯也:臣(わたくしめ)が少壮の頃も。「左伝・僖公三十年」に「
臣之壯也,猶不如人今老矣,無能爲也已。」とあり、後半の「今老矣,無能爲也已」も言いたかったところだろう。
※不如人:他の人に及ばなかった。不如:……に及ばない。…にしかず。人:他の人、別人。
※嘆臣之壯也不如人:嘆かわしいことに、少壮の頃でさえも他の人に及ばなかったが、(ましてや、年取った今では、どうして及ぼうか)。也:語気の停頓を表し、冒頭の句を浮き出させ、下を起こす助辞。「臣之壯 也  不如人」という感じ

※今何及:(少壮の頃でさえも他の人に及ばなかったが、ましてや、年取った)今では、どうして及ぼうか。


◎ 構成について
   双調。九十三字。脚韻は、入声韻にすること。入声一韻到底。韻式は「aaaa aaaaa」。韻脚は「立濕急級 什拾習集及」で、第十七部入声十四緝。

   ●○○
   ●,
   ●。(入声韻) 
   ●+●, 
   ●○○●。(入声韻)
   ○○●●,
   ●○○●。(入声韻)
   ●○+●●○○,
   ○○●。(入声韻)


   ●,
   ○●。 (入声韻)
   ●●,
   ○○● 。(入声韻)
   ●+○○●●,
   ●○○●。(入声韻)
   ○○●●,
   ●○○●。(入声韻)
   ●○+●●○○,
   ○○●。(入声韻)


2001.11.22
     11.23
     11.24完
  

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