2002.11.30
金属キットの組み立ても、あまり間が開くと進め方を忘れてしまいます。
今回C58 33号機が発売されたので、組み立てメモを残しておきました。1回の作業を2時間までとしてだらだら続けた結果です。
特別な道具も技術も持っていないので野蛮な工作になっていますが、何とかできます。キットが組み立てやすさを優先して作られているためです。
1-キャブ 2-ランボードとボイラー 3-ボイラー部品1 4-ボイラー部品2 5-シリンダーと台枠 6-テンダー
7-動力ユニット 8-塗装 9-車体の仕上げ 10-動輪の組立調整 11-運行開始 補足-ヒント
緑色の板は、よく売られている小学生用の工作板(裏は粘土板)です。 工作板の上の汚い厚紙は、何かのエッチングキットの台紙になっていたものです。これを下敷きにしてハンダ付けしています。紙は熱を伝えにくく、滑りにくいのですが、定板のような平面性は望めませんし、ヘンな環境かもしれません。必要に応じてベーク板なども下敷きに使っています。 厚紙の上の2本の木の棒はただの「割り箸」です。これにはいくつか使い道がありますが、主に熱くて触れない部品を押さえるのに使っています。すでに人様にお見せするようなものではありませんね。 |
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付属の説明書とは順番が違います。C55など、以前のワールド工芸製蒸機の説明書と同じ手順なのですが、キャブから先に組み立てています。 理由は全体の平行・直角を出す、すべての基準がキャブにあるからです(とも断言できませんが、私の組み方だとそうなってしまいます)。 初めにキャブ妻板を留めます。キャブ妻板は真中で分かれているので、ここをヤットコでつまんでピッタリ合わせ、間をハンダ付けします。 |
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細い部品などは、こんなふうに1枚の板にエッチングされていますが、それ以外の部品のほとんどは切り離し済みです。 2013.4.2 追記 |
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キャブ側板は、内側に折り重ねられた二重構造になっていて、早いうちに貼り合わせないと折り線から分離することがあります。 ハンダ流し穴のあたりにはタブレットキャッチャーの取り付け穴もあるので、ついでにタブレットキャッチャーの固定も一緒にやっています。 このあと屋根には天窓を取り付け、内側に飛び出した天窓の足をハンダ付けします。 |
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内側にはみ出したハンダは、キャブ後妻などを取り付ける前に削り取っておきます。私はほとんど特別な道具を使いません。カッターナイフや彫刻刀で削り取っています。 |
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キャブ屋根後端にフチを取り付けます。位置決めしにくいので、素手で合わせながらハンダ付けしています。距離が近いので、一瞬で確実に熱を伝えてハンダ付けしないとヤケドします。 熱の伝わり方の感覚が身につくまでは要注意です。 |
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仮付けしたら、内側にハンダを流して完全に固定します。 |
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後部後妻をハンダ付けします。 |
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ドアの左右に手すりを取り付けます。 こうした作業ではコテ先に細い角があったほうが断然やりやすいので、好きなように削れる銅コテ先がよいと思いますが、作業中に酸化してハンダが乗りにくくなるので、時々ヤスリで整える必要があります。 ここで使っているコテはそうした成形を行えないタイプですが、何とか付けることはできました。 |
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信号炎管を取り付けます。部品が小さいうえ、内側からハンダ付けしようとしてキャブをひっくり返すと、ポロリと落ちてしまいます。 |
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作業台に置いた割り箸の先端に信号炎管を差し込み、そこにキャブ屋根の取り付け穴を合わせて差し込み、内側からハンダ付けします。 ただ慣れると、これくらいの部品でも、素手で軽く押さえて素早くハンダ付けすることは可能です。 |
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前面窓のひさしを取り付けます。これは意外とやりにくい作業です。 足の部分だけをハンダ付けしても、あとでフニャフニャと角度が変わってしまうので、妻板との接合面にきちんとハンダを流したいです。 |
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キャブの内側は、塗装後に窓ガラスを貼りつけるので、はみ出したハンダや取り付け足をきれいに削って平らにしておく必要があります。ここでは普及品のリューターを使っていますが、床板を取り付ける前なので、普通の平ヤスリなども十分に入ります(そのほうが早く削れます)。 ただし、平ヤスリで細い窓枠をゴシゴシやってしまうと、窓枠が曲がったり伸びたりしてしまうこともあるので注意が要ります。 |
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これでキャブの完成です。 床板はまだ取り付けてはいませんが、できれば実際に合わせてみて、大きさを確認しておいたほうが正確にできます。 左右の側板が前から見ても下から見ても平行になっているか、よく確認しておきます。キャブの平行・直角が出ていないと、ランボードやボイラーをまっすぐに付けることがとても難しく、仕上がりがボロボロになってしまいます。 |
ここまでで2時間たってしまい、終了です。
古歯ブラシなどを使って十分に水洗いし、フラックスを完全に落としておきます。フラックス分が残っていると、塗装後にも腐食が進んでダメになってしまうことがあります。
道具を片付けて今日はおしまいです。