一応の完成をみましたが、途中で述べることができなかった点について補足します。
写真がないために、手書きの図になってしまいました。見づらいものもありますがご勘弁ください。
第1動輪ピンとメインロッドの干渉
図の矢印の部分が干渉しがちです。この図は少々極端に描いてありますが、ピンを避けるようにメインロッドを曲げて調整するのが確実です。
クロスヘッドが常に垂直になっていれば問題は起きにくいのでしょうが、図のようにクロスヘッドの下部が内側に寄りやすいので(ピストン棒も図のように斜めになってしまいます)、余計に第1動輪ピンと干渉しやすくなります。
なお、スライドバーは水平(平行)の状態で組み立てを始めますが、動輪の回転に応じてメインロッドが引かれる経路によっては、クロスヘッドとスライドバーの間に抵抗が生じて、動きがしぶくなることがあるようです。慎重にスライドバーを根元から曲げるようにして、クロスヘッドの動きを妨げないような角度に変えたり、ときにはねじってみると効果的なことがあります。
第2動輪ピン周辺
リターンクランクとサイドロッドの間にメインロッドが挟まれているので、ここに角度がついていると、引っかかって抵抗になることがあります。前述のようにメインロッドを曲げたときに発生しやすくなります。
また、リターンクランクをピンにハンダ付けするときに、ハンダが盛り上がりすぎていると、エキセントリックロッドと重なる位置に来たときに干渉します。
クロスヘッド周辺
めったにありませんが、ユニオンリンクが内側に寄っていると、コンビネーションレバーの下の部分(二股の部分)が、ピストン棒とクロスヘッドの付け根の太くなっている部分に引っかかって、動きがぎこちなくなったり、止まってしまうことがあります。
ユニオンリンクを少し外側に曲げて修正しますが、ユニオンリンクとクロスヘッド・メインロッドを止めているピンは破損しやすく、壊すと修理が難しいか不可能なので、注意が必要です。
イコライザ
イコライザの動き(車輪座の動き)が良くないと、空転しやすくなったり集電不良を招いたりすることがありますが、そのまま組み立てると動きの妨げになりそうな部分があります。本当に妨げになっているのかはわかりませんが、少々加工しておきました。
ベースプレートの穴の前後のフチ(右の矢印)に車輪座が当たるので、角を落としておきました。
また、ギアのついていないほうだけですが、モーターのベースプレートに角が当たるので(左の矢印)、車輪座のほうを削っておきました。
万一うまく走らないと、何もかもが原因に思えてしまうので、上記を施しておきましたが、本当はそれほど気にしなくても良いのかもしれません。
車軸と車輪
車輪はプラスチック製の車軸に圧入されていますが、機関車の動輪がうまく転がらないのに無理して走らせたり、極端に負荷をかけて走行させると、車軸と車輪の間が緩むことがあります。
こうなると走行中に「ゴゴゴ・・・」という異常音がしたり、テンダーが振動したりして正常に走らなくなります。
これはゴム系接着剤を塗って圧入しなおすなどの修理が必要です。
テンダー連結ピン
テンダーのドローバーについている連結ピンですが、根元が少し出っ張っているので、連結するとこの出っ張りのほうが機関車に当たってしまい、スムーズに動かないことがあります。そこで下図のように削っておきました。
これをやらないと、ピンを前方に傾けなければ、本来の連結部に接触しなくなります。ただし、次の加工を行えば別です。
連結位置の調整
連結ピンはキャブ下の台枠に空いている五角形の穴に入り込んで押しますが、ドローバーが短いため、ここが接触する前に、ピンの根元や石炭皿の先端が機関車に接触してしまいます。
ドローバーの延長は難しいので、五角形の穴の前方エッジの手前に0.3mmの真鍮線を折り曲げて取り付け、ここを連結ピンが押すようにしました。
キャブ後部
これでもまだ、線路状態によっては石炭皿がキャブ後部の床板に当たったり、キャブ後妻の下端に接触する可能性を感じましたので、石炭皿が当たらないように削っておきました。
キャブ床板(水色の部分)を少し前方に削り、キャブ後妻(桃色の部分)を下方に削りました。これらは組み立て前に行ったほうが楽な作業でした。
ロッド周りの調整は微妙で、毎度毎度同じような原因究明を繰り返すことになってしまいます。ただ、まだお蔵入りはありません。気長にやるしかありませんね。